マーケット情報


スキンケアやメイクアップが市場拡大をけん引 インバウンド需要の取り込みも継続
化粧品の国内市場を調査

−2017年 化粧品国内市場−
前年比2.7%増の2兆5,985億円


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、訪日外国人の増加を背景に大都市圏の百貨店やドラッグストアを中心にインバウンド需要を取り込み引き続き活況を呈している化粧品の国内市場について調査、総括分析を行った。その調査結果を報告書「化粧品マーケティング要覧 2017 総括編」にまとめた。

この報告書では2017年2月から6月にかけて調査を行った6分野44品目の化粧品市場を、価格帯別に分析するとともに、注目コンセプト(UVケア、時短ケア、アイメイク/リップメイク、スカルプケア)を取り上げその動向を整理した。また、インターネットによる消費者調査を実施し、市場動向と消費者意識の両面から国内の化粧品全体市場の将来動向を予想した。

◆調査結果の概要

1.化粧品の国内市場

 2016年の市場は前年比3.3%増の2兆5,294億円となった。すべての分野が好調で、前年比プラスとなった。化粧品が免税対象となった2014年10月以降、外国人旅行者によるインバウンド需要を取り込んでいることや、景気回復を背景とした化粧品全般への需要増加、細分化する消費者ニーズに対応した積極的な新ブランド/新商品の投入が相次いでいることなどが好調の要因である。

特に、規模の大きいスキンケアがインバウンド需要に加え、国内需要の開拓が順調に進んでおり市場拡大をけん引している。また、メイクアップはリキッドファンデーションやクッションファンデーションの需要増加により好調で前年比5%以上の伸びとなった。

2017年も引き続きスキンケアやメイクアップが好調で、市場は前年比2.7%増の拡大が予想される。スキンケアで"シワを改善する"効果・効能として初めて医薬部外品に認可された有効成分を配合した商品が投入されたことや、メイクアップを中心に"インスタ映え"する商品が若年層を中心に需要を取り込んでいる。また、ボディケアは参入メーカーがオフシーズンの需要増加に努めていることや、高付加価値商品の投入など積極的な展開が奏功して好調である。

2.化粧品の価格帯別市場

2016年で特に伸びが大きかったのは高価格帯で、市場は前年比4.9%増の7,468億円となった。2016年以降外国人旅行者の消費トレンドが"モノからコトへ"とシフトしており、百貨店における肌診断、フェイシャルマッサージやメイクアップサービスなどの体験を通じた化粧品販売がニーズを捉えている。話題となるブランドや商品に入れ替わりはみられるものの、引き続きプレステージブランドの好調や、高付加価値訴求のインバスヘアケアブランドの需要増加により、高価格帯は大幅に伸びた。2017年はスキンケアで"シワ改善"の新しい医薬部外品の有効成分配合のスペシャルケア商品が話題となっており、高機能商品の需要が高まると予想され、引き続き活況が見込まれる。

中価格帯は、オールインワンゲルやクレンジングの特徴的な新興通販ブランドが実績を急増させていることによりスキンケアが大幅に伸びている。メイクアップも引き続きトレンド感のあるアイテムや限定品展開によって新興ブランドが伸びているほか、ボディケアもインバウンド需要を取り込んだことで、2016年の中価格帯は前年比1.7%の伸びとなった。2017年も引き続き好調が見込まれる。

低価格帯は、特にシートパックなどのスキンケアやポイントメイクがインバウンド需要に加え国内需要も取り込んでいることや、その他のカテゴリーでも洗浄系品目を中心に機能・訴求・剤型トレンドをいち早く取り入れた商品投入が相次いでいることで、中・高価格帯から需要を取り込んでおり、2017年も拡大が見込まれる。

◆注目市場

1.時短ケア(スキンケア/ベースメイク)

2016年
2017年見込
2016年比
オールインワン
825億円
892億円
108.1%
BB・CC
261億円
271億円
103.8%
合 計
1,086億円
1,163億円
107.1%

"洗顔後のケアを1アイテムで完了"することを訴求したオールインワンと、BB・CC訴求のファンデーションを対象とする。時短を志向する消費者の増加を背景に市場は拡大を続けている。特に通販ルートを主体に展開するオールインワン商品を基幹商品に定めたブランドが上位にランクインしている。

2016年は参入メーカーが積極的な展開をみせており、インフォマーシャルの大量投下により中高年層の顧客獲得が進んだブランドや、エイジングケアやホワイトニングなどの高機能商品の投入やリニューアルなどで実績を伸ばしているブランドがみられた。2017年も引き続きオールインワンの大幅な伸びが期待される。

2.リップメイク(ポイントメイク/ボディケア)

2016年
2017年見込
2016年比
リップカラー
859億円
925億円
107.7%
カラーリップ
23億円
25億円
108.7%
合 計
882億円
950億円
107.7%

リップカラー、リップクリームのうち色素を配合しカラー効果のあるカラーリップを対象とした。近年口元に重点を置いたメイクが定着したことで市場は拡大が続いている。黒やブルーなどのリップカラーの上に重ね、手持ちの口紅の色味を変えることができるリップグロスが増加しているほか、2016年に入ると唇をほんのり染めるティントタイプの需要が増加した。カラーリップも低価格セルフブランドを中心にリップメイクに関心の高い10代女性の需要を獲得し好調だった。2016年の市場は前年比8.8%増の882億円となった。2017年も引き続き口元に重点を置いたメイクの需要は増加しており、市場拡大が予想される。

3.アイメイク(ポイントメイク)

2016年
2017年見込
2016年比
アイメイク
1,236億円
1,305億円
105.6%
(アイライナー)
226億円
255億円
112.8%

※アイライナーはアイメイクの内数

アイシャドウ、アイライナー、アイブロウ、マスカラを対象とした。自身の眉やまつ毛を活かし、自然に立体感を演出するアイメイクが定着しつつあり、2016年はアイシャドウがツヤ感を持たせたトレンドの定着により好調だった。また、アイライナーがブラウン系の色味のバリエーション強化に加え、一人当たりの使用本数の増加により伸びた。インバウンド需要の獲得が進んだ上位ブランドも多く、市場は前年比6.9%の拡大となった。2017年はマスカラは微増にとどまるものの、アイライナーをはじめ、アイシャドウ、アイブロウが好調で、市場は前年比5.6%の伸びが見込まれる。

4.UVケア(スキンケア/ボディケア)

2016年
2017年見込
2016年比
UVケア
563億円
591億円
105.0%
(サンスクリーン)
350億円
364億円
104.0%

※サンスクリーンはUVケアの内数

スキンケアでSPF(Sun Protection Factor)値を表示した日中用乳液、日中用美容液、ボディケアのサンスクリーンを対象とする。紫外線対策の基本となるサンスクリーンが約60%を占めている。消費者の紫外線意識の高まりにより、2014年以降市場は拡大している。2017年は、サンスクリーンは上位ブランドが敏感肌対応ラインを追加するなど、商品のテコ入れが行われているとともに、インバウンド需要の取り込みが続いている。スキンケアでは、上位ブランドで日中用乳液の新商品が投入され好調である。一方、日中用美容液は積極的な新商品投入などがみられないため、縮小が予想される。

◆調査対象

分野
品目
スキンケア 洗顔料、クレンジング、マッサージ、モイスチャー、スポットケア、化粧水、乳液、美容液、パック
フレグランス パルファン、オードパルファン、オードトワレ、ライトフレグランス メンズフレグランス
ヘアケア・ヘアメイク シャンプー、リンス・コンディショナー、ヘアトリートメント、女性用スカルプケア、ヘアスタイリング剤、ヘアカラー、パーマネントウェーブ剤
メンズコスメティックス メンズシャンプー・リンス、メンズスタイリング剤、メンズスカルプケア、シェービング料、メンズフェイスケア、メンズボディケア
メイクアップ 【ベースメイク】 メイクアップベース、ファンデーション、フェイスパウダー
【ポイントメイク】 アイシャドウ、マスカラ、ネイルカラー・ネイルケア、アイライナー、チークカラー、アイブロウ、リップカラー
ボディケア リップクリーム、ボディシャンプー、バスプロダクツ、サンタン・サンスクリーン、ボディクリーム・ローション、除毛・脱毛料、ボディマッサージケアクリーム

価格帯別区分

低価格帯
中価格帯
高価格帯
スキンケア
2,000円未満
2,000円〜6,000円未満
6,000円以上
フレグランス
2,000円未満
2,000円〜5,000円未満
5,000円以上
ヘアケア・ヘアメイク
650円未満
650円〜1,000円未満
1,000円以上
メンズコスメティックス
750円未満
750円〜2,000円未満
2,000円以上
ベースメイク
3,000円未満
3,000円〜4,500円未満
4,500円以上
ポイントメイク
2,000円未満
2,000円〜3,500円未満
3,500円以上
ボディケア
1,000円未満
1,000円〜3,000円未満
3,000円以上

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/08/28
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。