マーケット情報


市場成熟を受けて新規需要分野の開拓が進む
粘着剤と粘着テープ・粘着加工製品の世界市場を調査

−2021年予測(2016年比)−
粘着剤の世界市場 7,220億円(1.0%増)
粘着テープ、粘着加工製品の世界市場 4兆9,744億円(7.5%増)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、先進国において需要の中心であった包装分野やエレクトロニクス分野の伸びが停滞する中、新興国をはじめとした新たな需要エリア、また自動車分野などの新たな需要分野の開拓が必要となっている粘着剤と粘着テープ・粘着加工製品の世界市場について調査した。その結果を報告書「粘着剤&粘着テープ・フィルム市場の全貌 2017」にまとめた。この報告書では、粘着剤8品目、粘着テープ16品目、粘着加工製品17品目について、現状の市場を調査し、将来を予測した。

◆調査結果の概要

1.粘着剤の世界市場

2016年の市場は、数量ベースでは2015年比で拡大したものの、金額ベースでは低価格化が進んだため2015年比微減の7,146億円となった。今後はホットメルト型やエマルジョン・ラテックス型の需要増加が予想され、2021年の市場は数量ベースで2016年比13.3%増の383万トン、金額ベースでは価格低下に伴い伸び率は低いものの同1.0%増の7,220億円が予測される。形態別では、溶剤型とエマルジョン・ラテックス型の占めるウェイトが大きい。

溶剤型は、金額ベースで80%以上を占めるアクリル系粘着剤が、OPP粘着テープやラベルなどの用途で需要は増加するものの低価格化の進展によりマイナスになるとみられ、それを受けて市場縮小が予想される。一方、全体に占めるウェイトは小さいものの、ゴム系粘着剤は粘着性に優れる特徴が受け入れられ、梱包用テープなどで使用が増えるとみられる。また、シリコーン系粘着剤は通信分野において新興国のLTEへの移行、日本や欧米の5Gへの移行による通信基地局の更新需要により通信部品の生産拡大が想定され、耐熱マスキングや耐熱電気絶縁の用途で伸びが期待される。

エマルジョン・ラテックス型は、環境規制に対応していることで、溶剤型からの移行による需要増加が予想される。有機溶剤を使用していないため、特に環境規制が強まっている中国を中心に、エマルジョン型アクリル系粘着剤がラベル用粘着紙やOPP片面粘着テープ用途で、ラテックス型ゴム系粘着剤がPVC片面粘着テープ用途で伸びるとみられる。

ホットメルト型は、紙おむつなどの衛生材料やOPP粘着テープなどの用途で需要が増えるとみられる。UV硬化型は、自動車分野のアクリルフォーム両面粘着テープ用途や、OCA(基材レス高透明両面粘着テープ)用途の需要増加に加え、環境規制対応の脱溶剤型需要の増加により伸びるとみられる。

 地域別販売(2016年・数量ベース)は、中国市場が36.5%を占めている。特に環境規制に対応しているエマルジョン・ラテックス型粘着剤の占めるウェイトが大きく、今後の伸びも期待される。また、その他アジアなど新興国の市場拡大が予想される。

2.粘着テープ・粘着加工製品の世界市場

※その他粘着加工製品の一部の品目は日本市場を対象とした

粘着テープ・粘着加工製品は、各用途分野で需要の増加が期待され、2021年の市場は2016年比7.5%増の4兆9,744億円が予測される。

片面粘着テープは、今後は各分野で新興国の需要増加が予想され、2021年の市場は2016年比5.9%増の1兆8,404億円が予測される。ウェイトの大きいクレープ紙粘着テープは様々な用途で使われており、今後は新興国を中心に建築、自動車、電気電子分野などで需要増加が期待される。OPP粘着テープは、新興国の経済発展に伴う物流量の増加により梱包用途で需要が増加するとみられる。

両面粘着テープは、自動車や家電分野で新たな需要増加が期待される。アクリルフォーム両面粘着テープは自動車・車両や、建築分野の構造用接合部材として定着しており、今後は自動車の生産拡大や、ガラス張りのデザイン性の高い家電での使用量増加などに伴う伸びが予想される。ポリエステルフィルム両面粘着テープは、現状はスマートフォンなどのモバイル端末での使用が多い。今後はモバイル端末用途に加えて、車載ディスプレイなどの自動車内装部品固定用途で伸びるとみられる。

粘着加工製品は、エレクトロニクス分野や建築分野などで伸びが期待され、2021年の市場は2016年比9.6%増の2兆4,754億円が予測される。中でも光学用表面保護フィルムは、中国での偏光板生産量の拡大やテレビの大型化により需要が増加し、伸びが期待される。建築用ウインドウフィルムは、新興国の経済成長に伴う需要増加が予想される。塗膜保護フィルムは、中国やインドなどのローカル自動車メーカーによる使用増加が期待される。自動車用ウインドウフィルムは、東南アジアなどの乗用車販売の増加に伴い伸びるとみられる。

用途分野別にみると(2016年・数量ベース)、片面粘着テープは、包装分野が80%弱を占めている。今後も包装分野が高いウェイトを占めるとみられるが、建築分野がクレープ紙粘着テープ(建築マスキング用途)を中心に、エレクトロニクス分野がポリ塩化ビニル粘着テープ(電気工事配線用途)を中心に、伸びが期待される。

両面粘着テープは、部品固定用では使われる不織布両面粘着テープやポリエステルフィルム両面粘着テープなどを中心に、エレクトロニクス分野が60%以上を占めている。今後の伸びが注目されるのは自動車分野である。自動車の内装部品固定用途で使われる不織布両面粘着テープ、外装部品固定用途で使われるアクリルフォーム両面粘着テープなどの需要が増加するとみられる。

粘着加工製品は、ラベル用粘着紙・フィルムの市場規模が大きい。また、エレクトロニクス分野ではLCDなどのディスプレイで使用される光学用表面保護フィルムやエレクトロニクス用剥離フィルムのウェイトが大きい。自動車分野では、自動車用塗膜保護フィルムが、使用率の低い中国やインドでの需要増加が期待される。

地域別販売(2016年・数量ベース)では、中国が30%弱を占め、特に両面粘着テープの需要が高まっている。北米や欧州も需要は堅調である。今後は新興国の伸びが期待される。

◆調査対象

分野
品目
粘着剤 溶剤型アクリル系粘着剤 、エマルジョン型アクリル系粘着剤 、ホットメルト型スチレン系粘着剤 、溶剤型シリコーン系粘着剤 、ラテックス型ゴム系粘着剤 、UV硬化型アクリル系粘着剤 、溶剤型ゴム系粘着剤 、カレンダーロール型ゴム系粘着剤
粘着テープ クラフト紙粘着テープ、ポリ塩化ビニル粘着テープ、基材レス両面粘着テープ、クレープ紙粘着テープ、ポリエステル粘着テープ、熱接着両面テープ、和紙粘着テープ、ポリイミド粘着テープ、PE・PUフォーム両面粘着テープ、スフ布粘着テープ、フッ素樹脂粘着テープ、アクリルフォーム両面粘着テープ、ポリエチレンクロス粘着テープ、不織布両面粘着テープ、ポリプロピレン粘着テープ、ポリエステルフィルム両面粘着テープ
粘着加工製品 光学用表面保護フィルム、建材用表面保護フィルム、皮膚接合用テープ※ 、シート状封止材、建築用ウインドウフィルム、創傷被覆材※、エレクトロニクス用剥離フィルム、化粧フィルム※、ラベル用粘着紙・フィルム、自動車用塗膜保護フィルム、サージカルテープ※、マーキングフィルム、自動車用ウインドウフィルム、フィルムドレッシング※、インクジェットメディア※、自動車用制振材※、穿刺部保護材 ※ (※は日本市場を対象とした)

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/06/19
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。