ACADEMIA 学生の皆さまへ

管材市場

管材は上下水道や都市ガスといったインフラ、住宅をはじめ、オフィスビルや店舗、さらにはプラント等の産業施設といったあらゆる建築物の各種配管として使用されている。その目的は、液体、気体、粉体等の流体を運ぶこと、電線やケーブル等を保護することであり、ライフラインとしての役割を担っている。管材市場を取り巻く環境は、近年厳しさを増している。

需要面では、公共設備投資の減少、人口減少に伴う住宅着工件数の低迷、非住宅でも都市部を除いて大規模な投資が見込みづらくなっている。管材施工面では、人手不足によるコスト増、熟練工のリタイアによる施工技術の低下等が課題となっている。このため管材に対する要求は「量から質へ」と変化し、使用される管材には高耐久、長寿命、耐震性等ニーズが多様化している。

2018年度と2030年度で比較すると管材市場全体の数量は落ち込むものの、金額では拡大する。金額が拡大する最大の要因は、価格上昇と高機能品の増加である。管材価格は資源価格(ナフサ価格、鉄鉱石価格等)に付随するため、樹脂系・金属系ともに上昇傾向である。また、国内の建築需要(住宅、非住宅)およびインフラの新設需要が停滞ないしは減少傾向にあるなかで、樹脂系ではポリエチレン管、金属系ではステンレス管といった単価の高い管材の需要が拡大するものとみられる。

一方数量ベースでみると軽量である樹脂系の割合は2018年度で27%であるが、その用途は樹脂系と金属系で棲み分けがされている。金属系は大口径・高圧・高耐久等の用途や導入先が狭まる傾向にある。さらには法規制の緩和で消火管やインフラ(上水道、地中電線保護管等)にも樹脂系の使用範囲が拡大している。このため2030年度には樹脂系の割合が30%とやや高まることが予測される。樹脂系管材に採用割合が高まった背景には、樹脂系はトン当たりの単価は金属系の3~5倍程度となるものの、金属系に比較して同延長・口径の時に非常に軽量であり、材料費・施工人件費を加味するとトータルコスト低減となることが挙げられる。また可とう性があることから耐震対策としても樹脂系が選択されている。