マーケット情報


粘着剤・接着剤市場を調査

−2018年予測(2013年比)−
国内粘着剤・接着剤市場 2,674億円(0.5%増) ホットメルト形が衛生材用途で順調な伸び


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、合板、木工、包装、製本、紙加工、土木、建築、エレクトロニクス、自動車・車両などあらゆる分野で使用される様々な粘着剤と接着剤(以下、粘・接着剤)の市場を調査した。 その結果を「2014年 粘・接着剤市場の展望とグローバル展開」にまとめた。

この報告書では反応形9品目、ホットメルト形9品目、水性形4品目、感圧形2品目、縮合形3品目、溶剤形2品目、その他1品目の粘・接着剤の国内市場および世界市場について調査・分析し、今後の粘・接着剤市場における参入メーカーのグローバル展開や、用途分野別の市場動向を明らかにした。

◆調査結果の概要

国内粘・接着剤市場

2013年
2018年予測
2013年比
反応形
数 量
10.7万トン
11.4万トン
106.5%
金 額
896億円
920億円
102.7%
ホットメルト形
数 量
12.4万トン
13.3万トン
107.3%
金 額
682億円
704億円
103.2%
水性形
数 量
17.9万トン
17.3万トン
96.6%
金 額
378億円
364億円
96.3%
感圧形
数 量
13.0万トン
13.8万トン
106.2%
金 額
330億円
342億円
103.6%
縮合形
数 量
24.8万トン
20.4万トン
82.3%
金 額
229億円
188億円
82.1%
溶剤形
数 量
2.3万トン
2.5万トン
108.7%
金 額
145億円
156億円
107.6%
その他
数 量
僅少
僅少
金 額
僅少
僅少
合 計
数 量
81.0万トン
78.5万トン
96.9%
金 額
2,660億円
2,674億円
100.5%

2013年の粘・接着剤市場は2,660億円となった。反応形が市場の34%を占め、ホットメルト形が26%と続いている。

反応形は使用量の多い建築や土木、エレクトロニクス、自動車・車両分野で利用され、接着強度、硬化速度、柔軟性、無黄変などの性能をコントロールしやすいことが特徴である。ウレタン系、シリコーン系、エポキシ樹脂系を中心としており、3品目で反応形の70%を占めている。

ホットメルト形は紙おむつなどの衛生材向けで需要が伸びているエラストマー系、各種包装や製本で使用するEVA(エチレン酢酸ビニル)樹脂系が中心である。無溶剤で環境負荷が低く、接着が速い特性が生産性の向上につながるため、用途によっては溶剤形や水性形に代わる接着剤として普及が進んでいる。

水性形は環境性能に優れ、合板や木工、建築、包装・製本、紙加工の分野で幅広く利用されている。

2018年は縮合形や水性形の市場が縮小すると予想されるが、反応形やホットメルト形が拡大し、市場全体では微増が予測される。

◆注目市場

1.エポキシ樹脂系接着剤(反応形)

2013年
2018年予測
2013年比
市場規模
数 量
2.3万トン
2.6万トン
113.0%
金 額
159億円
180億円
113.2%

市場は2013年に159億円となった。土木、建築、自動車・車両、エレクトロニクスなど幅広い分野で使用されている。消費量が最も多い土木、建築分野では公共事業の縮小や消費税改正後の住宅着工数の低迷により新築での需要は減少したが、老朽施設の補強や補修、住宅リフォームなどメンテナンス需要が市場を支えた。 2014年以降は、コンクリートの補修需要、道路や鉄道の耐震補強や補修需要の拡大、東京オリンピックに向けてのインフラ整備による需要の増加により、市場は拡大するとみられる。

2.エラストマー系ホットメルト形接着剤(ホットメルト形)

2013年
2018年予測
2013年比
市場規模
数 量
5.1万トン
6.0万トン
117.6%
金 額
252億円
297億円
117.9%

市場は2013年に252億円となった。伸縮性があり、大人・子供用の紙おむつやナプキンなどの衛生材向けが中心であり、それらが高齢者・介護向けで増加していることから市場が拡大している。近年は中国やアジアを中心に、高品質な日本製の紙おむつの輸出が高まり、需要が伸びている。

このほかの分野では、住宅外壁用シーリングや断熱材向けなど土木、建築分野の需要が拡大している。自動車・車両分野はヘッドライトやテールランプなどのシーリングで使用されている。特に耐水性や補修時のリシール性を高めた製品で採用が拡大している。

日系紙おむつメーカーは海外の生産拠点を構築しており、需要が拡大している中国やアジアに注力している。今後、輸出用紙おむつ向けの需要は鈍化するとみられるが、高齢者や介護向けでは大人用紙おむつの拡大が期待されるため、市場は微増が予想される。

3.ウレタン樹脂系反応型ホットメルト形接着剤(ホットメルト形)

2013年
2018年予測
2013年比
市場規模
数 量
0.5万トン
0.6万トン
120.0%
金 額
45億円
51億円
113.3%

市場は2013年に45億円となった。住設建材や家具向けの合板や木工分野で需要があり、2013年は消費税改正前の住宅着工件数の増加や近年の脱溶剤化ニーズなども後押しして市場が大きく拡大した。今後は住宅着工件数の減少が予想されるが、建築や繊維分野で脱溶剤化の動きが高まっており、また、排水処理能力や生産性からエマルジョン形接着剤からの置き換えが進むとみられる。

このほかの分野では、耐久性の高さや高速硬化性などが評価され、自動車・車両分野で主に座席シートやドア内装材の布張り合わせに使用されてきた。また近年は、ライトのシーリング用途において、一部の日系メーカーは防湿性を高めたエラストマー系ホットメルト形接着剤の使用事例が多いが、海外メーカーは接着強度を求めてウレタン樹脂系反応型ホットメルト形接着剤を使用している。今後日系自動車メーカーにおいても採用が増加していくと予想される。

4.メタロセンPO系ホットメルト形接着剤(ホットメルト形)

2013年
2018年予測
2013年比
市場規模
数 量
0.7万トン
0.9万トン
128.6%
金 額
37億円
46億円
124.3%

市場は2013年に37億円となった。段ボール封函などの包装向けでEVA樹脂系ホットメルト形接着剤からの代替が進んでおり、年々需要が拡大している。熱安定性の高さから炭化物の発生が抑えられ、接着剤を使用する側の生産ラインにおいて、アプリケータのノズル詰まりによるライン停止回数を減少できる。また、EVA樹脂系ホットメルト形接着剤と比較して、面積当たりの接着剤の使用量を削減でき、トータルコストの低減につながる点が評価されている。さらに、耐熱性も高いため食品調味料など中身が高温状態のまま段ボールに包装される場合においても、接着不良の抑制が可能となっている。

省電力・省エネ化が可能な低温ヒートシール製に優れた製品が開発されているが、ニスコートされた化粧箱などへの接着力には課題がある。日本は、欧米と比較してコーティングされた段ボールの使用率が高いため、今後は様々な被着体への接着特性を向上させる製品開発が求められる。

◆調査対象品目

分 野
品 目
反応形 シアノアクリレート系接着剤(瞬間接着剤)、シリコーン系接着剤、変性シリコーン系接着剤(変性シリコーン系弾性接着剤)、ウレタン系接着剤(無溶剤形、溶剤形)、エポキシ樹脂系接着剤、第2世代アクリル系接着剤(SGA)、紫外線硬化形接着剤、嫌気性接着剤、シリル化ウレタン系接着剤(シリル化ウレタン系弾性接着剤)
ホットメルト形 ウレタン樹脂系反応型ホットメルト形接着剤、エラストマー系ホットメルト形接着剤、オレフィン系ホットメルト形接着剤、メタロセンPO系ホットメルト形接着剤、ブチルゴム系ホットメルト形接着剤、EVA樹脂系ホットメルト形接着剤、ポリエステル系ホットメルト形接着剤、ポリアミド系ホットメルト形接着剤、フィルム状ホットメルト形接着剤
水性形 アクリル樹脂系エマルジョン形接着剤、EVA樹脂系エマルジョン形接着剤、酢酸ビニル系エマルジョン形接着剤、水性高分子・イソシアネート系接着剤
感圧形 アクリル樹脂系溶剤形粘着剤(外販)、アクリル樹脂系エマルジョン形粘着剤(外販)
縮合形 ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤
溶剤形 CR系溶剤形接着剤、非晶性ポリエステル樹脂
その他 剥離剤(リペア剤)

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。

 


2014/10/20
       
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