マーケット情報


FA向け、都市アプリケーション向け共に拡大が期待される
画像処理システムの世界市場を調査

−2020年世界市場予測(2015年比)−
FA向け画像処理システム 6,854億円(21.4%増)
都市アプリケーション向け画像処理システム 3兆7,129億円(80.3%増)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、デジタル化や高画素化の進展、新興国における需要増加などにより拡大が期待される画像処理システムの市場を、生産工程の自動化を実現する画像処理装置やカメラ、観察・測定関連機器などのFA向けと、防犯・テロ対策で使用するセキュリティカメラや画像識別監視システムなどのセキュリティ分野、PACSや遠隔画像診断などの医療分野、交通流監視や人流計測システムなどの交通他分野を対象とする都市アプリケーション向けの観点から調査した。

その結果を報告書「2016 画像処理システム市場の現状と将来展望」にまとめた。この報告書ではFA向けとしてFA単体機器12品目、検査アプリケーション5品目、観察・測定関連機器5品目、都市アプリケーション向け10品目の世界市場の現状を調査し、将来を予想した。

人件費の高騰や品質安定の向上などを背景とした製造システムの自動化の流れを受けて、自動化を実現するFA向けの画像処理システムの需要が世界的に増加している。また、防犯・テロ対策意識の高まりによりセキュリティ分野を中心に都市アプリケーション向けの市場が大きく伸びている。今後IoTをキーワードにモノとモノが画像処理情報をベースにつながるようになり、将来的にはAIによって作業を判断する自動化工場や知能都市を実現する上で、キーテクノロジーとしての役割を画像処理システムが担うとみられる。

◆調査結果の概要

画像処理システムの世界市場

1.FA向け画像処理システムの世界市場

2015年
2016年見込
2020年予測
カメラ
1,341億円
1,363億円
1,675億円
観察・測定関連機器
1,122億円
1,146億円
1,456億円
全体市場規模
5,645億円
5,761億円
6,854億円

2015年の市場は、後半の世界同時株安(中国ショック)による景気減速の影響で設備投資の抑制がみられたものの、通年ではスマートフォン関連の設備投資拡大を受けた製造装置向けや、自動車関連の検査向けの増加により拡大した。

2016年の市場は、前半はスマートフォン関連の設備投資計画の遅延により需要は低調だったものの、人件費高騰への対応や品質の安定などを目的に製造業の生産システムの自動化への取り組みが進んでおり、目視検査などの代わりに画像処理システムを導入するケースが増えているため市場拡大が見込まれる。

2020年にかけてはカメラ分野や観測・測定関連機器分野がけん引して市場は拡大するとみられる。カメラは赤外線サーモグラフィ低価格化の進展によるユーザーの裾野の広がり、観測・測定関連機器は非接触三次元測定器の自動車分野での需要増加が予想される。

画像処理システムはアナログからデジタルへの移行が進んでおり、現状8割以上がデジタル化している。欧米やアジア(日本を除く)では9割以上がデジタル化し、特にGigE、USB3.0などのカメラインターフェース対応商品が増加している。日本はCamera Linkの採用を中心にデジタル化が進みつつある。

2.都市アプリケーション向け画像処理システムの世界市場

2015年
2016年見込
2020年予測
セキュリティ
1兆4,304億円
1兆5,996億円
2兆9,432億円
交通他
691億円
707億円
979億円
全体市場規模
2兆0,597億円
2兆2,323億円
3兆7,129億円

2015年は世界的に防犯・テロ対策意識の高まりにより、セキュリティ分野の市場の伸びが顕著であった。各地でテロ事件が多発しているほか、欧州では移民問題に関わる事件などが発生しており、人力では対応しきれない場所・地域の監視や広範囲監視のために画像処理システムの需要が高まっている。交通分野は、定点監視による撮影映像量が膨大となり人力によるモニタリングが困難になってきたため、画像処理システムを活用した自動化が欧米を中心に進んでいる。

エリア別では、現状は各分野とも欧米の需要が中心である。今後は新興国向け市場の立ち上がりが期待される。特に中国や東南アジアは、セキュリティや医療、交通などのインフラ整備が進んでいることから注目される。

今後、膨大な撮影画像データをクラウド活用により高速処理し、画像データのリアルタイム表示が可能となることで各分野で画像処理システムの利用が進み、市場は大きく拡大するとみられる。

◆注目市場

1.FA用エリアセンサーカメラ

2015年
2016年見込
2020年予測
市場規模
395億円
400億円
476億円

従来CCDが主流であったが、CMOSイメージセンサーの採用が増加している。それに対し、参入各社が高速デジタルインターフェースへの対応を強化しており、GigEやUSB3.0対応のラインアップ拡充が進んでいる。欧米ではUSB3.0、中国ではCoaXPressの採用が増えている。また、高画素化が進んでおり4〜5メガクラスの需要が増加している。

2015年は、前半は中国をはじめとしたスマートフォン関連の旺盛な設備投資を受け、半導体製造装置やマウンタ向けが増加した。後半は中国市場でやや低調だったものの、通年で市場は拡大した。2016年は、前半は中国などのスマートフォン関連の設備投資計画の遅延により苦戦したが、4月以降は設備投資が復調しており市場拡大が見込まれる。今後もスマートフォンやタブレット関連、自動車関連の設備投資が続くとみられ、半導体や電子部品関連の装置メーカー向けの増加が予想される。

エリア別ではアジア(日本を除く)の伸びが注目される。中国はスマートフォンやタブレットなどの生産拠点が集まり自動化ニーズも高いため、今後の市場拡大が期待される。韓国や台湾、東南アジアは液晶関連や基板検査装置関連、半導体製造・検査向けが伸びるとみられる。

2.画像処理装置(筐体型)

2015年
2016年見込
2020年予測
市場規模
830億円
867億円
1,005億円

人件費の高騰や労働力の確保、品質安定の向上などの要因による世界的な生産システムの自動化の流れに伴い、市場は拡大している。今まで市場拡大をけん引してきたスマートフォン関連の製造装置向けの伸びは落ち着きつつあるが、一方で自動車関連の検査向けが増えている。

中国や東南アジアでは、組立、色の確認、汚れ・傷検査などを人力で行う場合が依然として多いが、今後は画像処理を活用した自動化が進むため、市場は大きく拡大すると予想される。アジアのローカルユーザー向けでは取り付けの容易さやメンテナンスの簡便さ、操作性などの要因により需要が増加しており、画像処理ニーズの裾野が広い中国ではポカよけなどでも採用が期待される。

3.画像識別監視システム

2015年
2016年見込
2020年予測
市場規模
2,800億円
3,210億円
6,885億円

監視カメラ、監視レコーダー、映像監視ソフトウェア、その他周辺機器で構成されるシステムを対象とする。人力では対応しきれない空港や駅、官公庁、国境などの公共向けやタウンセキュリティ向けが増えている。検出対象は動き検知、人物検知、人物動線追跡、特定物体検出など多岐にわたっている。

防犯・テロ対策で同システムの採用が増えている。特に、欧州ではテロや移民対策で国境監視などのニーズが高まっており、今後も欧米の先進国で市場拡大が予想される。アメリカでは学校周辺のセキュリティ対策の採用も多い。中国やその他新興国でも防犯・テロ対策向けが増えており、今後の市場拡大をけん引するとみられる。日本はビルや工場向けの防犯対策を中心に市場が伸びているのに加え、2020年に開催される東京五輪に向けて防犯・テロ対策として関連施設での採用増加が期待される。

◆調査対象

1.FA向け

FA単体機器 処理装置 画像処理装置(筐体型)、画像処理装置(ボード)、画像センサー、3Dロボットビジョン、画像解析計測ソフトウェア
カメラ FA用エリアセンサーカメラ、FA用ラインセンサーカメラ、赤外線サーモグラフィ、紫外線カメラ
キーコンポーネンツ 画像処理用LED照明、画像処理用レンズ、産業用イメージセンサー
検査アプリケーション 基板実装関連 クリームはんだ印刷外観検査装置、インライン実装検査装置(リフロー前後)、AXI
製紙・印刷 Web外観検査装置、印刷面外観検査装置
観察・測定関連機器 CNC画像測定器、共焦点レーザー顕微鏡(工業用)、工業用X線装置、非接触三次元測定器、色彩輝度計

2.都市アプリケーション向け

都市アプリケーション セキュリティ セキュリティカメラ、画像識別監視システム、顔認証入退室管理システム
医療 PACS、遠隔画像診断、患部可視化システム
交通他 ナンバー読取システム、交通流監視システム、トレインレコーダー、人流計測システム

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2016/12/01
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。