マーケット情報


インバウンド需要は落ち着くも、2016年は国内需要の取り込みが進む
ベビーケア、ヘルスケア、コスメタリースキンケア用品などの国内市場を調査

−2016年市場見込−
ヘルスケア分野の国内市場 797億円 温熱シート・パッド、サポーターが好調
ベビー用関連商品の国内市場 1,601億円 ベビー用紙おむつのインバウンド需要は落ち着くも、
ベビーローション・クリームなどは好調


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、2016年6月から2回に分けて76品目のトイレタリー用品の市場を調査した。その第2回目の結果を報告書「トイレタリーグッヅマーケティング要覧 2016 No.2」にまとめた。

この報告書ではコスメタリースキンケア18品目、オーラルケア6品目、ベビーケア3品目、チャーム用品2品目、ヘルスケア9品目の5分野38品目の市場について現状を調査・分析し、将来を予測した。なお、第1回目ではランドリー・ファブリックケア、芳香・消臭剤、ハウスホールド、クッキング、衛生材サニタリーの5分野38品目を調査した。

2015年は参入メーカーにより競合メーカーとの差別化や単価アップを図るため高付加価値商品の投入とともに、新たな使用シーンの提案による使用数量の増加や需要喚起が進められ、市場は活性化した。また、ベビー用紙おむつやシートパック、温熱シート・パッドなど、インバウンド需要を獲得し急成長を遂げた品目もみられた。

◆調査結果の概要

ヘルスケア分野の国内市場

2015年
2016年見込
2015年比
市場規模
778億円
797億円
102.4%

2015年は温熱シート・パッドや冷却シートがインバウンド需要により急成長を遂げた。サポーター(腰用/関節用)や着圧ソックスもユーザーの増加や単価の上昇から好調だった。ただし、使い捨てカイロは暖冬の影響を受けて低調となり、忌避剤(空間用)は複数のメーカーに対する消費者庁のパッケージ表記の改善命令により大幅縮小となった。どちらも市場規模が大きいため全体市場は縮小となった。2016年は前年に落ち込んだ品目の回復がみられるため、全体市場は2015年比2.4%増の797億円が見込まれる。

今後の市場拡大が期待されるのは温熱シート・パッド、サポーター(腰用/関節用)などである。温熱シート・パッドは2014年、2015年と上位商品がインバウンド需要や使用啓発の効果で伸びた。今後は男性向けのプロモーション強化により、国内需要の更なる開拓が進むとみられるため、市場拡大が期待される。サポーター(腰用/関節用)は上位メーカーが相次いで高機能/高付加価値商品を投入したことや、プロモーションを活発に行ったことで市場は拡大している。日常的な腰痛/関節痛の予防策として使用提案が浸透したことや、メインターゲットとなる中高年層・高齢者人口の増加により今後も市場拡大が予想される。

◆注目市場

1.ベビー用スキンケア

2015年
2016年見込
2015年比
市場規模
134億円
138億円
103.0%

ベビーシャンプー・ソープ、ベビーオイル、ベビーローション・クリーム、ベビー用UVケア(サンスクリーン)を対象とした。

シャンプー・ソープの割合が高く、市場の約5割を占めている。頭も含む全身に使えるソープの需要が高い。ただし、メーカー側がリピート需要の獲得のために大容量タイプや詰め替え用タイプを積極的に展開していることや、ベビー用品専門店が価格訴求の強いPB商品を展開していることから低価格が進み、伸長率は鈍化している。

ローションは母子ともに使用できる高機能・高単価商品の需要が増えたこと、クリームはワセリンなどの安全性に優れた剤型が投入されたことにより市場は活性化している。2014年に保湿剤の塗布によりアトピーの発症リスクが軽減されるという研究発表がテレビ番組で取り上げられたことや、2015年は上位ブランドが国内需要の好調に加えインバウンド需要を獲得したことで市場は拡大し、2016年も引き続き好調が見込まれる。

オイルは肌の保護や耳などの汚れ落としの用途で安定した需要を獲得している。UVケア(サンスクリーン)は、UVケアの意識の高まりにより需要が増えており、各メーカーが投入した新商品が好調で市場は拡大している。

2.温熱シート・パッド

2015年
2016年見込
2015年比
温熱シート
51億円
53億円
103.9%
温熱パッド
11億円
12億円
109.1%

目や肩、腰、脚など特定の部位の保温によるリラックス効果や疲労改善、血行促進を訴求する商品で、使い捨てタイプを「温熱シート」、繰り返し使用ができるパッド、ホルダータイプを「温熱パッド」に分類している。パソコンやスマートフォンなどデジタル機器の普及により目元の疲労回復需要が高まったことや、美容・健康の観点から“温活”に代表される身体の保温意識が女性を中心に高まっていることを受け、小売店の配荷が拡大し、新規ユーザーの獲得が進んでいる。

温熱シートは、2000年代後半から部位別アイテムが増え、上位ブランドのラインアップの拡充や大規模な広告宣伝活動の効果もあり、市場が拡大を続けている。2014年は上位ブランドがインバウンド需要を取り込み大きく伸びた。2015年はインバウンド特需がやや落ち着いたため、伸長幅こそ小幅となったものの2014年比6.3%増の51億円となった。上位メーカーが普及率の低い男性需要の掘り起こしやトライアル使用の推進などで国内市場の注力度を高めているため、今後も目元用を中心に市場拡大が予想される。

温熱パッドは、2015年は目元用の新商品の発売や、温熱シートの売場拡大で店頭での認知度が高まったことなどにより市場が拡大した。温熱用品を日常的に使用するユーザーが増加しているため、今後は繰り返し使用可能な点などをアピールすることで新たな需要の取り込みが期待される。

3.シートパック

2015年
2016年見込
2015年比
市場規模
258億円
290億円
112.4%

皮膚の疲労回復を目的に顔もしくは顔の一部分に使用する不織布などを使用した使い捨てタイプの商品のうち、主に消費者が店頭に陳列された商品を選び購入するセルフチャネルで展開される商品を対象とした。

2015年の市場は、2014年10月から化粧品が訪日観光客向けの免税対象に加わったことにより全顔用のシートパックが土産品として人気となり、一時生産が追いつかない状態になるほど好調で2014年比51.8%増の258億円となった。2016年はインバウンド需要が落ち着いてきたため、参入メーカーは大容量タイプを基幹に据えながら、単価の高い個装タイプで機能性訴求のスキンケア成分を豊富に配合して需要喚起に努めるとともに、保湿/美白/アンチエイジングなど訴求別高機能商品のラインアップの拡充などにより、国内需要に注力した展開を進めている。また、2015年以降は、リニューアル時やアイテム追加時にスキンケアステップの多機能性を訴求した「オールインワンマスク」が需要を獲得しており、底堅い時短ニーズに加え、新規ユーザーの取り込みも期待される。

4.ベビー用関連商品の国内市場

2015年
2016年見込
2015年比
市場規模
1,712億円
1,601億円
93.5%

ベビー用関連商品は、ベビーケアカテゴリー(ウェットティシュの汎用を除く)に第1回調査で対象としたベビー衣類専用洗剤を対象とした。

2015年の市場は、1人当たりのベビー用スキンケア、沐浴剤、ベビー衣類専用洗剤の購入金額が上昇していることや、ベビー用紙おむつがインバウンド特需により大きく伸びたことで、2014年比6.2%増の1,712億円となった。

2016年の市場は、ベビー用紙おむつが、上位メーカーが中国越境ECサイト※1の本格利用を進めており、中国国内で日本メーカーの商品が購入できるようになったためインバウンド需要が大幅に減少している。そのため、全体市場も縮小が見込まれる。参入メーカーは国内需要の活性化に向けて、積極的な商品展開や品質の向上などをより強化している。

その他の市場動向として、ベビーローション・クリームが保湿剤の利用を推奨するプロモーションにより好調でベビー用スキンケアが伸びている点が注目される。また、ベビー用のウェットティシュは単価は低下しているものの、使用量の増加により市場規模を維持している。

※1 中国越境ECサイトでの売上は輸出として捉えた。

◆調査対象

コスメタリースキンケア 洗顔料・クレンジング、化粧水・乳液、スペシャルケア、シートパック、ヘアケア3品目、ボディシャンプー、ボディローション・、ミルクボディシャンプー、ボディクリーム(含ハンドクリーム)、浴用剤、リップクリーム、サンスクリーン、石鹸、ハンドソープ、替刃、ディスポーザブルカミソリ、シェービング料、汗拭きシート、制汗剤
オーラルケア 歯磨、美白対策用品、歯ブラシ、義歯安定剤・洗浄剤、デンタルフロス、洗口液
ベビーケア ベビー用スキンケア (ベビー用スキンケア・沐浴剤)、ベビー用紙おむつ、ウェットティシュ(汎用・ベビー用)
チャーム用品 生理用品、パンティライナー
ヘルスケア 使い捨てカイロ、サポーター(腰用/関節用)、温熱シート・パッド、冷却関連用品、鼻腔拡張テープ、忌避剤、靴用消臭スプレー、インソール、着圧ソックス・足用シート

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2016/12/13
       
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