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「ASEAN経済共同体(AEC)」発足で注目のアセアン主要6ヵ国の加工食品市場を調査

−2015年見込(2014年比−
アセアン主要6ヵ国の加工食品市場は5兆8,136億円(7.7%増) 
インドネシア(10.8%増)が市場拡大をけん引、ベトナム(13.0%増)も大幅に拡大


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、2015年6月から8月にかけて、インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシアの6ヵ国を対象に主要加工食品市場を種類別・流通チャネル別に調査・分析した。また、各国における主要メーカー、新商品の動向、日系企業の進出状況などをまとめた。その結果を「アセアン諸国における食品市場実態調査 2015」にまとめた。

調査対象は、菓子、調味料、めん類、ステープル、清涼飲料、アルコール飲料に新たにデザート、冷凍食品、缶詰、乳油製品、育児用食品を加え、合計11カテゴリーとした。

2015年末に「ASEAN経済共同体(AEC)」の発足で、巨大な経済圏が動き出そうとしている中、アセアン地域は消費市場としての期待が非常に高まっている。食品産業においては潜在的な成長力も大きく、グローバルマーケットの中で新たな成長エンジンとして最も注目されている地域である。

◆調査結果の概要

加工食品11カテゴリーの市場規模推移 (円換算値)

2015年見込
2014年比
2016年予測
2014年比
インドネシア
1兆6,159億円
110.8%
1兆7,872億円
122.6%
シンガポール
2,179億円
103.1%
2,251億円
106.5%
タイ
1兆5,063億円
107.1%
1兆6,106億円
114.5%
フィリピン
1兆4,471億円
104.0%
1兆5,048億円
108.1%
ベトナム
7,094億円
113.0%
8,036億円
128.0%
マレーシア
3,170億円
104.8%
3,328億円
110.1%
6ヵ国合計
5兆8,136億円
107.7%
6兆2,641億円
116.0%

2015年の加工食品11カテゴリーの市場は、6ヵ国合計で5兆8,136億円が見込まれる。2016年も拡大を続け、2014年比16.0%増の6兆2,641億円が予測される。

めん類では、袋めんが調理時間が短く、簡便で、安価であることから、個人商店や公設市場といった伝統的商店を通じて販売され、低所得者層にも浸透している。袋めんより簡便性の高いカップめんは、国によっては比較的高価な商品であったが、経済発展により中間所得者層が増加しているため、消費も増加するとみられる。

ステープルは、食の欧米化やライフスタイルの変化で、調理時間が短くて済むパン食が都市部を中心に広がっており、CVSでの取り扱いも一般となり、市場が拡大するとみられる。シリアルフーズは市場規模が小さいものの、マレーシアでは健康志向の高まりを背景に、日本の量販店より広い販売スペースで展開されるなど、今後の拡大が期待される。

清涼飲料は、都市部でCVSが増加していることから、気軽に購入できる機会が増えている。ミネラルウォーター類は、水道水の品質が低いことから一般的に飲用されている。希釈・粉末飲料は、安価であることから高価なボトル入りの飲料を購入できない低所得者層にも根強い需要がある。

アルコール飲料は、インドネシアやマレーシアでは宗教上の理由から消費層が限られるため市場は小規模である。また、インドネシアでは、2015年にCVSなどでのアルコール飲料の販売規制が強化された。タイやシンガポールも2014年以降アルコール飲料の販売時間が短縮され、市場の伸びが鈍化している。一方、ワインは、いずれの国でも需要が高まっている。

育児用食品では、共働きが多く、育児休業期間が短いことや乳幼児の栄養不足を補う飲料として育児用調製粉乳の飲用が広がっている。いずれの国においても酪農が未発達のため、外資系メーカーのシェアが高い市場である。

◆主要国の動向

1.インドネシア

インドネシアはアセアンで最も人口が多く、消費市場としての潜在需要が大きい一方、インフラ不足やハラル認証などの市場環境がある。アルコールはイスラム教で摂取が禁じられているため、規制が厳しく、2015 年からCVSなどの小規模店舗でアルコール度数5%以下の酒類販売が禁止となり需要が低迷している。めん類は商品の種類が豊富で、消費量も多いことから市場は拡大している。また、経済成長により嗜好性の高いチーズなどの乳製品、育児用食品などは、さらに拡大すると予想される。

2.ベトナム

ベトナムは近年の経済発展により消費者の所得水準が右肩上がりとなっている。個人商店や公設市場のシェアが市場の7割を占めており、量販店やCVSなどの近代的な商店のシェアがアセアンで一番低い。しかし製造・販売ともに外資が増加していることから徐々に流通は整備され始め、清涼飲料、デザート、乳油製品、冷凍食品など、チルド・フローズン市場は二桁増で拡大している。

◆調査対象品目

カテゴリー
品  目
菓子 ビスケット類、チョコレート、ガム、スナック菓子、ナッツ類、キャンディ類
調味料 食用油、しょうゆ、トマトケチャップ、マヨネーズ・ドレッシング類、その他
めん類 パスタ、カップめん・袋めん、乾めん・ビーフン
ステープル パン、シリアルフーズ、栄養バランス食
清涼飲料 炭酸飲料、果実飲料、茶系・紅茶飲料、機能性飲料、ミネラルウォーター類、希釈・粉末飲料、乳酸菌飲料、牛乳類
アルコール飲料 ビール、ワイン、ウイスキー・ブランデー・スピリッツ
デザート アイスクリーム、ヨーグルト
冷凍食品 冷凍食品
缶詰 食肉・水産缶詰、トマト缶詰
乳油製品 バター、マーガリン・ファットスプレッド、チーズ
育児用食品 育児用調整粉乳、ベビーフード

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。

 


2015/09/15
       
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