マーケット情報


半導体・液晶製造装置、工作機械の需要増加を受け
2017年は大幅な拡大が見込まれるメカトロニクスパーツの市場を調査

−2020年市場予測(2016年比)−
メカトロニクスパーツ(構成部品、機械・装置) 2兆777億円(25.8%増) 
半導体・液晶製造装置、工作機械向けの需要増加により2017年以降拡大が続く


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、工作機械や半導体・液晶製造装置、産業用ロボットの需要増加により、2017年以降大幅な拡大が期待されるメカトロニクスパーツ(FA設備の構成部品)の市場を調査した。その結果を報告書「2017年 注目メカトロニクスパーツ市場実態総調査」にまとめた。

この報告書では、コントローラ領域6品目、モータ&アクチュエータ領域9品目、ID&センサ領域9品目、受配電機器領域5品目の市場の現状を分析し、将来を予想した。なお、市場は国内市場+日系メーカーの海外実績の合計とした。

「スマートフォンなどのデジタル機器の需要増加」「自動車の需要増とその電装化/EV化による電子部品の需要増加」「人口の増加による食品や医薬品などの非耐久消費財の増産と地産地消ニーズの増加」などに対応するため、今後広い分野で生産設備の更なる需要増加が期待される。メカトロニクスパーツ関連メーカーは、より大量に高品質で効率的な生産活動をサポートするために、IT技術を導入した工場や製品のデジタル上での設計と生産工程のシミュレーション、IoT化やビジョンシステムによる認識技術、また、収集したデータの分析による生産システムのダウンタイム削減など、生産性向上を支援するソリューションを提案している。

◆調査結果の概要

メカトロニクスパーツ市場(国内市場+日系メーカーの海外実績)


2016年は、中国市場のスマートフォン関連などの需要不振から大幅な縮小が懸念されたものの、電子部品や半導体、液晶・有機EL関連の需要増加により縮小幅が抑えられ、市場は前年比0.8%減の1兆6,519億円となった。

2017年は、自動車の電装化やスマートフォン向け設備の更新・拡充、ディスプレイの液晶から有機ELへの変化による生産設備の拡充、また、様々な産業でのIoT化に対応するためデータセンターを中心とした半導体需要の増加などにより、日系のエレクトロニクス関連装置や産業用ロボット、工作機械の需要が増えたため、市場は前年比10.6%増の1兆8,271億円が見込まれる。急激な需要増加により、生産が追い付かない製品もみられ、各制御機器メーカーは内蔵部品の確保とデリバリー体制の整備、案件の精査などに注力している。

2018年以降は設備投資動向が落ち着くため伸び幅が緩やかになるものの、2020年にかけて市場拡大は続くと予想される。

特にコントローラ領域の伸び幅が大きい。市場規模が大きく半導体・液晶製造装置向けが好調なプログラマブルコントローラ(PLC)やプログラマブル表示器、工作機械で使われるCNC装置の需要が増えており、2020年の市場は2016年比30.8%増が予測される。

モータ&アクチュエータ領域も大幅な伸びが予想される。ACサーボモータ/ドライバは工作機械や半導体・液晶製造装置関連が中国などへの輸出を中心に好調で2017年は前年比10%以上の伸びが見込まれ、今後も堅調な需要が期待される。ダイレクトドライブモータや単軸アクチュエータも大きく伸びるとみられる。

ID&センサ領域は堅調な伸びが続くとみられる。2017年は多くの品目で前年比10%以上の伸びが見込まれる。中でも産業用RFIDシステム、レーザ変位センサは前年比20%前後の伸びが見込まれ、製品によっては生産が追い付かないほどである。各品目が堅調に伸びるとみられ、2020年の市場は2016年比24.7%増の2,634億円が予測される。

受配電機器領域は、規模の大きいスイッチング電源の伸びがけん引し、市場拡大が予想される。 

◆注目市場

1.プログラマブルコントローラ(PLC)

2017年見込
2020年予測
2016年比
国内
1,187億円
1,335億円
122.6%
日系メーカー海外実績
922億円
1,105億円
133.9%
合 計
2,109億円
2,440億円
127.5%

2016年の市場は、日系メーカーの主要輸出先である中国市場の半導体・液晶関連装置の設備投資が低調だったため、前年比で微増にとどまった。

2017年は、2016年の年末以降に半導体・液晶関連装置の需要が高まっているため、後半は過剰な在庫獲得分の調整なども想定されるものの、市場は前年比10.2%増が見込まれる。特に、海外実績が中国や韓国の需要増加により、2020年頃まで堅調な拡大が続き市場をけん引するとみられる。

PLCは生産情報の収集と生産管理システムなどの上位情報系との連携に欠かせない重要な要素となっている。PLCと連携するデータロガー、データ収集用コントローラなどの製品も多くみられ、また小型のPLCを小規模IoTシステム用のハブとして活用し、ゲートウェイを通じて分析エンジンを搭載したクラウドと連携させる用途もみられる。

2.ACサーボモータ

2017年見込
2020年予測
2016年比
国内
1,454億円
1,673億円
140.7%
日系メーカー海外実績
865億円
1,043億円
136.7%
合 計
2,319億円
2,716億円
139.1%

2016年は、上半期の各分野での需要減少が影響し、市場は前年比4.3%減の1,952億円となった。ただし、下半期は停滞していた工作機械需要が回復し、スマートフォン関連を中心とした半導体・液晶製造装置の需要増加により市況は上向いた。

2017年は、工作機械の需要が持続するとともに、半導体・液晶製造装置、産業用ロボット、マウンタなど主要セット機械向けの需要が急増している。受注の急増により各社とも納期対応に追われるほどの状況であり前年比18.8%増が見込まれる。また、ユーザーが在庫分を前倒しで押さえる動きもみられ、一部では実際の需要とは若干乖離した供給も行われている。

2018年以降、急激な伸びは落ち着くとみられるものの、半導体・液晶製造装置の投資計画が堅調なため需要は増加するとみられ、2020年には2016年比39.1%増の2,716億円が予測される。

海外実績では、中国におけるスマートフォン関連設備の実装機や、半導体・液晶製造装置関連向けが大きい。産業用ロボットなどでは中国メーカー向けも増えている。今後も半導体・液晶の設備投資計画や自動車生産設備投資状況を考慮すると、引き続き中国での需要増加が期待される。

次世代製造システムとの関連性では、IoT対応製品の投入や開発対応などが徐々に進展している。また、ネットワーク対応品の採用も、ユーザーへの地道な販促活動が奏功し、製品ラインアップも拡充している。また、中国向けの販売が多いことや、グローバル展開の強化を進めていることもあり、各参入メーカーは海外規格の対応製品にも注力している。

◆調査対象

コントローラ領域 プログラマブルコントローラ、プログラマブル表示器、産業用コンピュータ、モーションコントローラ、温度調節計、CNC装置
モータ&アクチュエータ領域 ACサーボモータ/ドライバ、リニアサーボモータ、ダイレクトドライブモータ、産業用ステッピングモータ、汎用インバータ、三相インダクションモータ、産業用ギアードモータ、産業用PMモータ、単軸アクチュエータ
ID&センサ領域 産業用RFIDシステム、固定式コードリーダ、光電センサ、ファイバセンサ、レーザ変位センサ、近接センサ、リニアエンコーダ、ロータリエンコーダ、産業用温度センサ
受配電機器領域 産業用配線用遮断器、産業用漏電遮断器、コンタクタ、電力調整器、スイッチング電源

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/11/14
       
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