マーケット情報


量販店やコンビニ、弁当・惣菜店、百貨店、駅ナカ・駅ビルなどにおける
国内中食・惣菜市場を調査

−2017年見込の中食・惣菜市場は前年比2.1%増の5兆9,940億円−
コンビニ市場が中食・惣菜市場の拡大をけん引
高齢者や主婦の利用増加、メニュー拡充や素材の改良などテコ入れも積極的


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、共働き世帯の増加や高齢化社会への進行を背景に、家庭での調理工程を省力化したいというニーズの高まりを受け拡大する中食・惣菜の国内市場を調査した。その結果を報告書「中食・惣菜市場のメニュー×チャネル徹底調査 2017」にまとめた。

この報告書では、量販店、コンビニ、弁当・惣菜店、テイクアウトずし店、おにぎり専門店、百貨店、駅ナカ・駅ビルといったチャネルを対象に中食・惣菜市場を調査し、弁当類、米飯類、麺類、ホットデリカ、スナック類、コールドデリカ、サンドイッチ・調理パンといったメニューカテゴリー別の分析などを加え、今後を予測した。

◆注目市場

1.コンビニ市場(小売ベース)

2016年
2015年比
2017年見込
2016年比
市場規模
2兆4,930億円
107.9%
2兆5,843億円
103.7%

東日本大震災以降、高齢者や主婦の利用が増加し、従来の男性向けメニューだけではなく小容量、シズル感、華やかさなどを訴求した商品開発が進んでいる。また、カウンターファストフードで夕食惣菜になり得るメニューの展開、一食完結型で利便性の高い主菜系サラダや麺メニューの投入が既存店の売上をけん引している。

2016年の市場はカウンターファストフードのブラッシュアップ、前年より続く主要コンビニチェーンによるサンドイッチのリニューアル、カウンターコーヒーとの合わせ買いの促進から好調を維持した。また、セブン-イレブンを中心にチルド弁当や具材のバリエーションが広がったチルドスープが好調だった。チルド弁当は消費期限が長く廃棄ロス率が低いことや常温商品では採用できなかった具材を使用したメニュー化が可能であることから(、チェーン各社が開発に注力し配荷が進んだ。

2017年はメニューの拡充や素材の改良など、好調が続くスープ、麺類やサラダに対する上位企業のテコ入れが積極的に行われている。特に、一食完結型のメニュー、ビュッフェ感覚で買い合わせができる小型サラダ、具材感あるスープや小容量のチルドラーメンなどが需要を伸ばしている。引き続き定温弁当やおにぎりは低迷しているものの、これらの新奇性の高いメニュー展開により市場は続伸が見込まれる。

店舗数は伸びが鈍化しているものの増加していることから、市場は当面拡大が続くとみられる。ただし、将来的には1店舗当たりの売上低下は避けられず、市場への影響が予想される。チェーン各社は配送の効率化、廃棄ロスの軽減、人件費の抑制など様々な手法で利益の確保に舵を切っている。同時に既存商品の改良を進め、外食業態やデリバリー業態との競合に打ち勝つ商品開発に注力している。

2.量販店市場(小売ベース)

2016年
2015年比
2017年見込
2016年比
市場規模
2兆0,958億円
101.9%
2兆1,309億円
101.7%

主婦層や高齢者をメインユーザーとする量販店では若い世代のユーザー開拓のほか、健康志向や単身者、働く女性へのアプローチが図られている。

2016年はホットデリカの売れ筋メニューであるから揚げやとんかつなどの伸びが鈍化してきたことからチェーン各社がリニューアルを実施した。また、健康志向からサラダが売れ、コールドデリカが大きく伸びたことから、市場は引き続きプラスとなった。

2017年はコールドデリカが伸びを維持しているほか、前年にリニューアルが遅れホットデリカの実績を落としたチェーンが商品開発を進め実績を回復させていることから、市場は引き続き拡大すると見込まれる。

市場は、ピークタイムに合わせて出来立て感のある惣菜を提供することで拡大してきた。高齢者世帯や共働き世帯が増えていることから今後も需要は増加すると予想される。チェーンによってはイートインスペースの設置を強化して弁当類やホットデリカなどの出来立て惣菜の即食へ対応し、外食業態からも需要の取り込みを図っている。一方で今後は外食業態との競合が強まるとみられる。

3.駅ナカ・駅ビル市場(小売ベース)

2016年
2015年比
2017年見込
2016年比
市場規模
3,089億円
103.3%
3,116億円
100.9%

高齢者世帯や共働き世帯の増加を背景に、日常使いを狙った駅ナカ・駅ビル店舗の整備、惣菜メニューの強化が進められている。

2016年の市場はターミナル駅店舗における弁当を主体とした需要増が続いたことから続伸した。ターミナル駅は利用者が多いため好調が続いたが、店舗によっては売上が前年割れとなるところもあり、売り場面積の拡大やリニューアルによって好立地を活かした店舗作りが活発化している。

2017年は開業・開通による需要増が落ち着いているが、高齢者や共働き世帯をターゲットとした品揃えで夕食惣菜としての需要開拓が進められており、駅ナカ・駅ビルにおける店舗数の増加やリニューアルなどの効果も期待できることから、市場は拡大が見込まれる。

2020年の東京五輪に向けて鉄道や駅ナカ・駅ビル店舗の整備が進んでおり、旅行客の増加も期待されることから、今後も市場は拡大が予想される。惣菜・弁当類の購入に駅ナカ・駅ビルを利用していない層への利用促進も課題となっており、今後も日常使いに対応した店舗やメニューの強化が進むとみられる。

◆調査結果の概要

1. 国内中食・惣菜市場(小売ベース)

2016年の市場は前年比3.5%増の5兆8,713億円、2017年は前年比2.1%増の5兆9,940億円が見込まれる。家庭で料理をすると食材が余りやすいなどの問題を抱える高齢者世帯や単身世帯、料理をする時間の確保が難しいなどの事情を抱える共働き世帯の増加を背景に拡大している。また、多様な商品や販売施策が積極的に導入されていることが需要喚起につながっている。

市場のトレンド

・チルド弁当…品質アップ、廃棄ロス低減。コンビニを中心に実績拡大。
・電子レンジ対応惣菜…簡便性からコンビニや量販店での強化、高単価メニューの定着。
・量販店でのビュッフェスタイル惣菜…高級感の演出とレジャー感を高めた魅力的な売場で需要を喚起。
・健康志向弁当・惣菜…高齢者向け、健康維持・向上をキーワードに取扱拡大。
・地域対応惣菜…地域の嗜好を反映した味覚訴求でニーズにきめ細かく対応、既存店売上を底上げ。
・調理スタッフ・開発者不足でオペレーションの効率化…業務用商品、プリフライなどの採用増加。
・催事展開…各チャネルが催事需要の取り込みを加速。
・量販店・コンビニのイートインスペース…外食からの需要の取り込みを図り拡充。

チャネル別にみると、コンビニ、量販店、駅ナカ・駅ビル市場がプラス推移している。特に、コンビニ市場が順調に伸びており、今後も中食・惣菜市場の拡大をけん引すると予想される。一方、弁当・惣菜店、テイクアウトずし店、おにぎり専門店、百貨店市場がマイナス推移している。

中食・惣菜市場におけるメニュー開発のキーワードは引き続き"健康志向""楽しさ""安心・安全""簡便""小容量""本格感"などとなる。一方で、人口の減少に伴う需要の縮小に対し、高単価・高付加価値商品の投入によるメニュー単価の向上が必要となってくる。

◆調査対象

1.チャネル

チャネル 量販店、.コンビニ、弁当・惣菜店、テイクアウトずし店、おにぎり専門店、百貨店、駅ナカ・駅ビル

2.メニュー

弁当類 弁当、丼物、セット米飯、その他弁当類
米飯類 寿司、おにぎり、おはぎ、その他米飯
麺類 パスタ、うどん他、そば、ラーメン他、焼きそば、焼うどん他
ホットデリカ フライ類、畜肉惣菜、中華惣菜、焼き魚、煮魚、スープ、汁もの、鍋、オードブル、その他ホットデリカ
スナック類 たこ焼き、お好み焼き、グラタン、ドリア類、ピザ、フランクフルト・アメリカンドッグ、中華まんじゅう、おでん、ポテト、その他スナック類
コールドデリカ サラダ、きんぴら煮、ひじき煮、肉じゃが、その他煮物、卯の花和え、和え物、酢の物、漬物、その他コールドデリカ
サンドイッチ 調理パン、サンドイッチ、調理パン

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/08/30
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。