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FA向け画像処理システム関連の世界市場を調査

−2020年世界市場予測(2016年比)−
画像処理システム関連 年率10%程度拡大、2020年に1兆6,210億円


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、世界的なFA需要とセンシングニーズの増加により2016年頃から急激に拡大しはじめ、大きな変革期を迎えたFA向け画像処理システム関連の世界市場を調査した。その結果を報告書「2017 画像処理システム市場の現状と将来展望」にまとめた。

この報告書ではFA向けにフォーカスし、処理装置5品目、カメラ3品目、キーコンポーネンツ3品目、検査アプリケーション12品目、観察・測定関連機器6品目、ロボティクス・AI 2品目の世界市場の現状を分析し、将来を予想した

◆調査結果の概要

画像処理システム関連の世界市場

画像処理システム関連の世界市場は2016年から大幅に拡大しており、2017年には1兆2,168億円が見込まれる。これまでは年率3〜5%程度の拡大であったが、今後数年間は年率10%程度拡大し、2020年には1兆6,210億円が予測される。背景には世界的なブームと呼べる程のFA需要の増加と、メカ制御とセンシングを組み合わせることが当たり前となったことによるセンシングニーズの増加がある。

処理装置、カメラ、キーコンポーネンツのなかでは、画像処理装置(ボード)以外は市場拡大が予想される。特に、画像処理装置(筐体型)の市場は中国を中心に生産ラインにおける自動化ニーズ、センシング需要の増加から、2020年に2016年比2.2倍の1,950億円が予測される。同様に画像センサーの市場も高成長が予想される。FA用エリアスキャンカメラは半導体・電子部品関連、FA用ラインスキャンカメラは液晶関連などの需要が好調であり、今後も製造業の自動化が加速するなか、順調な市場拡大が期待できる。画像処理用LED照明、画像処理用レンズ、産業用イメージセンサーといったキーコンポーネンツの市場もFA用カメラ市場の拡大に比例して、拡大が予想される。

検査アプリケーションでは、スマートフォン向けなどの液晶ディスプレイ需要の高まりにより、FPD検査装置の市場が高成長するとみられる。設備投資が続く半導体向けのウエハー外観検査装置の市場も好調が予想される。また、基板実装関連の検査装置であるインライン実装検査装置(リフロー前後)、クリームはんだ印刷外観検査装置、AXIもスマートフォン関連などの需要増により市場拡大が期待される。文字検査装置は国内のジェネリック医薬品メーカー向けの販売が減少することから、市場が縮小するとみられる。ボディ外観・塗装検査装置は現状の市場規模が小さく、今後需要開拓の余地が大きい。

観察・測定関連機器、ロボティクス・AIでは、ロボットビジョンシステムの市場が製造業の自動化の進展に伴い導入が拡大しており、2020年に2016年比85.2%増の200億円と予測される。観察・測定関連機器の中では中国での需要拡大が期待される共焦点レーザー顕微鏡(工業用)、自動車や航空機関連などで採用が進むCNC画像測定器の市場が大きく拡大すると予想される。デジタルマイクロスコープ、電子顕微鏡(SEM,TEM)といった品質保証や研究開発用途での利用が多い製品の市場は、堅調な推移が予想される。

◆注目市場

1.画像処理装置(筐体型)

2017年見込
2016年比
2020年予測
2016年比
市場規模
1,110億円
124.7%
1,950億円
2.2倍

これまで年率5〜8%程度の伸びを続けてきた市場であるが、2015年から大幅に拡大している。市場の中心は中国である。欧州市場の伸びも顕著であるが、最終仕向け地は中国と見られる。今後数年間、市場は世界的な省人化ニーズ、品質向上ニーズの高まりに伴い、好調を維持すると予想される。

スマートフォンを中心としたデジタル機器の生産ライン向けが市場拡大をけん引している。LCDや有機ELパネルの生産ライン向けも大きい。パネル向け検査システムは1億画素のカメラを採用することもあり、画像処理システムも高額なシステムが採用される。自動車の生産ライン向けも拡大しているほか、IDリーダーやロボットビジョンシステムといった用途が注目されている。新規用途として期待されるパネル検査はラインスキャンカメラを採用する検査工程が多いが、ここ2〜3年はエリアスキャンカメラの高画素化と処理装置の高速化により、エリアスキャンカメラを採用する検査工程が増えてきた。エリアスキャンカメラ画像の方が直感的であることも影響している。従来、セル検査などのパネルが止まっている工程への採用のみであったが、パネルが流れている工程への採用も進んでいる。

2.FA用エリアスキャンカメラ

2017年見込
2016年比
2020年予測
2016年比
市場規模
464億円
112.3%
640億円
155.0%

アジアを中心に半導体・電子部品関連の設備投資が活発であり、市場は2016年から大幅に拡大している。2017年は中国を始めとしたアジアでスマートフォン関連などの半導体・電子部品関連の大規模な設備投資が行われていることや、アジア以外のエリアでも検査工程の自動化が進んでいることから需要が増加しており、前年比二桁成長が見込まれる。2018年以降も検査工程の自動化の進展により、アジア市場を中心に、数量ベースで大幅な拡大を続けると予想される。一方、市場はカメラの低価格化により数量ベースと比べると緩やかな伸びになるとみられる。

市場を用途別にみると、従来より電機製造ライン、半導体製造・検査装置、マウンタ位置決め、ボンダ位置決めといったエレクトロニクス関連が多いが、2016年はアジアを中心に半導体・電子部品関連の設備投資が活発だったことから、電機製造ライン、半導体製造・検査装置向けが大きく伸びた。2017年も引き続き伸長すると見込まれる。食品・薬品・化粧品関連は大きな伸びはないが、安定した需要がみられる。自動車生産ラインでは、これまでユーザーがカメラや照明を組み合わせて検査システムを内製するケースや、画像センサーで対応するケースが多かったが、近年、自動車部品専用の検査装置が日系メーカーから発売されており、今後新規用途として需要拡大が期待される。

3.FPD検査装置

2017年見込
2016年比
2020年予測
2016年比
市場規模
810億円
122.7%
1,420億円
2.2倍

近年、中国や韓国、台湾のパネルメーカーにおいて中国製造拠点での設備投資が活発化している。テレビ向けパネルでは大型化に関連する投資が続いており、スマートフォン向けの中小型パネルでも生産拡大の動きが見られる。また、中国や韓国のパネルメーカーは、有機ELパネル向けの設備投資を相次いで発表しており、有機ELパネル向けでも需要が拡大すると予想される。一方、国内市場は更新・改造需要が中心で設備投資が停滞していたが、一部のパネルメーカーが有機ELパネル向けの設備投資を発表するなど、動きが出始めている。

市場を用途別にみると、主要な検査工程となるTFT検査とCF検査向けのウェイトが高く、参入メーカーも多くなっている。一方、タカノやブイ・テクノロジーなどの日系メーカーはCF検査やPI検査用途向けを得意とするなど、棲み分けが見られる。

中国市場では中国や韓国、台湾のパネルメーカーが設備投資を進めているが、こうした動きは2020年以降も続くとみられ、今後も大幅な市場拡大が期待される。有機ELや4K・8Kといった新型パネルの量産に伴い、今後は従来なかった新型パネルならではの新たな欠陥や、大型化が進む画面の中に存在する微小な欠陥を素早く判別できる装置ニーズが高まっていくとみられる。

◆調査対象

画像処理 画像処理装置(筐体型)、画像処理装置(ボード)、画像センサー、三次元デジタイザ、画像解析計測ソフトウェア
カメラ FA用エリアスキャンカメラ、FA用ラインスキャンカメラ、赤外線サーモグラフィ
キーコンポーネンツ 画像処理用LED照明、画像処理用レンズ、産業用イメージセンサー
検査アプリケーション デバイス関連 FPD検査装置、ウエハー外観検査装置
基板実装関連 クリームはんだ印刷外観検査装置 (リフロー前後)、インライン実装検査装置、AXI
自動車関連 自動車部品外観検査装置、ボディ外観・塗装検査装置
製紙・印刷関連 Web外観検査装置、印刷面外観検査装置
食品・薬品関連 飲料容器外観検査装置、文字検査装置、錠剤・顆粒剤検査装置
観察・測定関連機器 CNC画像測定器、デジタルマイクロスコープ、共焦点レーザー顕微鏡(工業用)、工業用X線検査装置、非接触三次元測定器、電子顕微鏡(SEM,TEM)
ロボティスク・AI ロボットビジョンシステム、AI物流画像判別システム

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/12/18
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。