マーケット情報


粘・接着剤、塗料、インキ等に使用される
熱硬化性樹脂、水系樹脂、機能性樹脂・素材の世界市場を調査

−2019年市場予測(2014年比)−
熱硬化性樹脂 4兆7,197億円(12.3%増)CFRPのマトリクス樹脂としての需要増に期待
水系樹脂 2兆9,836億円(17.1%増)新興国での建築用途が市場拡大をけん引
機能性樹脂・素材 4兆5,858億円(19.5%増)多様な用途で新興国の需要が増加


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、粘接着剤、塗料、インキなどの主成分や副資材で使用され、特に中国や東南アジアなどの新興国を中心とした土木や建築用途、紙おむつなどの衛生材料用途で需要が増加している液状樹脂関連(熱硬化性樹脂、水系樹脂、機能性樹脂・素材)とその応用製品の世界市場を調査した。その結果を報告書「2016年 液状樹脂関連・応用製品市場の展望とグローバル戦略」にまとめた。この報告書では熱硬化性樹脂7品目、水系樹脂9品目、機能性樹脂・素材18品目の計34品目、応用製品4品目の市場を調査・分析し、将来を予測した。

◆調査結果の概要

1.液状樹脂関連(熱硬化性樹脂7品目、水系樹脂9品目、機能性樹脂・素材18品目)の世界市場

2014年
2019年予測
2014年比
熱硬化性樹脂※
4兆2,020億円
4兆7,197億円
112.3%
水系樹脂
2兆5,483億円
2兆9,836億円
117.1%
機能性樹脂・素材
3兆8,365億円
4兆5,858億円
119.5%
合計
10兆5,867億円
12兆2,891億円
116.1%

※ビニルエステル樹脂は日本市場のみを対象とした

熱硬化性樹脂はフェノール樹脂やシリコーンなどの市場が大きい。フェノール樹脂は木工・合板用接着剤用途や、中国における金属接着、加熱接着、製靴用接着剤用途などが伸びている。また、市場の50%以上を占める北米ではシェールガス関連用途が伸びており、潜在需要も大きいため今後の動向が注目される。シリコーンは各種ゴムやプラスチックの離型剤、食品工業の消泡剤用途、また半導体やLED照明関連用途などの需要が大きい。また、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂は、CFRPのマトリクス樹脂として今後の伸びが期待される。

水系樹脂はSBRラテックスやシリコーンエマルジョン、アクリルエマルジョン、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)エマルジョンなどの市場が大きい。SBRラテックスは紙加工やカーペットのパッキング用途が堅調で、今後も年率2%台の成長が続くとみられる。シリコーンエマルジョンは自動車のダイキャストや金属加工工程で離型剤用途が中国で伸びており、今後も年率4%台の伸びが期待される。アクリルエマルジョンは中国やインドをはじめとした新興国で建築塗料や粘着剤用途が伸びている。EVAエマルジョンも中国や東南アジアを中心とした新興国で建築材料や家具などの木工用接着剤、また住宅・建築用のモルタル混和剤用途が好調である。

機能性樹脂・素材はEVA、高吸水性樹脂(SAP)、ポリビニルアルコール(PVA)、石油樹脂などの市場が大きい。EVAは靴底を中心に発泡体用途の需要が大きいが、太陽電池バックシート用途も中国で伸びている。SAPは紙おむつや生理用品などの衛生材料用途が大半で、今後も中国や東南アジア、中東、アフリカなどの新興国を中心に年率5%を超える伸びが期待される。PVAは新興国での自動車のフロントガラスや建築物に使用されるPVBフィルムの需要増加で、今後も年率3.5%前後の伸びを維持するとみられる。また、石油樹脂は先進国の粘接着剤用途、新興国の塗料用途などの伸びが予想される。

2.注目用途

1)CFRPのマトリクス樹脂用途

エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂はCFRPのマトリクス樹脂として用いられる。現時点ではエポキシ樹脂が多く、2014年は3万トンが用いられた。今後、自動車分野をはじめとしたCFRPの需要増加に伴い、これらの樹脂の市場拡大が期待される。

2)アジアをはじめとした建築用途

水系樹脂を中心に中国や東南アジアをはじめとした新興国の建築用途が伸びている。酢酸ビニル・ホモポリマーエマルジョンは住宅向けの木工接着剤、アクリルエマルジョンやフッ素樹脂ディスパージョンは外壁塗料や遮熱塗料に用いられる。EVAエマルジョンはモルタル混和剤用途の需要が大きい。

3)衛生材料(紙おむつなど)用途

SAPや水添石油樹脂、テルペン樹脂などは紙おむつなどの衛生材料用途が大きく伸びている。SAPは紙おむつなどの吸収体、水添石油樹脂やテルペン樹脂は紙おむつ向けホットメルト接着剤用途で伸びている。中国をはじめとしたアジア、中東、アフリカなどの新興国の紙おむつ需要が増加しており、今後も東南アジアなどで大きな伸びが予想される。日本国内でもインバウンド需要による市場拡大が期待される。

◆注目市場

1.アクリルエマルジョン/アクリル・スチレンエマルジョン

2014年
2019年予測
2014年比
アクリルエマルジョン
3,897億円
4,550億円
116.8%
アクリル・スチレンエマルジョン
1,021億円
1,205億円
118.0%

アクリルエマルジョンと、アクリルエマルジョンにスチレンを調合させたアクリル・スチレンエマルジョンを対象とする。2品目とも主要用途である塗料や粘着剤用途の需要動向に左右されるが、新興国を中心に市場拡大が期待される。

住宅外装材用が多い塗料用途は、中国やインド、南米、アフリカの建築向けの増加が期待される。また、中国では2015年より塗料のVOC(揮発性有機化合物)規制が強化されており、今後溶剤系から水系への置き換えが進むとみられる。一方、粘着剤用途は商品表示用の紙基材ラベル向けが大半を占め、中国を中心に伸びている。世界市場は今後新興国需要の伸びがけん引し2品目とも年率3%程度の拡大が予測される。

日本国内は2016年以降微減が続くと予想される。塗料用途は住宅着工件数が減少しているため需要は縮小するものの、マンション改修時の塗り替えなどの需要は底堅い。また粘着剤用途の中心である商品表示用紙基材ラベル向けは一定の需要が維持されるとみられる。

2.水添石油樹脂

2014年
2019年予測
2014年比
水添石油樹脂
1,396億円
1,738億円
124.5%

水添石油樹脂は、石油樹脂に水素を添加した樹脂で、部分水添型と完全水添型がある。無色透明・無臭で意匠性が高く、紙おむつなどの衛生材料で使用が進んでいる。EVA樹脂やオレフィン系フィルムなどの改質剤としても使用される。

中国をはじめとするアジア市場で紙おむつなどの衛生材料のホットメルト接着剤向けが伸びている。また、北米、や欧州は衛生材料用途が安定している。日本では高齢者人口の増加に伴う大人用紙おむつの需要増加に加え、近年はインバウンド需要もあり市場は拡大している。

今後も紙おむつをはじめとした衛生材料のホットメルト接着剤向けが伸び、市場拡大をけん引すると予想される。特に、中国やインド、東南アジアなどでの需要増加は著しい。大手メーカーは競争力を高めるため一大需要地であるアジアでの生産設備増強を相次いで行っている。 特に2017年は大型設備の稼働による増産予定があるため前年比8%の伸びが予想される。

◆調査対象

熱硬化性樹脂 エポキシ樹脂、.エポキシ樹脂硬化剤、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂(DAP) 、シリコーン、ビニルエステル樹脂
水系樹脂 酢酸ビニル・ホモポリマーエマルジョン/ 酢酸ビニル・コポリマーエマルジョン、EVAエマルジョン、アクリルエマルジョン/アクリル・スチレンエマルジョン、ウレタン樹脂ディスパージョン、シリコーンエマルジョン、フッ素樹脂ディスパージョン、SBRラテックス、NBRラテックス、水系樹脂向け界面活性剤
機能性樹脂・素材 フッ素樹脂(PVDF)、フッ素樹脂(PTFE)、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)
、ポリビニルアルコール(PVA)、高吸水性樹脂(SAP)、中・高分子PIB、低分子PIB 、液状ポリブタジエン(LPB)、変成シリコーンポリマー、石油樹脂、水添石油樹脂、共重合ポリエステル樹脂、テルペン樹脂、ロジン、塩化ビニルペースト樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂(CPVC)、イオン交換樹、カルボキシメチル
セルロース(CMC)応用製品 接着剤、粘着テープ、塗料、インキ

※ ビニルエステル樹脂は日本市場のみを対象とした

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。

 


2015/12/08
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。