マーケット情報


臓器機能異常のスクリーニング、血液疾患などの診断や経過を観察する
生化学・血液検査の国内市場を調査

−臨床検査市場調査シリーズ−
生化学検査市場、検査薬・消耗品市場は横ばい、検査装置市場は微増
血液検査市場、検査薬・消耗品市場、検査装置市場ともに微増


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、主に血液中の蛋白質、蛋白質の一種である酵素、電解質、金属イオン、脂質、血糖などを測定し、臓器機能異常のスクリーニング(ふるい分け)などに汎用する生化学検査と、血液中の赤血球数・白血球数・血小板数の測定や血液細胞の形態観察、血液の固まり易さなど(血液の凝固・線溶)から、貧血・多血症、炎症・腫瘍、出血・血栓症(血液疾患)などの診断や経過を観察する血液検査の国内市場を調査した。

その結果を報告書「2017 臨床検査市場 No.2 生化学検査・血液検査市場/注目検査の開発動向」にまとめた。この報告書では、生化学検査と血液検査の検査数、検査薬・消耗品と検査装置の市場を分析し、将来を予測した。

◆調査結果の概要

1.生化学検査の国内市場



検査薬・消耗品は、生化学検査薬(HbA1c測定用HPLC法カラム含む)、簡易分析装置用試薬、電解質分析装置用試薬、血糖分析装置用試薬、血液ガス分析装置用試薬を対象としている。

生化学検査薬市場は、多くの検査項目の普及が進み検査数が飽和状態にあることや、自動化学分析装置における使用検査薬・消耗品の微量化や価格訴求による差別化などにより横ばいとなっている。今後もこの傾向は続くとみられ、市場は微減に転じると予想される。簡易分析装置用試薬市場は、既存ユーザーに加え、新規開設・装置導入する診療所などもあり、近年は70億円前後で横ばいとなっている。今後も市場の変動は少なく、横ばいが予想される。電解質分析装置用試薬市場は、装置稼働台数の減少にともない微減となっている。今後も電解質測定装置のニーズ減少にともない市場は微減が予想される。血糖分析装置用試薬市場は、糖尿病患者の増加に伴いハンディタイプの装置の販売台数が増えており拡大している。今後もハンディタイプの普及に伴い市場拡大が予想される。血液ガス分析装置用試薬市場は、装置の普及が一巡したことから停滞している。成熟市場であり単価の下落によって今後は微減が予想される。

検査装置は自動化学分析装置、簡易分析装置、電解質分析装置、血糖分析装置、HPLC装置、血液ガス分析装置を対象としている。

自動化学分析装置市場は、2013年に消費税増税前の駆け込み需要により一時的に拡大、2014年にその反動で落ち込み、2015年はほぼ回復している。今後は主要メーカー各社が発売した大型機、中型機が2016年から2018年にかけて販売のピークを迎えるとみられるが、買い替えが中心であるため、それ以降市場は縮小が予想される。簡易分析装置市場は、近年撤退するメーカーもあったが、既存ユーザーの買い替えや診療所の新規開設に合わせた営業展開でこのところは年間1,200台程度の販売となっている。今後も大幅な市場拡大は期待し難いが買い替えを中心に一定の需要があると予想される。電解質分析装置市場は、検査室では自動化学分析装置へ、手術室では血液ガス分析装置へその機能を集約しており、電解質分析専用としての装置ニーズは減少している。今後もその傾向は変わらず市場は縮小が予想される。血糖分析装置市場は、台数ベースで年率10%以上伸びている。特にハンディタイプが大きく伸びており、SMBG(血糖自己測定装置。今回の調査対象外)からの移行も進みつつある。今後もSMBGからの移行がさらに進み、年率10%程度の伸びが期待される。糖尿病の検査項目HbA1cを測定するHPLC装置市場は、検査ニーズの増加に伴い拡大してきたが、このところは需要開拓に一巡感がみられる。今後は新製品投入などにより需要を喚起しなければ徐々に市場は縮小していくと予想される。血液ガス分析装置市場は買い替え需要が中心となりつつあり、販売台数は微減推移している。需要開拓と装置開発の一巡により市場は停滞感が強まると予想される。

2.血液検査の国内市場



検査薬・消耗品は、血液凝固・線溶検査薬、血球計数装置用消耗品、血液像自動分析装置用消耗品を対象としている。

血液凝固・線溶検査薬市場のうち、血液の凝固活性のスクリーニング検査に用いられるPTやAPTTなどの検査項目は、普及しきっており自然増となっている。血栓症診断の検査項目ではFDP-Dダイマーが伸び続けている。今後はFDP-Dダイマーの伸びも徐々に鈍化していき、市場は年率3〜4%程度の拡大が予想される。血球計数装置用消耗品市場と血液像自動分析装置用消耗品市場は、大きな変動はなく、検査数も増えていないことから、今後も横ばいが予想される。

検査装置は血液凝固装置、PT-INR装置、血球計数装置、血液像自動分析装置を対象としている。

血液凝固装置市場は、買い替え需要が中心である。複数の測定法を搭載した複合機では、シェア1位、2位のメーカーが着実に実績を伸ばす一方、3位以降は実績の増減が大きい。凝固時間法専用機が2014年に各メーカーから新製品が発売され、販売台数を伸ばしている。今後も複合機上位メーカー、凝固時間法専用機メーカーの販売台数伸長により、2019年頃まで拡大が予想される。PT-INR装置は血栓症を予防するワーファリンの投与患者の血中濃度コントロールや出血傾向のスクリーニングのためにPTを測定し、INR値(プロトロンビン時間国際標準化)に換算する装置である。血液凝固装置でもPTは測定可能だが、ハンディタイプで簡便に測定できることから市場を拡大させてきた。一部の参入メーカー撤退に伴う切り替え需要で2016年、2017年と一時的に市場は拡大するが、以降は横ばいが予想される。血球計数装置市場及び血液像自動分析装置市場は、買い替えが中心で市場は横ばいとなっている。血液像自動分析装置は導入施設が限られていることもあり、今後も大幅な市場拡大は期待し難い。

◆調査対象

検査薬・消耗品
検査装置
生化学検査 ・生化学検査薬
(HbA1c測定用HPLC法カラム含む)
・簡易分析装置用試薬
・電解質分析装置用試薬
・血糖分析装置用試薬
・血液ガス分析装置用試薬
・自動化学分析装置
・簡易分析装置
・電解質分析装置
・血糖分析装置
・HPLC装置
・血液ガス分析装置
血液検査 ・血液凝固・線溶検査薬
(PT-INR装置用試薬含む)
・血球計数装置用消耗品
・血液像自動分析装置用消耗品
・血液凝固装置
・PT-INR装置
・血球計数装置
・血液像自動分析装置

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/02/15
       
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