マーケット情報


自動車部品用途を中心に高機能コンパウンドの需要が増加
コンパウンドの世界市場を調査

−2019年市場予測(2014年比)−
コンパウンド17品目 3,136万トン(11.2%増)、スーパーエンプラ 23万トン(21.1%増) 


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、中国経済の減速による市場環境の変化に対応するため、各メーカーがそれぞれの強みを活かし、機能、用途、配合技術、生産規模、地域戦略などで差別化を進める汎用樹脂、汎用エンプラ、スーパーエンプラといったコンパウンドの市場を調査した。その結果を報告書「2016 コンパウンド市場の展望と世界戦略」にまとめた。

この報告書では汎用樹脂5品目、汎用エンプラ7品目、スーパーエンプラ5品目の計17品目に加え、熱可塑性炭素繊維強化樹脂(CFRTP)の市場を調査・分析し、将来を予測すると共に、樹脂・コンパウンドメーカー196社(日本29社、中国66社、アメリカ14社、韓国12社、インド11社、台湾10社、東南アジア30社、欧州14社、中南米9社、その他1社)の動向を整理した。

◆調査結果の概要

コンパウンド17品目の世界市場

2014年
2019年予測
2014年比
汎用樹脂
2,386万トン
2,647万トン
110.9%
汎用エンプラ
416万トン
466万トン
112.0%
スーパーエンプラ
19万トン
23万トン
121.1%
合計
2,821万トン
3,136万トン
111.2%

2014年の市場は前年比2.8%増の2,821万トンとなった。

汎用樹脂は中国や東南アジア、南米、中東などの新興国で需要が増加している。中国での設備過剰や東南アジアや南米などでの政情不安による市場への影響が懸念されるが、各品目は幅広い需要があるため2015年以降も新興国を中心に長期的な市場拡大が予想される。

汎用エンプラは電気・電子部品用途の需要が伸び悩んだが、自動車部品用途の需要が増加し、2014年は各品目が数量ベースで前年比3%前後の伸びとなった。中国経済の減速の影響を受け、市場の伸びは鈍化するものの、今後は自動車部品用途で採用が多いPA6、PA66がけん引し、拡大を続けるとみられる。自動車部品に汎用エンプラを多く使用している欧州では、ディーゼル車の排ガス不正問題に伴う自動車生産台数減少による需要減少が懸念される。

スーパーエンプラは2014年に最も伸びた分野である。汎用樹脂や汎用エンプラに比べて規模は小さいものの、PPSやPA9T、PA6Tは自動車や電気・電子の高機能部品に採用されており、中国経済が減速する中でも高い需要が期待される。最も規模が大きいPPSは自動車部品用途の需要が増加し、今後も市場をけん引すると予想される。一方、スマートフォン市場の成熟に伴いLCPは縮小するとみられる。

◆コンパウンド市場の地域別動向

地域別では中国が汎用樹脂、汎用エンプラ、スーパーエンプラで最大の需要地となっており、自動車部品、電気・電子部品、家電、建材、雑貨用途など幅広い需要がある。これまでは成形技術に優れる日米欧での需要が中心だったスーパーエンプラも、中国向けの販売量が増加している。しかし、2015年に入り、これまでの過剰な設備投資や内需低迷により経済が減速しており、過剰設備の適正化や輸出主導から内需主導への転換に時間を要すため市場の伸びは鈍化するとみられる。

欧州は電気・電子部品や家電、OA機器の生産が中国や東南アジアにシフトしており、自動車部品用途の需要が中心である。欧州自動車メーカーが車体軽量化のため部品の樹脂化を積極的に進めているため、PPやPA6、PA66などの需要が大きい。ただし、ディーゼル車の排ガス不正問題が業界に波及しており、今後の需要低迷が懸念される。

北米は自動車部品用途を中心に好調である。PPS、PA6Tなどのスーパーエンプラの需要が増えており、今後も高機能樹脂を中心に伸びが期待される。

その他アジアは中国に代わる製造業の生産拠点として注目されており、中国経済の低迷により、これまで中国に流入していた資本が東南アジアやインドへ移行し生産体制が整備されるとみられ、中国以上の伸びが期待され、2016年以降は毎年5%前後の伸びが予想される。現状、電気・電子部品や家電、OA機器用途の需要が多いが、日系自動車メーカーがタイ、欧米系自動車メーカーがインドを中心に進出しており、自動車部品用途の需要増加も期待される。また、インドでは現状汎用樹脂の需要が多いが、今後は最終製品の生産工場の移管が増えるとみられ、汎用エンプラやスーパーエンプラの需要増加が予想される。

日本はコンパウンド全体で占める割合は小さいが、自動車部品用途でPPSやPA6Tの需要が大きいため、スーパーエンプラでは25%以上を占めている。しかし、自動車生産も需要地として有望な中国や東南アジア、北米へシフトしており、日本における需要は減少するとみられる。

◆調査対象

汎用樹脂コンパウンド PP、PE、PVC 、PS、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)
汎用エンプラコンパウンド PC、PA6、PA66、POM、 変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、PBT、 ガラス繊維強化PET(GF-PET)
スーパーエンプラコンパウンド PPS、LCP、PA6T、PA9T、PA10T・11T
その他 熱可塑性炭素繊維強化樹脂(CFRTP)
樹脂・コンパウンドメーカー(196社) 日本29社、中国66社、台湾10社、韓国12社、タイ13社、マレーシア5社、フィリピン1社、インドネシア5社、シンガポール2社、ベトナム4社、インド11社、アメリカ14社、中南米9社(メキシコ4社、ブラジル5社)、欧州14社(フランス3社、ドイツ2社、オランダ3社、ベルギー1社、オーストリア1社、ポーランド2社、ハンガリー2社)、その他1社

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。

 


2015/10/28
       
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