マーケット情報


多種多様な志向に対応した商品の育成が進む
冷凍調理済食品、チルド調理済食品、アルコール飲料の国内市場

−国内加工食品 市場調査(2)−


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、2016年8月より6回に分けて27カテゴリー412品目の加工食品国内市場について調査を行っている。その第2回目の結果を報告書「2017年 食品マーケティング便覧 No.2」にまとめた。

この報告書では冷凍調理済食品24品目、チルド調理済食品6品目、その他調理済食品5品目、アルコール飲料33品目の4カテゴリー68品目の市場を調査・分析した。なお第3回目はチルドデザート、フローズンデザート、ドライデザート、米飯類、めん類、その他ステープル、第4回目は調味料、調味食品、第5回目は農産加工品、畜産加工品、水産加工品、乳油製品、第6回目は果実飲料、炭酸飲料、乳性飲料、嗜好飲料、健康飲料、その他飲料、嗜好品の市場を調査・分析する。そして第7回目にこれまで調査・分析した各市場を総括分析する。これらの結果は順次発表していく。

◆注目の品目市場

1.冷凍ギョーザ(冷凍調理済食品)

2015年
2016年見込
2015年比
市場規模
380億円
419億円
110.3%

2015年は外食業態においてギョーザ酒場が台頭するなどギョーザ自体の需要が活性化した。上位企業が水・油なしで調理できるなど簡便性の高い商品を積極的な販促により拡販させ、市場は大きく伸長した。2016年も引き続き各社が積極的に販促に取り組んでおり市場は拡大が見込まれる。

2.低アルコール飲料(アルコール飲料)

2015年
2016年見込
2015年比
市場規模
2,537億円
2,752億円
108.5%

アルコール度数10%未満、缶やペットボトル入りでそのまま飲めるRTDタイプを対象とする。2015年は主力のチューハイにおいてアルコール度数が7%から9%のストロング系商品が好調に推移し、市場は拡大した。2016年も引き続きストロング系商品がけん引し市場は拡大が見込まれる。ストロング系商品はお酒を嗜む程度の消費者の需要獲得には繋がらないことから、参入各社では新規需要の取り込みにスタンダード商品を強化する動きもみられる。

3.ウイスキー(アルコール飲料)

2015年
2016年見込
2015年比
市場規模
2,604億円
2,730億円
104.8%

2015年は需要の急速な高まりにより、大麦麦芽のみを原料とし、一つの蒸留所で蒸留した原酒だけで造られた国産シングルモルト商品が原酒不足に陥り、各社は、熟成年数や製造年数の異なる原酒をブレンドしたノンエイジ商品やモルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜたブレンデッド商品の展開に注力した。これによりサントリースピリッツの主力ブランドである「角瓶」や「ジムビーム」、アサヒビールの「ブラックニッカ」や「竹鶴」などが好調となり、市場は前年比10%を超える伸長となった。2016年は一部商品で値上げが進んでいる。また原酒不足により終売する商品も続出している。しかし国産シングルモルト商品の出荷不足分を補う形で、サントリースピリッツの「ジムビーム」やアサヒビールの「ジャック ダニエル」など各社輸入ブランドの需要が増加しているほか、国産ブレンデッド商品も引き続き好調なため、前年よりも伸び率は鈍化するものの、市場は拡大が見込まれる。

4.チルドハンバーグ(チルド調理済食品)

2015年
2016年見込
2015年比
市場規模
550億円
576億円
104.7%

2015年はPB商品を含め、ハンバーグがメディアで特集されるなど注目が集まり、市場は拡大した。2016年はロングセラー商品が根強い人気を維持している一方で、各社が高価格帯商品を投入しラインアップが増加している。喫食者の年齢層も拡大しており、夕食のおかず向けを想定したボリューム感や肉感のある高価格な新商品の発売が目立っており、市場は引き続き拡大が見込まれる。

5.輸入ワイン(アルコール飲料)

2015年
2016年見込
2015年比
市場規模
1,550億円
1,603億円
103.4%

2015年はチリ産ワインが市場をけん引した。アサヒビールの「サンタ・ヘレナ・アルパカ」などの低価格帯商品が好調だったことや、各社が低価格帯チリ産ワインを発売したことから市場は拡大した。2016年も引き続き低価格帯チリ産ワインが好調で市場は拡大が見込まれる。

◆調査結果の概要

2015年
2016年見込
2015年比
冷凍調理済食品
5,182億円
5,264億円
101.6%
チルド調理済食品
1,458億円
1,481億円
101.6%
その他調理済食品
1,603億円
1,629億円
101.6%
アルコール飲料
3兆8,017億円
3兆8,075億円
100.2%

1.冷凍調理済食品

製造技術向上により本格感の高い商品が展開されているギョーザや水ギョーザが、上位企業の積極的な販促により伸長している。同じく中華総菜である春巻はCVSカウンターファストフードで定番商品となり、食感や具材感に特徴のある付加価値商品の需要が高まっているほか、今後は量販店惣菜でも需要増加が期待される。業務用主体の畜肉系カツは中食需要の拡大を背景に、トンカツなどの定番商品のほか、ササミカツやハムカツが台頭している。また、からあげはつまみ需要の開拓が進み需要が増加している。

2.チルド調理済食品

各品目で高価格帯商品の強化が進んでおり、ロングセラー商品や安価なPB商品との価格の二極化が急速に進んでいる。また、冷凍調理済食品や中食との競合が激化していることから、ギョーザやシューマイは需要が流出し、市場は縮小していくとみられる。

3.その他調理済食品

厨房の人手不足を背景に中食向けなどでオペレーションの簡素化につながることから需要が高まり、市場が拡大している。うなぎの蒲焼は国産、中国産ともに販売量が増加しているが、中国産の単価が下落したことで市場の伸びが鈍化している。

4.アルコール飲料

清酒が主力飲用層の高齢化による飲用量減少によって市場の縮小が続いている。国産ビールは2015年に久々にプラスに転じたものの、2016年は天候不順などによって業務用が苦戦し、再びマイナスに転じると見込まれる。国産発泡酒や国産新ジャンルビール風味アルコール飲料は、機能型商品を除くと低アルコール飲料などに需要がシフトしており、ビール類トータルでは縮小が続くとみられる。低アルコール飲料ではストロング系商品が好調なほか、定番商品への注力度も高まっている。ウイスキーは“ハイボール”ブームによって市場は拡大している。急激な需要拡大により国産ウイスキーは各社供給体制を整えているが、原酒の供給改善にはしばらくの期間を要するため、輸入ウイスキーへの注力度が高まっている。

◆調査対象

冷凍調理済食品 冷凍ハンバーグ、冷凍肉だんご・ミートボール、冷凍グラタン類、冷凍ギョーザ、冷凍水ギョーザ、冷凍シューマイ、冷凍春巻、冷凍天ぷら、冷凍お好み焼き、凍たこ焼き、その他冷凍スナック、冷凍コロッケ、冷凍カツ、畜肉系カツ、水産系カツ、冷凍水産フライ、冷凍えびフライ、冷凍いかフライ、冷凍かきフライ、冷凍白身魚・その他水産フライ、冷凍あじフライ、冷凍からあげ、自然解凍冷凍食品、冷凍和惣菜
チルド調理済食品 チルドハンバーグ、チルドミートボール、チルドグラタン類、チルドギョーザ、チルドシューマイ、チルド茶わんむし
その他調理済食品 ワンタン、卵焼き類、卵豆腐類、うなぎの蒲焼、アメリカンドッグ
アルコール飲料 清酒、生酒、合成酒、焼酎甲類、焼酎乙類、甲乙混和焼酎、韓国焼酎、低アルコール飲料、チューハイ、カクテルドリンク、水割り洋酒・ハイボール、ノンアルコールドリンク、ウイスキー、ブランデー、ビール類、国産ビール、国産クラフトビール、プレミアムビール、国産発泡酒、国産新ジャンルビール風味アルコール飲料、輸入ビール類、能型ビール類、地ビール、ノンアルコールビール、スピリッツ、国産ワイン、輸入ワイン、酸化防止剤無添加ワイン、スパークリングワイン、梅酒、リキュール類、マッコリ、RTS

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2016/12/22
       
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