マーケット情報


コモディティ化から「第二次LED革命」「次世代光源開発」で
新たな価値創出へ向かう光源/照明関連市場を調査

-LED照明国内市場 2025年予測 6,540億円-
規模のピークは2020年に迎えるも、安定性の高い市場構造に


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、モノ売りからコト売りへシフトすることで、再成長が期待される光源/照明関連市場を調査した。その結果を報告書「Special Appli. 光源/照明市場 実態・技術・予測 2018年版」にまとめた。

この報告書では、一般照明市場、照明制御・ソリューション・IoT化市場、次世代有望光源・アプリケーション市場の動向をまとめ、各市場を安定性、収益性、成長性の3点から評価した。

◆調査結果の概要

光源/照明市場において、小型・超寿命・省エネという機能優位性を武器にLED光源は普及してきたが、市場は踊り場を迎えたことで、再成長に向け以下の3つの価値の連携提案による新たな価値の創出が必要となっている。

 1) Smart 省エネ、省人・省力化、最適運用・保守、行動誘導
 2) Wellness 快適性、健康・生産性向上、心理・生産的訴求、光治療
 3) Advance IoT化、高次化、新規用途開拓

この3つを新たな訴求とした次世代光源開発と照明の質的向上が、今後の成長に向けたポイントであり、特に照明市場では、これまでの照明器具のモノ売りから、照明や光のソリューション提案であるコト売りへの転換が市場の発展に繋がっていくとみられる。

照明制御・ソリューション・IoT化国内市場

照明制御・ソリューション・IoT化市場は、2017年に1,000億円突破が見込まれる。大手照明メーカーが提案する有線式制御ソリューションを中心に、BEMS主導のビルディングIoT照明、専業プレーヤーが提案する建築化・空間演出ソリューション、景観・演出ライティングソリューションなどの市場が確立している。

ウェルネス照明、可視光通信、映像演出ソリューションなどによる照明や光の新たな価値提案に加え、より質の高い照明環境を求めるニーズが高まっていることから、制御・ソリューション・IoT化市場は今後も拡大が予想される。新たなソリューションも多いため、市場の安定性は製品市場に比べると低いものの、成長性は高く2025年には2,045億円(2016年比2.1倍)が予測される。

光と制御の解放による異業種プレーヤーの参入

LEDの普及により、照明は取り扱いが容易となりデザインの柔軟性が向上した(光の解放)と同時に、デジタル化されたことで制御が可能となった(制御の解放)。これにより、照明と同じく天井商材を扱う空調・セキュリティ機器などのプレーヤー、空間提案を行う建材メーカー、照明のIoT化や制御、他設備との連携運用の提案を行うITベンダーや計装メーカーなど、様々な異業種プレーヤーによる照明のソリューション提案で増えている。異業種プレーヤー参入により照明メーカーにはなかった価値提案が増えることで、制御・ソリューション・IoT化市場はさらなる進展が期待される。

◆注目の照明制御・ソリューション・IoT化国内市場

1.DALI制御ソリューション

DALIとは、照明の調光制御のオープン規格であり、既に欧米では主流になっている。これまでDALI制御は中小の照明器具専業メーカーや制御機器メーカーによる採用が多く、大手照明メーカー各社は独自のプロトコルを使用した制御ソリューションの提案が多かった。

しかし、LED照明器具のコモディティ化により、ゼネコンや設計事務所などからの制御システムオープン化の要望が増え、2016年には大手照明メーカーもDALI制御案件の対応を開始するなど、市場のターニングポイントとなった。以降、新設の大規模施設での導入が定着しており、今後は中小規模施設での普及なども進むことで2025年には155億円(2016年比10.3倍)が予測される。

2.ウェルネス照明ソリューション

ウェルネス訴求を行う照明製品やソリューションを対象としており、具体的には、明るさや色温度による心理的健康効果、ブルーライト抑止や睡眠環境改善などの生理的健康効果、知的生産性の向上などが挙げられる。

米国を中心に空間のデザイン・構築・運用に人間の健康という視点を加え、よりよい住環境の創造を目指した評価システム「WELL認証」が2014年に開始され、日本でもゼネコンが主体となってウェルネス建築を新たな価値として訴求する動きがみられている。国土交通省が主管となり日本版WELL認証策定の動きもあることから、照明 や光におけるウェルネス訴求も注目を集めている。

照明メーカーは、自然光再現を訴求した照明の開発やウェルネス照明の実証実験などを行っている。また、照明メーカー以外にも建材メーカー、寝具メーカー、オフィス家具メーカーなど異業種プレーヤーも本業に絡めた照明や光のソリューション提案を行っており、2025年には150億円(2016年比150.0倍)が予測される。

照明製品国内市場

照明製品市場は電熱/放電灯の急速な需要減少により既に縮小が続いており、2015年の約9,000億円から2025年には7,387億円まで縮小が予測される。

LED照明は拡大が続くものの、フローにおけるLED化が軒並み進んだことや、コモディティ化により機能的価値による差別化が難しくなりつつある。2017年には7,000億円超えが見込まれるが、2018年以降は踊り場を迎えるとみられる。

市場の成長は期待しにくいものの、価格訴求に注力する新興メーカーの淘汰も進み、安定性の高い市場構造となりつつあり、膨大にあるストック市場へのLED照明の普及がプレーヤーの収益性を維持する鍵となる。

◆LED照明器具のストック市場における普及状況(2017年時点)

需要分野別に普及状況をみると、最も普及が進んでいるのは小売店などの店舗照明である。店舗改装やスクラップアンドビルドも多く、営業時間と照明点灯時間の長さからLEDへの切替えが進みやすく、局所照明で40%、ベース照明で20%程度普及しているとみられる。

一方で、オフィス・ビル照明は設備更新サイクルも長いことから局所照明で15%、ベース照明で10%程度とみられ、LED化の進展が最も遅い分野である。

また、屋外照明では高出力照明が使用される。高出力製品のラインアップ拡充や価格の下落ペースは局所照明やベース照明と比較すると遅かったものの、普及率は25%程度と進展が早い。

次世代有望光源世界市場

有機EL光源、UV-LED、高付加価値・次世代LED、レーザー光源、自動車用ヘッドライト光源を対象とする。技術開発途上のものが多く、成長性が高い一方で市場の安定性は低い。

それぞれの光源の特長を活かした新しい用途の開拓が進んでおり、特にヘッドライトやテールランプなど自動車への採用と、光治療や殺菌、サーカディアン(概日)リズムへの影響などウェルネスさを訴求した展開などが期待される。

また、LED照明がコモディティ化していることから、高付加価値のLEDに対する関心も高まっており、高収益が期待できる次世代光源の開発機運は一層高まるとみられる。

◆調査対象

照明/次世代光源・アプリケーション

照明製品別 LED照明器具・ランプ (シーリングライト、光源一体型ベースライト・直管ランプ、高天井照明、管球ランプなど)、有機EL照明、電熱/放電灯器具・ランプ(白熱/ハロゲン/蛍光/HID/その他光源・器具)、DALIスレーブ(DALI用電源)
需要分野別 住宅照明、オフィス・ビル照明、店舗照明、施設照明、屋外照明
次世代有望光源・アプリケーション 有機EL光源/アプリケーション、UV-LED/アプリケーション、高付加価値・次世代LED、レーザー光源/アプリケーション、次世代自動車ヘッドライト、植物育成用光源/アプリケーション

照明制御・ソリューション・IoT化

照明制御・ソリューション

有線式制御ソリューション(ネットワーク系、ローカル系、DALI制御など)、無線式制御ソリューション

空間提案・演出ソリューション 建築化・空間演出ソリューション、景観・演出ライティングソリューション
光技術/ヒューマンセントリックライティング(HCL)ソリューション 可視光通信ソリューション、映像演出ソリューション、自然光採光ソリューション、ウェルネス照明ソリューション
照明IoTソリューション ホームIoT照明、ビルディングIoT照明
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※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/01/15
       
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