マーケット情報


IoTやAIなどを活用した高付加価値化が進む
国内の空調・熱源システム市場を調査

−2020年度市場予測(2016年度比)−
空調・熱源システム 1兆9,850億円(1.7%増)、アフターサービス 2,781億円(102.7%増)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、新しい技術やサービスの開発が進んでいる熱源機設備、空調機設備、熱搬送設備から構成される空調・熱源システムの国内市場を調査した。その結果を「需要分野別 空調・熱源システム市場の構造実態と将来展望 2018年版」にまとめた。

この調査では空調・熱源システムを設備・機器だけではなく、設計・施工・保守メンテナンスといったエンジニアリングも含め、産業施設、オフィスビル、業務施設、データセンター、住宅(全館空調システム)など需要分野別に9市場を調査・分析した。また需要分野別の設備・システムの特徴や違い、環境・省エネ施策や保守メンテナンスの対応状況、IoTやAIなどICT技術の採用によるアフターサービスの変化などを把握した。そのほか主要参入プレイヤー24社の企業事例をまとめるなど、空調・熱源システム市場を総括的に捉え、将来を展望した。

◆調査結果の概要

1.需要分野別空調・熱源システムの国内市場



空調・熱源システム市場は、「東京五輪」を控えて大都市圏のビル開発やインバウンド需要による宿泊施設などの新築案件が増加し、2020年度まで堅調に拡大するとみられる。

2020年度以降は、大都市圏におけるビルの新築案件の需要は一巡するものの、2010年代の後半から工期の遅れや施工単価の上昇で工事が先送りされていた大都市圏以外の受注持ち越し案件が再開することにより、新築需要が続く。2025年度以降は改修案件が中心となるが、省エネ対策だけではなく設備管理の省人化や居住空間の快適性を追及するため、AIやIoTを活用した空間の最適化や設備保全の省力化・自動化などの高付加価値提案が進み、次世代空調・熱源システムの普及本格化で市場は新たな局面を迎える。

オフィスビル分野は、2020年の「東京五輪」に向けて、東京を中心に建築に対する投資が活発になり、それに伴い空調・熱源システムの市場は拡大するとみられる。2020年度以降は新築数の落ち込みが懸念されるが、受注持ち越し案件の需要が再開することで、安定した市場を形成するものと予想される。

データセンター分野は、2018年度まで市場が拡大するが、2019年度は空調・熱源システムのリプレース期を迎えるデータセンターの数が減少するため、一時的に市場は落ち込むとみられる。現在、「東京五輪」に向けた工事の増加による人手不足から人件費が高騰しており、建設コストが上昇しているが、2020年度以降は落ち着き、2011年の建設ラッシュの際に建てられたデータセンターで採用されたPAC(パッケージエアコン)からセントラル空調への切り替え需要が高まるため、市場は大幅に拡大するとみられる。

住宅分野における全館空調システムは、設計段階で組み込む必要があるため新築時の搭載がほとんどである。全館空調は各ハウスメーカーが他社と差別化する機能として位置付けており、ヒートショック対策などで採用が増加している。普及が進むにつれ価格が下がり、2019年度は一時的に市場が落ち込むが、その後は堅調に拡大するとみられる。

2.空調・熱源システムにおけるアフターサービス市場

点検や補修、部品交換などを含めた定期保守サービス、サービスベンダーの監視センターなどによるクラウド・ASPでの遠隔監視サービス、点検・補修・部品交換・オーバーホールなどのスポット対応を対象とする。

定期的な保守サービスは、中央監視システムを持つセントラル方式の大規模施設や、設備の異常・停止が事業継続に大きく関わる産業施設や商業施設、コールドチェーン分野といった施設での活用が多い。設備の利用が長期に及ぶ傾向にある産業施設やコールドチェーンに分類される低温物流倉庫や冷凍加工施設は、熱源機のオーバーホールなど、ほかの需要分野と比較してアフターサービスの利用が多い。市場は設備監視の省人化・省力化ニーズの高まりやIoTの活用が活発になることを背景に、拡大するとみられる。

◆調査対象

需要分野編 産業施設、オフィスビル、商業施設、業務施設、データセンター、農業分野、コールドチェーン、コミュニティ分野(DHC・ESP)、住宅分野(全館空調システム)
空調・熱源システム関連事業者編 主要参入プレイヤー24社

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/01/30
       
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