マーケット情報


自動車、エレクトロニクス、建築などあらゆる分野において
必要不可欠な製品である粘・接着剤の市場を調査

−2022年国内市場予測(2016年比)−
変成シリコーン系接着剤 231億円(25.5%増)
エラストマー系ホットメルト接着剤 336億円(20.0%増)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、自動車、エレクトロニクス、建築、土木、包装、製本、紙加工、繊維、皮革、合板、木工などあらゆる分野において使用されている粘・接着剤の市場を調査した。その結果を「2018年 粘・接着剤市場の展望と注力用途分野動向」にまとめた。

この調査では、粘・接着剤を形態別主成分別に整理し、反応形9品目、溶剤形2品目、水性形4品目、縮合形3品目、ホットメルト9品目、感圧形2品目、シーリング材3品目の国内市場および世界市場について調査・分析した。また、今後の粘・接着剤市場における参入メーカーのグローバル展開や、用途分野別の市場動向も明らかにした。

◆注目市場(国内)

1.変成シリコーン系接着剤(変成シリコーン系弾性接着剤)

2017年見込
2016年比
2022年予測
2016年比
市場規模
193億円
104.9%
231億円
125.5%

変成シリコーンを主成分とする接着剤を対象とし、シリル化ウレタンを主成分とする接着剤は対象外とする。変成シリコーン系接着剤(変成シリコーン系弾性接着剤)は硬化後もゴム状の弾性を維持し、応力や熱による歪みを吸収する特性を持つ弾性接着剤である。被着体の幅が広く比較的どの材質にも接着しやすい。

2017年の市場は、193億円(2016年比104.9%)が見込まれる。主要用途分野は建築分野であり、外壁のタイルや建物の床材の接着に採用される。変成シリコーン系接着剤は、硬化後も剥がしやすく、余分に接着した部分を剥がすことができるためウレタン系接着剤に代わり需要が増加している。利便性の高さから建築分野での評価が高まっている。また、タイルのひび割れに対して強いため、タイル向けで販売が増加している。今後市場は建物のメンテナンス需要が増加し、安定した成長が続くとみられ、2022年には231億円(同125.5%)になると予測される。

2.エラストマー系ホットメルト接着剤

2017年見込
2016年比
2022年予測
2016年比
市場規模
288億円
102.9%
336億円
120.0%

エラストマー系ホットメルト接着剤は、主成分にスチレン系熱可塑性エラストマー(SIS、SBS、SEBS、SEPSなど)を用いたホットメルト接着剤である。ウレタン樹脂、紙などが接着性の良い材質として挙げられる。

2017年の市場は、288億円(2016年比102.9%)が見込まれる。エラストマー系ホットメルト接着剤は、接着層に弾性があり紙や不綿布、フィルムへの接着力に優れる。紙おむつなどの衛生材向けが主な用途となっており、近年は高齢化・介護需要の増加に伴って伸びている。また、中国を中心に品質の高い日本製の紙おむつの需要が増加していることも伸長要因となっている。そのほかの用途では、接着後も剥がしやすいという特性を生かし、補修時に剥離性が求められる自動車ランプシールで採用が伸びている。今後も紙おむつなどの衛生材向けの安定した増加が予想されることから、2022年に市場は336億円(同120.0%)になると予測される。

3.フェノール樹脂系接着剤

2017年見込
2016年比
2022年予測
2016年比
市場規模
144億円
102.9%
166億円
118.6%

フェノール樹脂系接着剤は、ホルマリンを縮合剤に使うホルマリン系木質用接着剤の一つである。国内では、合板用接着剤としてJAS特類に認定されている。木材、合成ゴム、皮革、紙、タイル・陶磁器などが接着性の良い材質として挙げられる。

2017年の市場は、144億円(2016年比102.9%)が見込まれる。フェノール樹脂系接着剤は、針葉樹の接着に適しており、杉や檜などの針葉樹を使用した合板の国内生産量の伸長によって需要は増加している。また、耐水性や耐久性に優れることから、ユリア樹脂系接着剤やメラミン樹脂系接着剤からの代替が進んでいる。床に木材が採用されるマンション向けの需要は安定している。また、木材使用率の高い学校や体育館向けで需要が増加している。今後は、住宅着工件数が減少するとみられるが、国産針葉樹を使用した合板生産量の増加とともに市場は拡大していくとみられ、2022年には166億円(同118.6%)になると予測される。

◆調査結果の概要

粘・接着剤国内市場

2017年見込
2016年比
2022年予測
2016年比
反応形
1,041億円
102.1%
1,126億円
110.4%
溶剤形
130億円
98.5%
133億円
100.8%
水性形
666億円
100.3%
674億円
101.5%
ホットメルト
608億円
100.7%
654億円
108.3%
感圧形
356億円
100.3%
359億円
101.1%
シーリング材
788億円
101.5%
834億円
107.5%
合 計
3,589億円
101.1%
3,780億円
106.4%

※縮合形は水性形とした

2017年の市場は、3,589億円(2016年比101.1%)が見込まれる。反応形、ホットメルト、シーリング材が市場拡大をけん引しており、今後も、これらの形態は成長が期待されることから、2022年には、3,780億円(同106.4%)になると予測される。

反応形は、変成シリコーン系接着剤が2020年までは、年率4〜5%の成長が予測され、2020年以降も建物のメンテナンス需要の増加によって伸びると予想される。また、シリコーン系接着剤が自動車向けで需要を獲得しており、伸びると予想される。要因としては、自動車の電装化の進展やハイブリッド自動車や電気自動車の生産拡大が挙げられる。

ホットメルトは、メタロセンPO系ホットメルト接着剤がダンボール封函用途でEVA樹脂系ホットメルト接着剤からの代替が進み伸びている。現在は大手ユーザーが中心であるが、今後は中小規模のユーザーでも代替が進むとみられ伸びが予想される。また、エラストマー系ホットメルト接着剤が、近年の高齢化・介護需要の増加によって紙おむつ向けを中心に伸長していくと予想される。

シーリング材では、シリコーン系シーリング材は戸建住宅向けが微増となっているほか、オフィスビルやマンション向けが堅調である。今後は、公共施設などで改修工事を含めた需要が増加するとみられ伸びが予想される。

◆調査対象

分野
品目
反応形 シアノアクリレート系接着剤(瞬間接着剤)、シリコーン系接着剤、変成シリコーン系接着剤(変成シリコーン系弾性接着剤)、ウレタン樹脂系接着剤 、エポキシ樹脂系接着剤、第2世代アクリル系接着剤(SGA)、紫外線硬化形接着剤、嫌気性接着剤、シリル化ウレタン系接着剤(シリル化ウレタン系弾性接着剤)
溶剤形 CR系溶剤形接着剤、非晶性ポリエステル樹脂
水性形 アクリル樹脂系エマルジョン形接着剤、EVA樹脂系エマルジョン形接着剤、酢酸ビニル系エマルジョン形接着剤、水性高分子‐イソシアネート系接着剤
縮合形 ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤
ホットメルト ウレタン樹脂系反応型ホットメルト接着剤、エラストマー系ホットメルト接着剤、オレフィン系ホットメルト接着剤、メタロセンPO系ホットメルト接着剤、ブチルゴム系ホットメルト接着剤、EVA樹脂系ホットメルト接着剤、ポリエステル系ホットメルト接着剤、ポリアミド系ホットメルト接着剤、フィルム状ホットメルト接着剤
感圧形 アクリル樹脂系溶剤形粘着剤、アクリル樹脂系エマルジョン形粘着剤
シーリング材 シリコーン系シーリング材、変成シリコーン系シーリング材、ポリウレタン系シーリング材

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/02/15
       
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