マーケット情報


国内臨床検査市場を総括分析

−臨床検査市場調査シリーズ−
2016年 検査薬 4,183億円、検体検査機器 830億円、合計 5,013億円
2022年予測 同4,345億円、850億円、5,195億円


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、2015年10月より4回に分けて国内の臨床検査市場を調査してきた。第4回目となる今回はこれまでの調査結果を総括分析した。その結果を報告書「2017 臨床検査市場 No.4」にまとめた。

この報告書では、国内臨床検査市場を総括分析するとともに、臨床検査業界の代表的なメーカー60社の検査事業実績や新製品・開発動向、海外展開状況、今後の戦略について事例分析した。

◆調査結果の概要

1.国内臨床検査市場


国内の臨床検査市場は2008年から2016年までおおむね年率1〜2%程度の成長率となっている。2009年は新型インフルエンザの大流行によりインフルエンザ検査キットが大きく伸び市場を押し上げたが、2010年はその反動で縮小した。その後インフルエンザの大流行がみられなかったことから、市場は微増推移となっている。 

2016年の市場は検査薬が4,183億円、検体検査機器が830億円、あわせて5,013億円となった。検査薬市場は、免疫血清検査の伸びが市場をけん引していることは変わらず、同検査が一部の減少する検査をカバーして微増を維持している。また、がん患者の増加に伴い病理検査のニーズが拡大している。病理検査は自動化が難しい検査分野であったがフルオート装置の登場により検査数も増加している。また、コンパニオン診断薬も増えたことが市場拡大に繋がっている。検体検査機器市場は、ほぼ買い替え需要となっている。経費削減のためユーザーの装置買い替えサイクルが長くなっているが、定期的な買い替えが欠かせないこともあり、市場は拡大している。主力の自動化学分析装置や免疫血清検査装置に加え、遺伝子検査装置なども伸びている。

今後は、検査薬市場が年率1%程度の成長、検体検査機器市場がほぼ横ばいと予想される。検査薬市場は、市場ウェイトの高い免疫血清検査が今後も伸びる。また、病理検査ががん患者の増加やフルオート化の浸透により、遺伝子検査が操作性の良い装置やPOCタイプの装置の普及により伸び、市場拡大をけん引する。検体検査機器市場は買い替え需要となっていることから大きな伸びは期待し難いが、定期的な買い替えにより安定した市場推移が予想される。2022年に市場は検査薬が4,345億円、検体検査機器が850億円、あわせて5,195億円が予測される。

2.検査薬の検査分野別市場

一般検査は、微増推移が予想される。血液検査は、凝固・線溶系で伸びている項目が複数あることから拡大しており、今後も続伸が予想される。

生化学検査は、その市場の四分の一を占めるHbA1cのHPLC法と酵素法がラテックス定量法(免疫血清検査)からのシフトで伸びるが、それ以外の項目は苦戦するとみられることから、微減が予想される。

免疫血清検査は、HbA1cが酵素法など(生化学検査)への移行で減少しているものの、BNPやNT-proBNP、便潜血、プロカルシトニンが伸びており、拡大している。今後は心筋検査項目などの伸びが期待されるほか、イムノクロマト法では感染症を中心に新たな項目追加も考えられることから、拡大が予想される。

細菌検査は、近年の診療報酬改定による厚遇もあり、微増ないしは横ばいを維持してきた。今後も診療報酬の影響は軽微と考えられることから、横這いが予想される。

RIA検査は、RIA法のみで測定可能な項目は安定しているものの、その他の項目は減少が続いている。撤退企業も多く、今後も縮小が予想される。

病理検査は、もともと病理医が少ないこともあり検査需要に追いついていないところがあったが、自動化の進展によりこうした需要を満たすことが可能となり伸びている。また、がん患者の増加に加え、検査単価が高いコンパニオン診断薬が伸びていることも拡大を後押ししている。今後もフルオート装置の普及と新規項目の追加が進み、拡大が予想される。

遺伝子検査は、2015年から2016年にかけてC型肝炎の新規治療薬の登場により、治療効果測定のためのHCV定量検査需要が増加し大きく伸びた。しかし、2017年以降は以前の市場規模に戻るとみられる。基本項目は出揃ったことで、今後は大幅な拡大は期待し難いが、装置の機能向上やPOCタイプの装置も発売され診療所でも使用可能となれば更なる拡大も期待できる。

OTC検査は、尿検査薬、妊娠検査薬、排卵日予測検査薬が伸びているものの、血糖自己測定試薬がメーカー間の競争が激しく微減している。今後も尿検査薬や妊娠検査薬、排卵日予測検査薬が横ばいから微増となるが、血糖自己測定試薬の減少が続くことから、市場は縮小が予想される。

◆調査対象

医療機関市場 一般検査、血液検査、生化学検査、免疫血清検査、細菌検査、RIA検査、病理検査、遺伝子検査、コントロール
OTC市場 妊娠検査、排卵日予測検査、尿検査、血糖自己測定
事例研究企業数 60社

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/11/30
       
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