マーケット情報


製造ラインにおける検査の質の向上を支える
画像処理システムの世界市場を調査

−2018年市場予測(2013年比)−
画像処理装置(筐体型) 603億円(40.2%増) 中国、アジアにおける需要が拡大
FA用エリアスキャンカメラ 360億円(28.6%増) アナログからデジタルへの切り替えが進む


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、製造業における省人化への投資の活発化により今後の拡大が期待されると共に、デジタル化に伴う参入メーカーのビジネススタイルの変化が進む、画像処理システムの世界市場を調査した。 その結果を「2014 画像処理システム市場の現状と将来展望」にまとめた。

報告書では、単体機器として処理装置6品目、カメラ4品目、キーコンポーネンツ3品目、アプリケーションとして基板実装関連3品目、シート関連2品目、食品・薬品関連3品目、加えて観察・測定関連機器6品目の計27品目を対象に市場の現状を分析し今後を予測した。また、3D化やビッグデータ、クラウド活用といった最新技術トレンドの動向についても整理した。

◆注目市場

1.画像処理装置(筐体型)

2013年
2018年予測
2013年比
市場規模
430億円
603億円
140.2%

画像処理装置(筐体型)の市場は、2013年に430億円となった。2014年は、スマートフォンや自動車関連用途で増加するとみられ、2013年比9.3%増の470億円が見込まれる。

取り付けの容易さ、メンテナンスの簡便さ、使い易さなどの面から、アジアのローカルユーザーの需要が拡大している。特に中国におけるスマートフォン、タブレットの設備投資、人件費高騰に伴う省人化ニーズの高まりといった要因に支えられている。地域別の需要は、アジアでは電子部品や電子機器の組立用途が中心であるが、タイやインドネシアでは自動車関連用途も増加している。また、欧米では食品関連用途や自動車関連用途が多い。

ユーザーの要求は、従来の価格重視からサポート重視に変化してきており、メーカー側は現地でのサポート体制強化や、ソリューション提案による付加価値の向上が必要となっている。また、製品のコモディティ化が進む中、各社は解像度を高める、筐体自体を小型設計にする、低消費電力にするなど、高性能化、高付加価値化により価格の維持に努めている。

2.FA用エリアスキャンカメラ

2013年
2018年予測
2013年比
市場規模
280億円
360億円
128.6%

FA用エリアスキャンカメラの市場は、2013年に280億円となった。半導体製造装置やマウンタなどの装置用途が低調な中、日本メーカーは苦戦したものの、北米や欧州メーカーは実績を伸ばした。2014年はスマートフォンや自動車関連の設備投資が旺盛で、半導体製造装置やマウンタなどの装置用途の拡大が期待され、2013年比7.1%増の300億円が見込まれる。

FA用エリアスキャンカメラは、アナログからデジタルへの切り替えが、北米や欧州メーカーを中心に急速に進んでいる。日本メーカーは、国内市場においてアナログからデジタルへの切り替えが遅いこともあり、デジタル化に乗り遅れていたが、ここにきて、各メーカーがUSB3.0とGigE Visionのラインアップを強化し、巻き返しを図っている。また、カメラの高画素化も進んでいる。値ごろ感から500万画素の需要が上昇しているが、今後は1200万画素以上のカメラのニーズも高まると想定される。

3.非接触三次元測定器(非接触CMM)

2013年
2018年予測
2013年比
市場規模
106億円
275億円
2.6倍

非接触ユニットを搭載した三次元測定器(CMM)を対象とする。非接触ユニットが500万円以上と高価なため、2013年はCMM全体の5%程度とみられるが、自動車部品用途を中心に成長が期待される。

CMMの中心となる自動車部品用途では、部品の高精度加工要求により、測定点数が増加している。従来の接触式CMMでは測定点数増加への対応が困難なため、今後は非接触式の導入の動きが広がるとみられる。 2017年頃から価格低下による本格的な市場拡大が進むとみられ、2018年には2013年比2.6倍の275億円が予測される。

◆調査の概要

画像処理システムの世界市場

2013年
2018年予測
2013年比
単体機器
2,936億円
3,823億円
130.2%
アプリケーション
1,250億円
1,799億円
143.9%
観察・測定関連機器
2,064億円
2,626億円
127.2%

市場のトレンドとして、さらなるデジタル化の進展があげられる。2013年時点で世界のFA用カメラの6割がデジタル化しており、いち早くデジタルインターフェースのラインアップを充実させた欧米メーカーの存在感が増している。また、デジタル化によるボードレス化も進んでおり、ボードメーカーはボード単体の販売から、カメラ一体型画像処理装置や、カメラとライブラリの一体販売などへビジネスを移行しつつある。

画像処理システム市場は、今後中国を含めたアジアがけん引するとみられ、2018年には市場の3割弱を占めると予測される。すでにCIS(独立国家共同体)やアフリカなどで、鉄鋼、ガラス、製紙などの基幹産業向けにWeb外観検査装置が導入されており、今後新興国市場の伸びも期待できる。

1.単体機器

画像処理装置(筐体型、ボード)、画像センサの市場はスマートフォン関連の設備投資を中心に拡大している。ロボットビジョンシステム、三次元デジタイザは日本や欧米の自動車メーカーの積極的な設備投資により市場を拡大させている。今後は特にアジアを中心とした新興国においてローエンド製品の需要が高まるとみられる。

FA用エリアスキャンカメラはローコスト製品を中心に好調である。2014年は半導体製造装置やマウンタ、基板検査装置などの装置用途が増加している。FA用ラインスキャンカメラは、スマートフォンを中心とした液晶関連、高機能フィルム関連の旺盛な設備投資により成長が期待される。ハイスピードカメラは、トラブルシューティングや研究開発用途が中心で、アジアなどでローコスト製品の採用が広まっている。赤外線サーモグラフィは、低価格製品の普及により、ユーザー層が広がり、市場は拡大している。

画像処理用LED照明は、自動車関連用途が増えており、今後の拡大が期待される。画像処理用レンズは、カメラの高画素化に伴い、レンズも高画素化対応が進んでおり、レンズ単品だけでなく、レンズと照明、またはカメラも加えたトータル提案が行われている。産業用イメージセンサは高速化、高解像度、大容量、低コストが実現できるCMOSイメージセンサの採用比率が増加している。

2.アプリケーション

基板実装関連では、AXI(Automated X-ray Inspection)がEMSや車載電装の大手を中心に、今後の市場拡大余地が大きい。シート関連の検査装置では、Web外観検査装置がメタル、ガラス、製紙などで大型案件が増加している。印刷面外観検査装置は、アジアにおける需要が本格化している。食品・薬品関連の検査装置では、飲料容器外観検査装置が最も市場が大きく、日本、欧州、米州では更新需要が主であるが、今後東南アジアでの需要増加が有望視されている。錠剤・顆粒剤検査装置はユーザーが医薬品メーカーに限られるものの、アジアなどの新興国における需要の増加により、高い成長が期待できる。

3.観察・測定関連機器

2013年時点で、最も規模が大きいのは、電子顕微鏡(SEM、TEM)である。今後有望とみられるのは、非接触三次元測定器で、自動車部品用途における接触式から非接触式への移行や製品価格の低下により、大幅な市場拡大が期待される。

◆調査対象

単体機器 処理装置 画像処理装置(筐体型)、画像処理装置(ボード)、画像センサ、ロボットビジョンシステム、三次元デジタイザ、画像解析計測ソフトウェア
カメラ FA用エリアスキャンカメラ、FA用ラインスキャンカメラ、ハイスピードカメラ、赤外線サーモグラフィ
キーコンポーネンツ 画像処理用LED照明、画像処理用レンズ、産業用イメージセンサ
アプリケーション 基板実装関連 クリームはんだ印刷検査装置、インライン実装検査装置(リフロー前後)、AXI
シート関連 Web外観検査装置、印刷面外観検査装置
食品・薬品関連 飲料容器外観検査装置、文字検査装置、錠剤・顆粒剤検査装置
観察・測定関連機器 CNC画像測定器、デジタルマイクロスコープ、共焦点レーザー顕微鏡(工業用)、工業用X線装置、電子顕微鏡(SEM、TEM)、非接触三次元測定器(非接触CMM)

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。

 


2014/10/17
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。