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世界成長市場と縮小市場 -富士経済グループデータ

1.2019年の市場

1)2019年に成長した市場(10%以上成長した市場)

2018年から10%以上成長した市場は、ロボット関連、自動車関連、エレクトロニクス部品・材料に多い。ロボット関連では、従来から製造現場におけるロボットによる自動化ニーズに加え、業務効率化、省人化、人手不足解消を目的に各種ビジネスで利用シーンの増加により市場が拡大している。自動車では、コネクテッドカーが、現在のADAS主体から無人運転可能な自律型自動運転システム(LEVEL4/LEVEL5)に向けて進化する方向にあり、自動運転の安全性の担保やシステムのさらなる高度化を実現するためにエレクトロニクス部品、材料が順調な市場拡大を遂げている。

2)2019年に縮小した市場

米中貿易摩擦などを背景としたスマートフォン市場の停滞やそれに伴う部材の在庫調整などから、エレクトロニクス先端材料や、ディスプレイ関連デバイス、ディスプレイ関連部品材料の市場が縮小している。特にメカトロニクスパーツ市場は、一般産業機械など製造業全体の設備投資が抑制傾向となり、前年比二桁ダウンとなっている。小型モーターは、自動車電装分野は好調であったが、世界経済の低迷を受け、スマートフォン、プリンター等の情報、通信用途が需要の頭打ちとなり市場は縮小している。

2.2020年の市場

1)2020年に成長する市場(10%以上成長する市場)

2019年に10%以上成長した市場で、2020年の成長が10%未満にとどまるのは、パワーデバイス構成部材(8.4%)、業務・サービスロボット(9.5%)、CO2固定化(5.4%)、パワーデバイス製造装置(8.9%)の4市場である。

他の市場は2020年も10%以上成長している。5G対応エッジ機器が突出した成長をみせているが、これはスマートフォン向けに5G通信が本格展開するためである。すでに中国の大手スマートフォンメーカーが5G通信対応比率を半数程度まで引き上げるとしており「iPhone」の新モデルでも対応が予定されている。

2)2020年に縮小する市場

白物家電の市場拡大をけん引してきたルームエアコンは、2018年までは最大需要国である中国において好調な需要に支えられ、各社増産に踏み切った。しかし2018年下期以降急速に需要が縮小し、ルームエアコンは過剰生産となり、2019年以降は在庫処分で生産量が減少した。この傾向は2020年も継続するとみられる。2大需要国である北米と欧州が、成熟市場であり今後も横ばいから微減と予測される。

3.市場予測

1)2035年の市場

2035年の市場を予測しているのは3市場である。自動車全体の88%がコネクテッドカーと予測される。また自動車の47%をエコカーが占める。次世代電池は、全固体型リチウム二次電池が市場の大半を占め、ポストリチウム二次電池の構成比は1%弱と予測される。

2)2030年の市場

2030年の市場を予測しているのは12市場である。自動車のコネクテッド化、電動化に伴いそれらを支えるデバイス・部品の市場も大きく拡大することが予測される。次世代電池は、全固体電池(硫化物系)のxEV搭載が2025年以降本格化するため、2030年の市場規模が80倍(2020年比)と大きく成長する。炭素繊維複合材料成形加工品も2020年比で2倍の市場規模が予測される。これは、CFRTP市場において2025年以降、熱可塑性ラミネート等の採用により自動車分野が大きく拡大するためである。

3)2025年の市場