マーケット情報


次世代物流システム・サービスの市場を調査

−2025年市場予測(2016年比)−
宅配ボックス 255億円(4.0倍)、AI音声認識活用物流システム 77億円(5.9倍)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、ロボティクスやAI、IoTの活用により、物流業務の機械化・自動化が進められている物流ビジネス関連システムおよびサービスの市場を調査した。その結果を報告書「次世代物流ビジネス・システムの実態と将来展望 2017」にまとめた。

この報告書では次世代物流システムとして、ロボティクス・オートメーション6市場、ロジスティクスファシリティ6市場、IoT6市場、AI4市場、今後さらに活性化するとみられる次世代物流サービス5市場を調査・分析し、物流業界の将来展望を明らかにした。なお各市場は国内市場+日系メーカーの海外実績で捉えた。

ピッキングや検品、梱包・包装、配達など、物流業務はいまだに人手による作業が大半であり、ネット通販の浸透などによる物流量の増加に伴い、人手不足が深刻化している。また近年では当日配送といった超短納期対応サービスを開始する企業が増え、さらに現場作業はひっ迫しており、ロボティクスやAI、IoTを活用した基本作業の機械化・自動化が早急に求められている。

◆調査結果の概要

1.次世代物流システム市場

ロジスティクスファシリティは、立体自動倉庫システムを中心に従来から安定した需要があり、構成比が大きい。近年では通販業界を中心に物流システムの自動化が進められていることから今後も堅調に拡大するとみられる。IoTは物流のデジタル化、IT化の流れから近年市場が拡大しており、既に普及しているデジタルピッキングシステムや物流・倉庫管理ソフトに加えて、今後はスマートグラスや宅配ボックスが拡大するとみられる。AIは物流における活用がこれからであり、今後AI音声認識活用物流システムやAI画像認識活用物流システムなどを中心に、急速に拡大していくとみられる。ロボティクス・オートメーションは今後も成長が期待され、現場作業の自動化・省力化が促進される中で、AGV・アーム付AGV、次世代物流ロボット、物流向けパワーアシストスーツ、物流向けドローンといった新しいテクノロジーの導入が本格化し、市場は拡大するとみられる。

2.次世代物流サービス市場

2017年見込
2025年予測
市場規模
1兆5,950億円
2兆7,085億円

製品回収・修理サービス、低温物流サービス、通販フルフィルメントサービス、倉庫シェアリング、受託製造サービスを対象とする。

製品回収・修理サービス、低温物流サービス、通販フルフィルメントサービスはすでに市場が立ち上がっており、特に低温物流サービスは国内では成熟市場となっている。商品の注文の受付から引き渡しまでの一連の業務を代行する通販フルフィルメントサービスはネット通販市場の拡大により伸びている。参入企業、物流量の増加により物流業務を外部委託するニーズが増加している。宅配業者が多品種少量生産が必要な事業者に対して3Dプリンタ用のデータ作成から造型、配送まで一括して提供する受託製造サービス、倉庫シェアリングは2017年に国内で立ち上がったばかりの市場で、今後は参入企業の増加やサービスの拡充により市場が拡大するとみられる。

◆注目市場

1.AGV・アーム付AGV

2017年見込
2025年予測
市場規模
220億円
720億円

AGV(Automated Guided Vehicle)は主に製造現場において部品や半製品、完成品の間欠搬送に利用される自動走行型の無人搬送車である。ネット通販市場の拡大により小型の搬送物が増加しており、小型のAGVの需要が増加している。今後は労働者不足、自動化促進を背景に、製造業や物流業で自律走行型の無軌道タイプやアーム付AGVの導入が進むとみられ、市場は拡大するとみられる。

2.宅配ボックス

2017年見込
2025年予測
市場規模
115億円
255億円

集合住宅向けおよび駅や商業施設などの公共スペース向け、戸建住宅向けの宅配ボックスを対象とする。なお戸建住宅向けは国内市場を対象とする。

宅配ボックスは新築の集合住宅向けが中心であったが、近年ではリフォームなどの際に宅配ボックスが採用されるケースが増加しており、既築向けが拡大している。またこれまではコストやスペースの問題から限定的であった賃貸物件でも採用が進んでいる。ネット通販市場の拡大により、宅配物を受け取る機会が増加しており、それに伴う再配達などの手間を解決する手段として戸建住宅向けや駅などの公共スペース向けが注目されている。ヤマト運輸や佐川急便が駅などに宅配ボックスを設置し、いつでも荷物を受け取れるサービスを開始したほか、参入企業も増加しているため、今後も市場は拡大するとみられる。

3.AI音声認識活用物流システム

2017年見込
2025年予測
市場規模
16億円
77億円

人手で行う物流業務においてAI音声認識を採用した専用端末または汎用端末(iPadなど)を活用することで、本部のサーバーから現場の作業者へ音声で作業を指示し、声で応答することで確認を行うことの出来るシステムを対象とする。

AI音声認識活用物流システムの活用により、ハンズフリー、アイズフリーでの作業が可能になることから、物流業のほかにも卸・小売など様々な分野で導入されている。人手で行っているピッキングや仕分け作業を中心に、今後も導入が進み市場は拡大するとみられる。

◆調査対象

ロボティクス・オートメーション AGV・アーム付AGV、次世代物流ロボット、AGF(Automated Guided Forklift)、パレタイジングロボット、物流向けパワーアシストスーツ、物流向けドローン
ロジスティクスファシリティ 自動搬送・仕分けシステム、立体自動倉庫システム、回転棚、電動式移動棚、天井走行式モノレール、垂直搬送機
IoT デジタルピッキングシステム、トレーサビリティシステム(ハンディターミナル)、物流・倉庫管理ソフト(WMS/TMS)、スマートグラス、宅配ボックス、トラックシェアリング
AI 自動運転(トラック)、AI音声認識活用物流システム、AI画像認識活用物流システム、AI再配達回避システム
次世代物流サービス・受託製造サービス 製品回収・修理サービス、低温物流サービス、通販フルフィルメントサービス、倉庫シェアリング

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/09/28
       
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