マーケット情報


多種多様な志向に対応した商品の育成進む
農産・畜産・水産加工品・乳油製品74品目の加工食品国内市場を調査

−国内加工食品 市場調査(5)−
市販用チーズ 1,882億円(5.0%増) 家飲みのおつまみ需要の増加や健康効果への期待高まる
はちみつ(市販用) 205億円(7.3%増) 健康志向の高まりと共に市場は拡大


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、2016年8月より6回に分けて27カテゴリー412品目の加工食品国内市場について調査を行っている。その第5回目の結果を報告書「2017年 食品マーケティング便覧 No.5」にまとめた。

この報告書では農産加工品26品目、畜産加工品13品目、水産加工品20品目、乳油製品15品目、計74品目の市場を調査・分析した。なお第6回目は果実飲料、炭酸飲料、乳性飲料、嗜好飲料、健康飲料、その他飲料、嗜好品の市場を調査・分析する。そして第7回目にこれまで調査・分析した各市場を総括分析する。これらの結果は順次発表していく。

◆注目市場

1.市販用チーズ(乳油製品)

2015年
2016年見込
2017年予測
市場規模
1,792億円
1,882億円
1,960億円

ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、チーズフードのうち、市販用商品を対象とする。市販用チーズの市場は、近年の内食化の影響やシュレッドを中心にPB品が増加していることから拡大が続いている。2014年は、春に行った価格や容量改定により上位メーカーのほとんどが実績を伸ばし、市場は続伸した。

2015年は、6Pチーズ、ベビーチーズ、ナチュラルチーズのポーションタイプなどが家飲みのおつまみとして需要が増加したほか、カマンベールチーズがアルツハイマー型認知症に関する論文発表やTV番組で取り上げられたことによって大幅に実績を伸ばし、市場は拡大した。2016年は、おつまみ向けやカマンベールチーズの需要が引き続き増加していることに加え、ナチュラルチーズではアオカビなどが新規顧客を獲得するなど、需要層の裾野が広がっていることも寄与し、市場は大幅に拡大するとみられる。

2.はちみつ(市販用)(農産加工品)

2015年
2016年見込
2017年予測
市場規模
191億円
205億円
215億円

「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」で定めている4分類(純正はちみつ、精製はちみつ、加糖はちみつ、巣はちみつおよびはちみつ巣入り)をベースとした市販用はちみつを対象とする。はちみつは、消費者の健康志向の高まりと共に市場拡大を続けている。2014年は原料価格高騰に伴う値上げ分の上乗せに加えて、砂糖の代替品として甘味需要を獲得したことで市場は続伸した。

2015年は、TV番組でヨーグルトにはちみつを加えた健康効果が取り上げられたことで、市場拡大に拍車がかかった。ヨーグルト以外にもグラノーラなどにも使用されており、健康意識の高い層を中心にはちみつが浸透したことが市場拡大の要因になっている。2016年も引き続き好調で、様々な産地や花蜜の商品が店頭に配荷されるようになり、売場自体も拡大していることから、市場の拡大は続くとみられる。

3.納豆(農産加工品)

2015年
2016年見込
2017年予測
市場規模
1,196億円
1,216億円
1,217億円

2012年頃から、上位企業を中心とした差別化商品や品質訴求商品の拡販が奏功しておりトライアルユーザーが増加し、市場は拡大を続けている。また、ひきわり納豆の健康効果がTV番組で取り上げられたことも市場の拡大に寄与している。

2015年は、納豆の健康性の高さがTV番組で取り上げられ、上位企業では主力商品を中心に配荷が進み実績を伸ばした。また、和食需要の増加も寄与し、市場は拡大した。2016年も好調は続いている。生鮮野菜の高騰によって野菜摂取の代替品としても需要が増加しており、市場は拡大するとみられる。

4.おつまみ缶詰(畜産加工品)

2015年
2016年見込
2017年予測
市場規模
38億円
41億円
44億円

酒のつまみとして設計あるいは訴求されている缶詰かつ、原則として1缶当たりの希望小売価格が200円以上の商品を対象とする。なお、おつまみ缶詰シリーズであれば、200円を下回るものも対象とする。市場は、2010年3月に国分が「缶つま」シリーズを発売したことで本格的に形成された。新奇性の高さからメディアに取り上げられたことや、家飲み需要の増加に伴い市場は拡大を続けている。

2015年は、CVSチャネルを主体に活性化し、市場は二桁伸長となった。2016年も引き続きCVSチャネルを主体に拡大するとみられる。また、メディアに商品が取り上げられるケースが増えており、市場の拡大に寄与している。

5.ツナ加工品(水産加工品)

2015年
2016年見込
2017年予測
市場規模
780億円
781億円
790億円

ツナ加工品は、おにぎりやパン、サラダ向けの具材としては根強い需要があるものの、近年市場は頭打ちの状況にあり大幅な拡大はみられなかった。しかし、2015年はTVCMをはじめ広告宣伝を積極的に実施したはごろもフーズの好調に加え、いなば食品など上位企業が実績を伸ばし市場は前年比4.8%増と大幅に拡大した。2016年は、上位企業の好調が続くほか、青魚全般(調査対象外)の価格高騰を受け、比較的原料価格が安定しているツナ加工品に重点を置く企業もあり市場は続伸するとみられる。

◆調査概要

2015年
2016年見込
2017年予測
農産加工品(26品目)
1兆2,759億円
1兆2,759億円
1兆2,726億円
畜産加工品(13品目)
9,829億円
9,854億円
9,916億円
水産加工品(20品目)
8,800億円
8,735億円
8,703億円
乳油製品(15品目)
6,550億円
6,642億円
6,729億円

農産加工品では、素材が本来持っている栄養要素や低カロリー性が再認知され需要を伸ばしている商品や、個食化と時短調理ニーズに対応し働く女性や単身男性の需要を得ている商品など、時代のニーズを捉えた商品が増加している。

畜産加工品では、2015年10月にWHO付属機関からハム・ソーセージの発がん性リスクに関する発表が行われたことで、ハム類・ソーセージ類は苦戦を強いられた。しかし2016年後半には影響も薄れ回復傾向にある。からあげは、家庭での揚げ物調理離れから加工品への需要が高まっているとみられ、チルド、冷凍とも伸びている。

水産加工品では、市場規模の大きな水産練製品や水産缶詰を中心に縮小が続いている。漁獲高の減少により原料価格の高騰を受け各社が値締めを行い販促頻度が減少していることなどが要因である。2016年は、機能性表示食品として水産缶詰、ちくわ、鮭フレークが発売された。今後アイテム数の増加と制度に対する認知度が高まることで市場の活性化が期待される。

乳油製品では、チーズが家飲みのおつまみとして、幅広い世代へ広がっていることやTV番組をきっかけに広まった健康効果への期待から需要が高まっている。しかし原料生乳は国産、輸入ともに生産量不足が予想される。

◆調査対象

農産加工品 漬物、キムチ、煮豆、納豆、凍豆腐、豆腐、豆腐加工品、味付油揚げ、こんにゃく、なめ茸茶漬類、山菜加工品、味付けメンマ、はるさめ、加工ごま、ジャム類、スプレッド類(市販用)、素材系トマト、サラダ類、素材缶詰、果実缶詰、冷凍野菜、ポテト加工品、素材系ミックス(市販用)、はちみつ(市販用)、こんにゃく米
畜産加工品 ハム類、ベーコン、生ハム、ソーセージ類、ドライソーセージ、チキン加工品、焼豚、焼肉類、牛肉味付缶詰・パウチ、コンビーフ類、食肉加工品缶詰・パウチ、やきとり缶、おつまみ缶詰
水産加工品 魚肉ハム・ソーセージ、水産練製品、・風味かまぼこ、ちくわ、パックおでん、のり、韓国のり、海苔佃煮、昆布佃煮、かつおパック、塩辛、もずく酢、めかぶ、スモークサーモン、水産缶詰、青魚缶詰、ツナ加工品、辛子明太子、鮭フレーク(市販用)、乾燥わかめ(市販用)
乳油製品 バター、市販用マーガリン類、業務用マーガリン類、プロセスチーズ、ナチュラルチーズ、クリームチーズ、カマンベールチーズ、チーズフード、チーズフォンデュ、チーズスプレッド、市販用チーズ、生クリーム、コーヒー用クリーム、ポーションクリーム、インスタントクリーミーパウダー

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/03/30
       
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