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国内のジェネリック医薬品市場を薬効領域別に調査

−2016年に2012年比41.1%増の7,779億円、医療用医薬品市場の8.8%−


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋)は、政府の医療費抑制策により拡大する国内のジェネリック医薬品(診療報酬点数表の後発医薬品に属するもの)と、長期収載医薬品の市場を30の薬効領域に分けて明らかにし、その調査結果を報告書「2013-2014 ジェネリック医薬品・長期収載品データブック No.2 市場編」にまとめた。

◆調査結果の概要

1.国内のジェネリック医薬品市場

2012年
2016年予測
2012年比
構成比
医療用医薬品
8兆0,731億円
8兆8,375億円
109.5%
100.0%
(ジェネリック医薬品)
5,512億円
7,779億円
141.1%
8.8%
(長期収載医薬品)
2兆3,372億円
2兆2,795億円
97.5%
25.8%

※医療用医薬品はジェネリック医薬品がない漢方製剤を含まない。ジェネリック医薬品、長期収載医薬品は医療用医薬品の内数である。構成比は医療用医薬品市場における2016年予測のジェネリック医薬品市場、長期収載医薬品市場のウエイトとする。

ジェネリック医薬品は近年厚生労働省による使用促進策として2010年に後発医薬品調剤体制加算が開始され、2012年に後発医薬品調剤体制加算の算定条件の厳格化や薬剤管理指導料の変更および一般名処方の加算が導入されたことにより市場が拡大した。新たに厚生労働省が2018年3月までに設定したジェネリック医薬品の使用促進のロードマップにより更なる市場の拡大が予想される。

販売チャネル別で見ると、広域卸だけではなく、代理店(販社)や直販の増加が市場の拡大に寄与している。また、施設別で見ると、病院だけではなく、診療所や調剤薬局も伸びてきている。診療所は直販及び代理店(販社)の積極的なアプローチもあり、経口剤を中心に拡大が続いている。

2.拡大するバイオシミラー市場

2012年
2016年予測
2012年比
バイオシミラー市場
45億円
264億円
5.9倍

バイオ医薬品におけるジェネリック医薬品であるバイオシミラーはまだ市場が小さいものの将来的に拡大するとみられる。2013年にCSF製剤「グラン」(協和発酵キリン)のバイオシミラーが発売されたことにより、バイオシミラーはヒト成長ホルモン剤と腎性貧血治療剤の3品目となっている。 2014年2月に抗がん剤「リュープリン」(武田薬品工業)のバイオシミラーが投入され、2015年には関節リウマチ治療剤「レミケード」(田辺三菱製薬)のバイオシミラーの投入も想定されることから、2016年には2012年比5.9倍の264億円が予測される。

3.今後期待されるオーソライズドジェネリック医薬品

先発医薬品メーカーの許諾を受け、先発医薬品と成分や製法などがほぼ同一に製造されるオーソライズドジェネリック医薬品が今後注目を集めるとみられる。国内初のオーソライズドジェネリック医薬品は抗アレルギー剤「アレグラ」(サノフィ)のジェネリック医薬品である「フェキソフェナジン塩酸塩「SANIK」」(日工医)で、2013年6月に発売された。その他、脂質異常症治療剤「リバロ」(興和創薬)などのジェネリック医薬品が承認されているが、発売には至っていない。

◆注目の薬効領域別市場

薬効領域別ジェネリック医薬品市場

2012年
2016年予測
2012年比
高血圧症治療剤
580億円
1,050億円
181.0%
統合失調症治療剤
36億円
86億円
2.4倍
その他精神神経疾患治療剤
61億円
155億円
2.5倍
抗アレルギー剤
124億円
275億円
2.2倍
脂質異常症治療剤
360億円
625億円
173.6%
抗がん剤(がん関連用剤含む)
432億円
753億円
174.3%
骨粗鬆症治療剤
73億円
143億円
195.9%

1. 高血圧症治療剤

高血圧症患者は今後も増加するとみられ、2015年頃に「ブロプレス」(武田薬品工業)、「プレミネント」(MSD)といった大型製品のジェネリック医薬品の発売が予想されることから、2016年には1,000億円を突破すると予測される。

2.統合失調症治療剤

2007年に「リスパダール」(ヤンセンファーマ)、2012年に「セロクエル」(アステラス製薬)のジェネリック医薬品が発売されたことで、市場全体が活性化した。 2016年以降は「ジプレキサ」(日本イーライリリー)や「エビリファイ」(大塚製薬)のジェネリック医薬品も発売されるとみられ、市場は拡大し2016年には2012年比2.4倍の86億円が予測される。

3.その他精神神経疾患治療剤

社会不安や経済状況の不安定さからうつ病や不眠を訴える患者が増加していることや、2012年に抗うつ剤「パキシル」(グラクソ・スミスクライン)や睡眠導入剤「マイスリー」(アステラス製薬)のジェネリック医薬品が発売されたことで市場は拡大している。 2013年には抗パーキンソン病剤「ビ・シフロール」(日本ベーリンガーインゲルハイム)のジェネリック医薬品が発売され、市場はさらに拡大するとみられる。2016年には2012年比2.5倍の155億円が予測される。

4.抗アレルギー剤

抗アレルギー剤はシェア上位品の多くがスギ花粉に起因する花粉症で処方されるケースが多いことから、スギ花粉の飛散量に市場が大きく影響を受ける。 2012年に「アレロック」(協和発酵キリン)、2013年に「アレグラ」(サノフィ)のジェネリック医薬品が発売されたことや、後発医薬品調剤体制加算の変更などの影響により市場が拡大し、2016年には275億円が予測され、抗アレルギー剤市場全体の14.2%を占めるとみられる。 日医工から発売された「アレグラ」(サノフィ)のジェネリック医薬品が国内初のオーソライズドジェネリック医薬品となった。先発医薬品と成分や添加物の組成、製法などが同一であることを訴求することでシェア獲得を図っている。

5.脂質異常症治療剤

脂質異常症治療剤は患者数の増加にしたがって、スタチン系を中心とした大型製品がけん引し、市場が拡大しており、2013年にはピタバスタチンのジェネリック医薬品が新たに投入されたため、さらに拡大するとみられる。 その他にも、2011年には「リピトール」(アステラス製薬)の、2013年には「リバロ」(興和創薬)のジェネリック医薬品が発売されており、2016年には脂質異常症治療剤市場全体の15.6%にあたる625億円が予測される。 2013年にテイカ製薬が「リバロ」のジェネリック医薬品の製造販売承認を取得しており、今後オーソライズドジェネリック医薬品として発売されることが予想されるが、現段階では薬価収載の申請はされていない。

6.抗がん剤(がん関連用剤含む)

抗がん剤は薬価が非常に高く、ジェネリック医薬品への切換えのメリットが高い領域となっている。市場はパクリタキセル、カルボプラチン、ビカルタミドの3成分が約5割を占めている。別の成分からは2012年には「アリミデックス」(アストラゼネカ)、2013年には「グリベック」(ノバルティス ファーマ)のジェネリック医薬品が発売されている。今後も市場は順調に拡大を続けていくとみられる。 「リュープリン」(武田薬品工業)のバイオシミラーが2014年2月に発売されたことで、さらに市場が拡大していくとみられ、2016年には2012年比74.3%増の753億円が予測される。

7.骨粗鬆症治療剤

骨粗鬆症治療剤は高齢人口の増加により需要が増加している。市場は2011年まではビタミンD3製剤「アルファロール」(中外製薬)、「ワンアルファ」(帝人ファーマ)のジェネリック医薬品を中心に堅調に推移してきたが、2012年以降はビスフォスフォネート製剤のジェネリック医薬品がけん引して、市場が拡大している。ビスフォスフォネート製剤は2011年に「ボナロン」(帝人ファーマ)、「フォサマック」(MSD)が、2012年に「ベネット」(武田薬品工業)、「アクトネル」(エーザイ)のジェネリック医薬品が発売されており、診療所及び調剤薬局において浸透が進んでいることから、2016年に市場は2012年比95.9%増の143億円、骨粗鬆症治療剤市場全体の6.2%を占めると予測される。

◆調査対象

薬効領域編 高血圧症治療剤、その他循環器官用剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、統合失調症治療剤、その他精神神経疾患治療剤、上部消化管疾患治療剤、その他消化器官用剤、抗アレルギー剤、喘息・COPD治療剤、その他呼吸器疾患治療剤、脂質異常症治療剤、糖尿病治療剤、痛風・高尿酸血症治療剤、解熱消炎鎮痛剤(外用剤含む)、抗がん剤(がん関連用剤含む)、体内診断薬、麻酔・筋弛緩剤、婦人科・産婦人科疾患治療剤、変形性関節症治療剤・関節リウマチ治療剤、骨粗鬆症治療剤、消毒剤(含嗽剤含む)・皮膚潰瘍治療剤、泌尿器疾患治療剤・腎疾患治療剤、栄養剤・ビタミン剤・輸液・生理食塩水、眼科用剤、ヒト成長ホルモン剤、エリスロポエチン製剤、脳疾患治療剤・認知症治療剤、CSF

 


2014/03/28
       
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