マーケット情報


食品、化粧品、医薬品などに使用される
生物由来有用成分・素材の国内市場を調査

−2021年国内市場予測(2015年比)−
生物由来有用成分・素材50品目 2,793億円(31.1%増)
機能性乳酸菌 725億円(56.6%増)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、サプリメントや機能性食品および一般用医薬品、ビューティーケア関連製品、医療現場で使用される医療用医薬品などの原料として使用される天然由来を主体とした有用成分・素材50品目の市場について調査した。その結果を報告書「生物由来有用成分・素材市場徹底調査 2017年」にまとめた。

この報告書では動物・植物由来の有用成分・素材について、動物系13品目、植物系30品目、合成系7品目の国内市場の現状を分析し、将来を予想すると共に、消費者の成分・素材の認知度や効果の体感性についてのアンケート調査を実施した。

2015年に機能性表示食品制度が導入され、天然由来の機能性成分・素材市場は新たなステージに突入し、サプリメント、飲料、加工食品などの食品関連分野を中心に今後の使用増加が期待される。また、食品関連分野だけでなく、化粧品や医薬品など幅広い分野で付加価値向上のためのキーマテリアルとして市場の活性化が予想される。

◆調査結果の概要

生物由来有用成分・素材50品目の国内市場

消費者の健康管理や美容への意識の高まりを背景に市場は着実に拡大している。動物系、植物系、合成系がそれぞれ伸びている。

動物系のDHA/EPA、コラーゲン、プラセンタ、ヒアルロン酸、機能性乳酸菌などは、すでに幅広い分野で使用されており50億円を超える市場となっている。また、動物系のイミダゾールジペプチド、プロテオグリカン、エラスチン、植物系のホスファチジルセリン、サラシア、チアシード、β-クリプトキサンチン、合成系のクレアチン、L-テアニンなどは、市場規模は小さいものの2021年に2016年見込比50%以上増が予測される。市場が活性化している成分・素材は、身体能力の向上(スポーツニュートリション)、ストレス対応、脳機能向上、抗疲労などを訴求したものが多い。また、美容訴求で新たな配合素材としてエラスチンが注目されている。

訴求機能別・コンセプト別にみると、特に免疫賦活、整腸、安眠・ストレス対策を訴求した成分・素材(機能性乳酸菌、ラクトフェリン、L-テアニンなど)の大幅な需要増加が予想される。また、生活習慣病対策、疲労回復、脳機能改善を訴求した成分・素材(DHA/EPA、大麦若葉など)も堅調な伸びが期待される。ロコモ・サルコペニア対策(グルコサミン、コンドロイチンなど)、美容やアイケア(ヒアルロン酸、コラーゲン、プラセンタ、ビルベリー、ルテインなど)を訴求した成分・素材は安定した需要がある。

◆注目市場

1.機能性乳酸菌

2016年見込
2021年予測
2015年比
市場規模
505億円
725億円
156.6%

機能性ヨーグルト、乳酸菌系飲料、サプリメント、菓子に使用される機能性乳酸菌およびビフィズス菌末を対象とする。素材メーカー各社による独自乳酸菌のPRや新規参入メーカーもみられ、市場は活性化している。

乳酸菌における整腸作用やインフルエンザ対策は認知度が高い。さらに、腸内フローラの状態を善玉菌を優勢に保つことが、身体全般の健康維持に関わるとされる研究がメディアで取り上げられ、メーカーの啓発活動も影響し、様々な食品用途で使用が増えている。特に2015年は「SWEET DAYS 乳酸機ショコラ」(ロッテ)の発売が話題となった。

近年注目を集める殺菌乳酸菌は、製造工程におけるコンタミネーションリスク(汚染リスク)が低減できることでも使用が増えている。また、整腸関連のビフィズス菌を中心にサプリメントや明らか食品における機能性表示食品の届出も活発である。

飲料、明らか食品、健康食品/サプリメントの各食品用途で使用が拡大しており、新規参入メーカーも増えていることから、今後も市場拡大が予想される。

2.アマニ

2016年見込
2021年予測
2015年比
市場規模
18億円
25億円
153.4%

国内で精製・充填された食品用途のアマニ油、また近年流通が活発化しているアマニ粒を対象とする。現状では油タイプが9割以上を占めている。α-リノレン酸を主な機能性成分として、コレステロール低減、脳機能改善、抗炎症、抗酸化などが訴求され、機能性表示食品も受理されている。

アマニの機能性は過去から訴求されていたが、いわゆる健康油ブームでアマニを特集したテレビ番組が放送され、2013年頃から消費者の認知度や注目度が上昇し、2014年に市場は急拡大した。2015年末には日本食品標準成分表に「あまに油」「あまに いり」(ローストアマニ)が追加されたことで、さらなる需要の増加が予想される。

現状は調味料や加工食品などの明らか食品での展開が大半であり、健康油人気に伴い品目数の増加も期待される。今後は高齢者対応やスポーツニュートリションなど新分野の用途開拓、サプリメントや化粧品などでの使用提案強化による需要開拓も期待される。

3.肝臓加水分解物

2016年見込
2021年予測
2015年比
市場規模
3.6億円
4.3億円
134.4%

肝臓加水分解物は、牛や豚などの哺乳動物の肝臓を原料とし、消化酵素を加え加水分解して精製したものを殺菌、乾燥させた粉末状の製品である。医薬品や医薬部外品のドリンク剤でヒット商品があることから現状は70%弱が医薬品・医薬部外品用途である。肝臓エキス、レバーペプチドなどの表示で、二日酔い予防や飲酒前の肝臓保護を目的にドリンク剤またサプリメントなどで使用され、ヒット商品が出たことにより認知度や注目度が高まっている。

2011年にこの成分が配合された機能性飲料(ドリンク剤)が発売された際に、積極的なテレビCMが展開されて認知度が向上したことにより、ドリンク剤での使用が増加した。2014年に「ウコンの力」(ハウス食品)にこの成分を加えた商品が投入されたことも市場拡大の追い風となっている。今後はドリンク剤の追随商品での使用増加に加え、体感性が高く比較的使いやすい素材であるため、他の肝臓ケア素材と併せた配合も含めサプリメントや明らか食品へと使用の裾野が広がることにより、さらなる市場拡大が予想される。

◆調査対象

動物系 グルコサミン、コンドロイチン、DHA/EPA、クリルオイル、コラーゲン、プラセンタ、肝臓加水分解物、ヒアルロン酸、エラスチン、プロテオグリカン、機能性乳酸菌、ラクトフェリン、イミダゾールジペプチド
植物系 レスベラトロール、オリーブ抽出物、アスタキサンチン、β-クリプトキサンチン、リコピン、ビルベリー、ルテイン、β-グルカン、大豆イソフラボン、ホスファチジルセリン、サラシア、ウコン、ガルシニア、黒ショウガエキス、ニンニク抽出物、納豆菌培養エキス、セラミド、トコトリエノール、エゴマ油、アマニ、チアシード、冬虫夏草、フコイダン、緑茶抽出物、ノコギリヤシ、大麦若葉、桑葉、明日葉、イチョウ葉、GABA
合成系 コエンザイムQ10、BCAA、L-アルギニン、L-カルニチン、クレアチン、L-テアニン、L-オルニチン

消費者調査(インターネット調査) 機能性素材・成分認知度調査 …10,000名

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2016/12/26
       
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