マーケット情報


自動車分野、産業分野の需要増加が進む熱制御・放熱部材の世界市場を調査

−2021年世界市場予測(2016年比)−
放熱シート 672億円(2.0倍)、放熱接着剤 196億円(34.2%増)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、スマートフォンの高性能化、家電機器のインバータ化、自動車の電動・電装化、産業機器向けパワーモジュールの増加などにより様々な分野・用途において需要が増加している熱制御・放熱部材の市場を調査した。その結果を報告書「2017年 熱制御・放熱部材市場の現状と新用途展開」にまとめた。この報告書では、用途市場12品目、放熱部材市場19品目、放熱フィラー市場7品目を対象として、熱制御・放熱部材に関する市場の動向を分析し今後を予測した。

◆注目市場

1.放熱シート

2016年
2021年予測
2016年比
市場規模
334億円
672億円
2.0倍

2016年の放熱シート市場は334億円となった。日系大手メーカー向けを中心に自動車分野で需要は拡大しており、今後も自動車の電装化が進んでいくことや、環境対応車の普及が進んでいくことから同用途が市場をけん引するとみられる。

産業分野では、光通信・オプトロニクス向けや通信基地局向けが堅調であった。日本では、2017年度中に5Gの通信規格が決定するとみられており、同規格の新規基地局開設の需要が増加すると予想される。

今後は、自動車分野の拡大とともにAIやロボット向けが成長分野として期待されており、2021年の市場は2016年比2.0倍の672億円が予測される。

2.放熱接着剤

2016年
2021年予測
2016年比
市場規模
146億円
196億円
134.2%

2016年の放熱接着剤市場は146億円となった。放熱接着剤は放熱グリースなどと違い硬化するTIM(Thermal Interface Material)であり、CPU周りや自動車や産業機器のパワーデバイス・電源周りなどで需要を獲得している。

民生機器分野では需要が減少しているものの、2017年以降はEVやHVなどの自動車分野で需要が増加していくとみられる。また、中長期的にはAIやロボット関連、IoTで用いられる各種センサーやドローンなどの新規用途の拡大が期待される。

今後は自動車分野が堅調に拡大していくとともに、AIやロボット関連、ドローンの熱対策ニーズが注目されていることにより、2021年の市場は2016年比34.2%増の196億円が予測される。

3.窒化アルミベース回路基板

2016年
2021年予測
2016年比
市場規模
185億円
228億円
123.2%

2016年の窒化アルミベース回路基板市場は185億円となった。2015年は市場が縮小したものの、2016年は電鉄や産業機器向けの需要を獲得したことにより拡大した。2017年は、スマートフォンの有機ELディスプレイ搭載機種の増加により生産ラインへの設備投資が活発になっており、工作機械や組み立て装置の需要が増加している。また、EVのパワーモジュール向けの需要増も期待される。

今後は、企業の設備投資に応じた産業機器の需要や電鉄の需要、環境規制の強化に伴うEVの需要の増加によって、2021年の市場は2016年比23.2%増の228億円が予測される。

◆調査結果の概要

熱制御・放熱部材の世界市場


※ヒートシンクは日本市場のみを対象としている。

1.Thermal Interface Material (TIM)

TIMの2016年の市場は702億円となった。発熱量の多いパワー半導体の普及に伴い年々需要は高まっており、市場は順調に拡大していくとみられる。用途別にみると、ノートPCやスマートフォンのCPU向けなどの需要が停滞していることにより民生機器分野は縮小していくとみられるが、今後は自動車分野が電装化の進展や環境対応車普及に伴い市場拡大をけん引するとみられる。また、生産現場の自動化に伴い液状TIMの高成長が予想されており、2021年の市場は2016年比63.7%増の1,149億円が予測される。

2.放熱基板

放熱基板の2016年の市場は776億円となった。LED製品の低価格化が進み、新興国を中心に一般家庭やオフィスにおいてLED照明の導入が進み、それらに用いる放熱樹脂基板の需要が増加した。今後は、銅ベース回路基板やアルミナベース回路基板、窒化アルミベース回路基板が自動車用LEDヘッドランプ、自動車分野や産業分野のパワーモジュールで採用が期待されており、市場が成長するとみられる。これらのことから、2021年の市場は2016年比29.9%増の1,008億円が予測される。

3.その他放熱部材

その他放熱部材の2016年の市場は、4,584億円となった。主要用途であった民生機器分野の需要が減少していることから市場は縮小となった。新規用途開拓が進んでいないため今後も市場は微減で推移すると考えられる。

放熱絶縁シートは、主要用途である民生機器分野に加えて自動車用パワーモジュール向けで注目されており2020年以降、採用の拡大が期待される。

◆調査対象

用途市場 スマートフォン、LED照明、インバータ搭載ルームエアコン、パワーコンディショナ、自動車(インバータ)、自動車(ECU)、自動車(リチウムイオン電池)、自動車(LEDヘッドランプ)、鉄道車両、無線基地局、無停電電源装置、産業ロボット
放熱部材市場 放熱シート、フェイズチェンジシート、放熱両面テープ、放熱グリース、ギャップフィラー、放熱接着剤、放熱樹脂基板、アルミベース回路基板、銅ベース回路基板、アルミナベース回路基板、窒化アルミベース回路基板、.窒化ケイ素ベース回路基板、.窒化ケイ素白板、放熱ポッティング材、放熱絶縁シート、グラファイトシート、.熱伝導樹脂、.ヒートパイプ、ヒートシンク(日本市場のみ)
放熱フィラー市場 シリカ、低ソーダアルミナ、球状・丸み状・多面体アルミナ、窒化アルミ、.窒化ホウ素、.カーボンナノチューブ、球状炭化ケイ素

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/07/21
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。