マーケット情報


電力小売全面自由化開始直前の電力自由化市場を調査

新電力(PPS)の2020年度販売電力量は2014年度比3.1倍増の874.9億kWh
新規参入事業者のガス販売量のシェア、2014年度は21.6%と拡大を続ける


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、2015年11月から2016年2月にかけ、小売全面自由化開始を控えた電力自由化市場を調査し、今後を予測した。併せて、自由化範囲の拡大と共に新規参入事業者による販売量が増加しているガス自由化市場についても調査し、エネルギー自由化市場の動向を明らかにした。

その結果を報告書「電力・ガス・エネルギーサービス市場戦略総調査 2016 電力・ガス自由化市場総括編」にまとめた。なお、この調査に関連して、主要参入企業および参入予定企業約50社の事業戦略については既に報告書「同 電力・ガス自由化市場企業戦略編」でまとめ、注目される90品目以上のエネルギーサービス・システムの市場動向については今後「(同)エネルギーソリューション編」でまとめる予定である。

◆調査結果の概要

1.電力自由化市場

2016年4月の電力小売全面自由化に向けて電力・ガス業界のみならず、通信・小売・商社・住宅・鉄道・自治体・協同組合など様々な業界から、既存のエネルギー事業者と提携した市場参入が相次いだ。登録小売電気事業者は2016年4月18日時点で286社となり、今後も増加するとみられる。

新電力(PPS)販売電力量及び電源規模

※2015年度は見込、2016年度以降は予測、2011〜2014年度の販売電力量は電力調査統計(経済産業省)による

2014年度の新電力による販売電力量は前年度比24.0%増の281.7億kWhとなり、過去最高を更新した。2013年に新電力が電力を小売する際に一般電気事業者から一定の電力供給を受けられる常時バックアップ電力を提供する新たな枠組みが取り決められたことや料金体系の見直しが行われたこと、電力各社の料金値上げや需要家の意識の高まりなどから新電力への切り替えが進んだ。

2015年度は2016年度からの全面自由化を控え、新電力各社の積極的な顧客獲得がみられた。新電力と一般電気事業者からそれぞれ電力供給を受けられる部分供給需要も急増しており、従来新電力が敬遠していた高負荷率案件も増加している。このため2015年度の販売量は拡大すると見込まれる。

2020年度の販売量は2014年度の3倍以上になるとみられる。新電力の販売量は特定規模需要(高圧分野以上)、低圧分野共に10%前後のシェアを占めるとみられる。特定規模需要では今後も従来から市場参入している新電力が市場をけん引するとみられる。一方低圧分野では都市ガス事業者やLPガス事業者、通信事業者などの新規参入事業者による販売が中心になるとみられる。

電源開発では新電力や関連会社による10万kW規模の大型火力発電所建設計画が相次いで発表されている。ベース電源としての活用が見込まれる石炭火力、木質バイオマス発電所、ミドル電源となるLNG火力発電所を中心に急激に拡大していくとみられる。2020年度以降には100万kW級の石炭、LNG火力発電所の建設計画も数多くあり、新電力の電源規模は大幅に拡大するとみられる。

2.ガス自由化市場

新規参入事業者のガス販売量

※主要7社を対象、2015年度は見込

ガス販売の自由化は1995年より段階的に対象範囲が拡大され、自由化範囲の拡大と共に新規参入事業者による販売量も拡大してきた。一般ガス事業者と新規参入事業者のガス販売量において2006年度の新規参入事業者の販売シェアは16.2%であったが、自由化範囲が年間契約数量10万m3以上へと拡大されてから8年後の2014年度には21.6%へと増加した。

新規参入事業者は国内ガス田の保有率が高く、現状では安定した価格で国産ガス販売が可能である。今後需要の高まりと共に海外産LNGの調達比率が高まるとみられる。

◆調査対象企業

電力市場 小売電気事業者(新電力)、一般電気事業者
ガス市場 新規参入事業者(ガス導管事業者、大口ガス事業者)、一般ガス事業者]

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2016/04/20
       
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