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再生可能エネルギーシステム市場を調査

−2020年国内市場予測(2013年比)−
バイナリ発電システム 46億円(12.8倍) 産業施設を中心に拡大
電力自由化関連機器 2,032億円(5.1倍) 電力会社の電力スマートメーターの本格導入が進む


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、太陽電池や、風力発電などの再生可能エネルギーシステム、汎用インバータ/インバータ搭載機器、蓄電システム、変換システムなどの国内・世界市場を調査した。 その結果を報告書「2014 電力・エネルギーシステム新市場」にまとめた。

この報告書では太陽電池/太陽熱発電システム3品目、風力発電システム3品目、水力・海洋エネルギー発電システム5品目、地熱・排熱発電システム3品目、バイオマス発電システム2品目、燃料電池3品目、内燃式分散型発電システム3品目、蓄電システム3品目、グリッド関連機器6品目、電力自由化関連機器5品目、電動自動車/鉄道車両関連機器8品目、汎用インバータ/インバータ搭載機器3品目、エネルギーマネジメントシステム3品目について幅広く調査し、その動向を明らかにした。

◆注目市場

1.バイナリ発電システムの国内市場 (地熱・排熱発電システム)

2013年
2020年予測
2013年比
市場規模
3.6億円
46億円
12.8倍

地熱発電システムはドライスチーム、フラッシュ、バイナリ、高温岩体の各方式があるが、ここではバイナリ方式を対象とした。バイナリ発電システムは、水より沸点の低い媒体を加熱・蒸発させ、その蒸気でタービンを回す低温発電のシステムである。

地熱発電設備の選任要件の見直しが行われ、出力規模によりボイラタービンの主任技術者の配置が不要となり、さらにFIT(固定価格買い取り制度)対象となったことで、2012年より市場は小規模な温泉地の需要によって立ち上がった。

2013年の市場は3.6億円となった。需要先は産業施設、地熱発電所、温泉地である。産業施設の主な導入先はごみ焼却場、製鉄所、大型の炉を所有する工場である。潜在需要が多く、各社が注力している。地熱発電所は、低温地熱の活用に積極的な九州電力が導入を進めている。温泉地は大分県別府市が先行するほか、1件あたりの規模は小さいものの、有力温泉地が導入している。

更なる市場の拡大には工場やごみ焼却場の開拓、地熱発電で第一選択となる高温発電が導入できない需要家の開拓が必要である。

2.ガスタービン発電機器の国内市場 (内燃式分散型発電システム)

2013年
2020年予測
2013年比
市場規模
1,230億円
1,210億円
98.4%

市場は産業・業務施設向けにガスタービンを利用した常用、非常用発電機器を対象とした。東日本大震災以降、ガスタービン発電機器が注目されている。

2013年の市場は1,230億円となった。2012年、2013年の前半までは非常用発電用途が市場をけん引したが、以降は常用発電用途の需要が顕在化し、市場の拡大に貢献している 2015年以降は震災需要が落ち着くものの、安価なシェールガスの輸入の目途が立つ2017年から市場が再び拡大すると予想される。

◆注目分野・カテゴリ市場

1.電力自由化関連機器の国内市場

2013年
2020年予測
2013年比
市場規模
396億円
2,032億円
5.1倍

市場は双方向通信機能を備えた電力スマートメーター、ガススマートメーター、水道スマートメーターに加え、デマンドコントローラー、計測機能付ブレーカを対象とした。2013年の市場は396億円となった。

電力スマートメーターは、ゲートウェイとして電気機器・設備機器の制御、検針データを解析し易くする機能や需要予測などを行うものが主流である。2014年から東京電力は本格的な導入を予定しているほか、2015年には沖縄電力も本格導入を予定している。今後、国内10電力会社は2025年までに導入を完了するとみられる。

ガススマートメーターは、リアルタイムで使用量を把握するほか、ガス漏れ検知器や火災報知機などと連携してガス供給を遠隔監視し、ガス利用時の安全性の向上を図る。LPガス会社が保安を目的に先行して導入した。続いて、通信機能の強化や省スペース化の優位性から大手都市ガス会社が導入し、その後地方都市ガス会社でも導入が進んだ。2015年以降は、更新需要が本格化することから市場が拡大し、2020年には100%近くの導入率になるとみられる。

水道スマートメーターの市場は年間8万台程度である。水道事業は自治体が運営しており、市場競争が無い。電力やガススマートメーターと比較し採用率が低く、また、比較的高額であるため、市場の大幅な拡大は難しい。

デマンドコントローラーでは、2013年は工場の節電対策需要が落ち着き、学校や病院、自治体施設で一定の需要は発生したものの、オフィスビルで各種「見える化」ツールの導入が進展したことで減少した。2014年以降は、参入各社が高機能化製品の投入を進める一方、中小規模の工場やオフィスビルの需要の掘り起こしを進めるとみられる。また、対象範囲が狭く計測点数も少ない比較的安価な製品も投入されるなど、市場の拡大が期待される。

計測機能付ブレーカは工場が閉鎖される一方で、既存工場への新規導入を獲得することにより横ばいとなっている。2013年は5月に施行された改正省エネ法により、エネルギー使用量の計測範囲が拡大した。これを受け、既に工場で導入していた製造業が他工場にも導入を進めたほか、オフィスビルへの導入も進んだものの、微減となった。2014年以降は、各社が電力モニタやデータサーバなどとの組み合わせによる電力監視システムとしての提案が強化され、緩やかに増加していくとみられる。

2.再生可能エネルギーシステムの国内市場

2013年
2020年予測
2013年比
市場規模
7,260億円
6,729億円
92.7%

市場は太陽電池/太陽熱発電、風力発電、水力・海洋エネルギー発電、地熱・排熱発電、バイオマス発電のシステムを対象とする。2013年の市場は7,260億円となった。太陽電池/太陽熱発電システムは、2012年よりFITが開始され、市場が大幅に拡大した。

風力発電システムでは、陸上風力発電が2013年にFITの施行によるプラスよりも補助金廃止のマイナス影響の方が大きく、縮小したが、今後はFITにより市場の拡大が予想される。洋上風力は着床式、浮体式ともに複数の案件があり、中長期的な拡大が期待できる。

水力・海洋エネルギー発電システムでは、小型、中型水力発電がFITの施行により1〜5MW規模のシステムを中心に導入され拡大した。今後、小型、中型水力発電は成熟期に移行するとみられるが、一方、波力、海洋温度差、潮流・海流の海洋エネルギー発電システムの商用化が期待されるため、今後市場は大きく拡大すると予想される。

地熱・排熱発電システムでは地熱発電(バイナリ発電除く)は、秋田県で2020年の稼働を目指した案件があり、大規模事業として注目されている。バイナリ発電と熱電発電は、緩やかに市場が伸びるとみられる。

◆調査対象品目

分野
品目
太陽電池/太陽熱発電システム シリコン系太陽電池、化合物系太陽電池、太陽熱発電
風力発電システム 陸上風力発電、着床式洋上風力発電、浮体式洋上風力発電
水力・海洋エネルギー発電システム 小型水力発電、中型水力発電、波力発電、海洋温度差発電、潮流・海流発電
地熱・排熱発電システム 地熱発電、バイナリ発電、熱電発電
バイオマス発電システム 木質バイオマス発電、メタン発酵ガス化発電
燃料電池 PEFC、SOFC、MCFC
内燃式分散型発電システム ディーゼルエンジン発電、ガスエンジン発電、ガスタービン発電
蓄電システム 定置用リチウムイオン電池、NAS電池、フロー電池
グリッド関連機器 住宅用太陽光パワーコンディショナ、非住宅用太陽光パワーコンディショナ、UPS、低圧遮断器、無効電力補償装置、高圧受電設備
電力自由化関連機器 電力スマートメーター、ガススマートメーター、水道スマートメーター、デマンドコントローラー、計測機能付ブレーカ
電動自動車/鉄道車両関連機器 HV、PHV、EV、FCV、鉄道車両、EV/PHV普通充電器、EV/PHV急速充電器、水素ステーション
汎用インバータ/インバータ搭載機器 汎用インバータ、ルームエアコン、エレベータ
エネルギーマネジメントシステム HEMS、BEMS、FEMS

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。

 


2014/11/14
       
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