マーケット情報


オフィスビル、宿泊施設、物流倉庫向けの増加が予想される
非住宅分野の建材・設備の国内市場を調査

非住宅分野における建材・設備の国内市場は2016年に1兆6,880億円の見込
東京五輪需要のピークとなる2019年は1兆8,000億円超


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、既築のオフィスビルや商業施設・店舗など多くの建築物が改修の時期を迎え、また、2020年開催予定の東京五輪関連の建設案件増加や、エネルギーの消費量を限りなくゼロに近づけるZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)向けの高付加価値品の需要増加などにより市場拡大が期待される非住宅分野向けの建材・設備の国内市場を調査した。その結果を報告書「非住宅分野における建材・設備市場の現状と将来展望 2016」にまとめた。

◆調査結果の概要

非住宅分野における建材・設備の国内市場

2020年の東京五輪開催に向けた建設需要のほか、首都圏を中心とした再開発プロジェクトの始動、訪日観光客の増加による宿泊施設の建設増、インターネット通販の普及に伴う物流倉庫のニーズ拡大、超高齢化社会の到来に伴う介護施設やサービス付高齢者住宅の需要拡大などにより、市場は近年拡大している。また、公共建築物木材利用促進法や改正省エネ法の制定などの政策が一部の品目の市場拡大を後押ししている。

店舗・商業施設、学校、病院の新築着工数の減少や、建設作業員の不足による工期遅れが発生していることなどの要因により、市場は急激な伸びには至っていないものの、堅調な需要を背景に2016年の建材市場は2015年比2.1%増の8,273億円、設備市場は2015年比2.3%増の8,607億円が見込まれる。

今後も東京五輪特需による市場拡大が期待され、ピークとなる2019年の市場は1兆8,000億円を超えるとみられる。2020年以降、市場は縮小に転じるものの、建設コスト高騰の影響などから先送りされていた案件の需要が顕在化する可能性があるため、急激な落ち込みには至らないとみられる。

建材市場は新築向けが中心の品目が多く、オフィス、宿泊施設、物流倉庫などの新築案件の増加により、全般的に堅調である。近年は大規模なリニューアル案件が増えているため、既築向けの需要も増加している。設備市場は近年多くの品目で新築向け、リニューアル案件により既築向けともに好調である。

分野別では、省エネ対策で需要が増えているLED照明器具を含む電気設備分野、新築着工数の伸びが期待されるオフィスビルや物流倉庫、工場向けで需要が高い重量シャッターや重量ドアを含む建具分野、また、オフィスビルで多く使用されているカーペットタイル、パーティション、天井材(ロックウール化粧吸音板)を含む内装分野が好調で2020年に2015年比10%以上の伸びが予想される。

◆注目市場

1.非住宅用シャッターの国内市場

2016年見込
2020年予測
2015年比
重量シャッター
750億円
850億円
118.9%
軽量シャッター
315億円
287億円
91.1%

重量シャッターはビルの開口部および防火用途で建物内部に設置され、オフィスや工場、物流倉庫など大型案件で採用が多い。近年は首都圏を中心とした再開発ビル向けの需要が好調である。また、インターネット通販の普及に伴い増加している物流倉庫向けの旺盛な需要により市場は拡大している。

軽量シャッターは店舗の出入口や住宅車庫、小規模な事務所、工場、倉庫などでの採用が多く、主に防犯、風雨対策で使用されている。特に小規模店舗など比較的小さな間口での採用が多いが、シャッターを使用しないコンビニエンスストアの店舗数増加などにより、市場縮小が予想される。

2.ビニル床シート/カーペットタイルの国内市場

2016年見込
2020年予測
2015年比
ビニル床シート
219億円
212億円
96.8%
カーペットタイル
547億円
570億円
108.2%

ビニル床シートは単層、複層、発泡複層タイプなどの商品を対象とする。医療・福祉施設や商業施設などでの採用が多いが、新築着工数が伸びていないため2016年は2015年比で横ばいが見込まれる。

カーペットタイルは正方形のタイル型カーペットを対象とする。オフィスビルを中心に、商業施設・店舗や宿泊施設などで採用されている。首都圏エリアを中心にオフィスビルや宿泊施設の新築着工数が伸びているため、2016年の市場は2015年比3.8%増の547億円が見込まれる。今後もオフィスビルなどの新築着工数の伸びに伴い市場拡大が期待され、2019年の市場は600億円を超えると予測される。

3.洗面ボウル/洗面化粧台の国内市場

2016年見込
2020年予測
2015年比
洗面ボウル
141億円
143億円
102.1%
洗面化粧台
166億円
180億円
111.1%

洗面ボウルは壁掛式で、バッグなどの仮置スペースや下にキャビネットが無い商品を対象とする。洗面化粧台はカウンターと洗面ボウル、キャビネット部材、ミラーやフックなどを組み合わせるシステム化粧台を対象とする。

両品目とも幅広い建築物で採用されており、市場は各施設の新築着工数に大きく影響される。従来は洗面ボウルが大半を占めていたが、オフィスビルを中心にカウンター、ボウル、ミラーを組み合わせて作るカウンタータイプの洗面化粧台の採用が増えている。

洗面ボウルは公立の小中学校などで採用が多く、飲食店舗などではデザイン性の高い商品の採用が進んでいる。しかし、近年はカウンタータイプの洗面化粧台への置き換えが進んでいるため、東京五輪特需があるものの市場は微増にとどまると予想される。

洗面化粧台はカウンタータイプを中心に市場拡大が予想され、2020年の市場は2015年比11.1%増の180億円が予測される。今後は車いすや高齢者対応などの商品の投入が進むとみられる。また、洗面化粧台は異なるメーカーのカウンター、洗面ボウル、ミラー、水洗金具がそれぞれ採用されるケースが多いが、参入メーカーは自社商品のセット提案を推進して販売額の拡大に取り組んでいる。

◆調査対象

建材分野 内装分野 壁紙、木質フローリング材、ビニル床シート/カーペットタイル、フリーアクセスフロア、パーティション、天井材
断熱分野 硬質ポリウレタンフォーム、押出法ポリスチレンフォーム、複層ガラス
建具分野 スチールドア、自動ドア ビル用サッシ、シャッター
外装・エクステリア分野 PCカーテンウォール、メタルカーテンウォール、窯業系サイディング材、ALC、金属フェンス 外装用塗料
設備分野 水廻り設備分野 便器、洗面ボウル/洗面化粧台、水栓金具、浴室ユニット、キッチン
給湯・空調分野 業務用電気給湯設備、業務用ガス給湯器、空調設備、空調機
電気設備分野 LED照明器具、業務用冷蔵庫
建築物 オフィスビル、商業施設・店舗、宿泊施設、医療・福祉施設、教育施設、物流倉庫

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2016/11/21
       
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