マーケット情報


2017年ヒット商品による市場への影響は?
清涼飲料の国内市場を調査

−2017年見込−
「クラフトボス」のヒットで2010年以来の二桁増 リキッドコーヒー市場は1,754億円
「コカ・コーラプラス」のヒットで100億円超の急拡大 トクホ炭酸飲料市場は329億円


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、最需要期となる夏場を経過した2017年の清涼飲料市場を調査し、その市場を横断的に分析した。その結果を「2017年 清涼飲料マーケティング要覧 横断分析編」にまとめた。

この報告書では、清涼飲料市場8分野16カテゴリーの分析のほか、機能訴求、スーパーフード入飲料やスムージー飲料といった物性・成分、容器別など幅広い切り口で横断的に調査を行った。

◆注目市場

1.リキッドコーヒー

2017年は「クラフトボス」(サントリー食品インターナショナル)がヒットしたことで、前年比12.4%増の1,754億円が見込まれる。これまではパーソナルサイズ(500ml以下)PETボトルではカフェオレが中心でブラックコーヒーは目立った商品投入も行われていなかったが、「クラフトボス ブラック」はパッケージデザインの新奇性や通常のブラックコーヒーと比較し飲みやすい味に設計されたことがエントリー層をはじめ幅広いユーザーに受け入れられたとみられる。 一方で、ここ数年市場をけん引していたホームサイズ(900〜1,000ml)PETボトルは、夏場を中心とした天候不順や、「クラフトボス」とのリキッドコーヒー内のカニバリもあり前年割れが想定される。

2.トクホ炭酸飲料

2017年は「コカ・コーラプラス」(コカ・コーラシステム)がヒットしたことで、前年比55.9%増の329億円が見込まれる。 トクホ炭酸飲料はユーザーの間口が狭く新規層の掘り起こしが進まなかったことから、新商品発売から年数が経過したここ数年は市場の縮小が続いていた。しかし、コカ・コーラシステムが「コカ・コーラプラス」「スプライト エクストラ」と炭酸ブランドから相次いで新商品を投入したほか、「キリンメッツコーラ」(キリンビバレッジ)の自動販売機での販路拡大などから100億円超の拡大が見込まれる。一方で、新規層の掘り起こしはあまり進んでいないことから、2018年にマイナスに転じる可能性も考えられるため、継続的な市場拡大に向けて次なる一手を打っていく必要性は高い。

3.スムージー飲料

商品名に"スムージー"が含まれるリキッド飲料を対象とし、粉末タイプや外食専門店などで販売される商品は対象外とする。都心部でスムージー専門店が増加する中、2015年に大手コンビニチェーンのローソンが発売した「NLグリーンスムージー」が野菜の栄養素を豊富に含む健康感の高さや、朝食や小腹満たしなどで女性を中心に需要を獲得し、そのほかのコンビニチェーンやNBメーカーも新商品を展開したことで、市場は急拡大を続けている。 プラカップや小型PETボトルの採用でスタイリッシュなイメージを打ち出したことに成功したほか、気分転換や自分への手軽なご褒美としての需要を獲得している。また、幅広い時間帯の飲 用需要を取り込んでいることや、量販店やドラッグストアなど展開チャネルの広がりとともに取り扱い強化が進むことで、今後も拡大が予想される。

◆調査結果の概要



前年が年間を通じて天候に恵まれ、ここ数年では比較的高い伸びとなったこともあり、苦戦が予想された2017年清涼飲料市場は、上期が好天に恵まれていたこともあり、東日本を中心とした8月の悪天候などで夏から秋にかけて需要が停滞したものの、前年比0.7%増の5兆1,756億円が見込まれる。

前年に引き続き、大手飲料メーカーは主力ブランドに投資を集中させ効率的に利益を確保する戦略を取っており、価格一辺倒による消耗戦という悪循環を招く市場構造は徐々に改善しつつある。

◆2017年拡大が見込まれるカテゴリー

1.果実・野菜飲料

果実飲料は原料価格の高騰による収益圧迫がメーカーの注力度低下を招いており、縮小するとみられる。野菜系飲料は手軽にトマトや野菜を摂取する手段として需要が伸びるとともに、トマトの健康性に着目したTV番組での露出増加による需要喚起や、スムージー飲料のヒットなどで二桁近い伸びが予想され、市場は拡大が見込まれる。

2.乳性飲料

飲用牛乳と乳飲料は苦戦が続いているが、消費者の健康志向の高まりによりドリンクヨーグルトの需要が伸びており、市場は拡大が見込まれる。ドリンクヨーグルトは機能性を訴求した商品が底堅い需要を獲得しており、乳酸菌飲料類も乳酸菌ブームが追い風となっている。乳性タイプ飲料は「濃いめのカルピス」(アサヒ飲料)をはじめとするカルピスブランドが好調である。

3.茶系飲料

トクホ商品は競合激化で需要に飽和感がでてきたものの、健康意識の高まりや甘さ離れを背景にほうじ茶や麦茶が好調で市場は拡大が見込まれる。一方で、ウーロン茶やブレンドティは苦戦している。

4.機能性飲料

パウチゼリー飲料が健康志向と簡便志向の高まりを背景に朝食や日中の食事代替として喫食が広がり、2016年、2017年と2年連続二桁増、エナジードリンクがユーザーの広がりによって2年ぶりの二桁増になるとみられ、市場は拡大が見込まれる。

5.その他飲料

豆乳類が喫食シーンの提案による大容量サイズの需要増加、ビネガードリンクがTV番組などメディア露出の増加、バラエティドリンクは甘酒が健康性の高さから伸び、市場は拡大が見込まれる。

◆2017年縮小が見込まれるカテゴリー

1.炭酸飲料

コーラフレーバー飲料がトクホ飲料「コカ・コーラプラス」のヒットで4年ぶりの拡大が見込まれ、無糖炭酸飲料は健康意識の高い消費者の取り込みで二桁成長を続けるものの、ほかのカテゴリーは消費者の甘さ離れによる無糖飲料や栄養補給を目的とした機能性飲料への需要の流出で、市場は縮小するとみられる。

2.コーヒー飲料

リキッドコーヒーのパーソナルサイズPETボトル「クラフトボス」のヒットで新規・ライトユーザー層の需要喚起が進んでいるものの、ボリュームゾーンである缶コーヒーでSOT缶の落ち込みが止まらず、市場は縮小が見込まれる。2017年、缶コーヒーは7,000億円を下回る一方、リキッドコーヒーが2010年以来の二桁増となり、コーヒー飲料における缶コーヒーの比率は80%を切るとみられる。

3.ミネラルウォーター類

一部上位メーカーが収益性の改善に乗り出し、割安感などから伸長を続けてきた大容量サイズ(1,500〜2,000ml)の過度な安売りを是正したことから需要は伸び悩み、東日本大震災の備蓄需要の反動がみられた2012年以来の縮小が見込まれる。また、フレーバーウォーターは、新奇性の高い商品が投入される一方でレギュラーフレーバーの需要一巡もあり成長が鈍化している。

◆調査対象

 
果実・野菜飲料 果実飲料 100%果汁飲料、果汁入飲料、低果汁入清涼飲料、果粒含有果実飲料、果肉飲料
野菜系飲料 トマト飲料、野菜飲料、果実野菜混合飲料
炭酸飲料 コーラフレーバー飲料、透明炭酸飲料、果汁系炭酸飲料、乳類入炭酸飲料、ジンジャーエール、無糖炭酸飲料、その他炭酸飲料
乳性飲料 飲用牛乳 飲用牛乳
乳飲料 白物乳飲料、コーヒー系乳飲料、色物乳飲料、プラカップ入乳飲料
ドリンクヨーグルト ドリンクヨーグルト
乳酸菌飲料類 乳製品乳酸菌飲料、乳酸菌飲料
乳性タイプ飲料 乳類入清涼飲料、殺菌乳製品乳酸菌飲料
コーヒー飲料 缶コーヒー、キッドコーヒー
茶系飲料 紅茶飲料 紅茶飲料
無糖茶飲料 日本茶、ウーロン茶、麦茶、ブレンドティ、その他ティードリンク
ミネラルウォーター類 国産ミネラルウォーター類、輸入ミネラルウォーター類
機能性飲料 食系ドリンク、健康サポート飲料、機能性清涼飲料、パウチゼリー飲料、スポーツドリンク、エナジードリンク
その他飲料 豆乳類 豆乳、大豆飲料
ビネガードリンク ビネガードリンク
バラエティドリンク ココアドリンク、ゼリー飲料(PET、缶、紙)、スープ、甘酒、おしるこ

横断分析編

機能訴求編 特定保健用食品、機能性表示食品、カロリーオフ、カロリーゼロ、ノンカフェイン、カフェインオフ、熱中症対策・水分補給飲料、美容系飲料
物性・成分編 無糖飲料、微糖・低糖飲料、炭酸入飲料、果実・その他果汁入飲料、フレーバーウォーター、スーパーフード入飲料、スムージー飲料
容器編 PET、缶、紙、スパウト付パウチ、リキャップ式、チルドカップ

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2017/12/22
       
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