マーケット情報


国内の防災食品※市場を調査

−国内防災食品市場−
備蓄需要の増加、賞味期限による買い替えなどにより2016年は189億円
2016年以来の買い替え時期となる2021年は195億円


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、大規模自然災害の続発を受けて災害リスクに備える動きが高まり、新規参入も相次いだ防災食品の国内市場を調査した。その結果を「2018 防災食品のマーケット分析と将来性予測」にまとめた。

この調査では、米飯類、保存水、パン・乾パン、クラッカー・ビスケット類、惣菜類、菓子・甘味類、飲料、汁物・スープ類といった8カテゴリーの防災食品市場を分析すると共に、業務向け、家庭向けの市場も分析することで、今後の防災食品市場を展望した。

※備蓄を想定し、通常の商品よりも長期保存できる点を訴求している食品で、ガスや火を使わず、水や湯を使って、あるいはそのままで食べられるものを対象とする。なお、国内生産商品とし、輸入品がメインのサバイバルフーズは対象外とする。

◆調査結果の概要

国内防災食品市場



これまで1995年の阪神・淡路大震災をきっかけとした自治体などによる防災計画の強化、2005年のBCPガイドラインの策定、2007年の消防法改正、2011年の東日本大震災、2013年の主要都市における帰宅困難者対策条例の施行などが市場拡大に寄与してきた。特に、東日本大震災後の2012年に市場は危機感の高まりにより前年比17.2%増と一時的に拡大し、150億円となった。その後、危機感の高まりによる需要増は収束したが、国や自治体、企業ともに備蓄計画の拡大は続いている。

2016年は備蓄計画拡大による備蓄需要の増加に加え、賞味期限切れによる買い替え需要、また、防災食品メーカーや商社による新型インフルエンザや食中毒対策などに向けた備蓄提案が始まり、市場は前年比36.0%増と大幅に拡大し、189億円となった。その後買い替え需要は一段落するが、備蓄計画拡大による備蓄需要の増加や自然災害以外の危機に対する備蓄提案なども進み、2021年には備蓄率も高まっており、次の買い替え時期となることなどから2016年を上回る需要が期待され、市場は195億円が予測される。一方で、「東京五輪」以降はビルやインフラの建設が減少すること、地方では人口減少が加速することで自治体の防災予算が縮小する可能性もあるため、中小企業や様々な施設の需要を開拓していく必要がある。

1.食品カテゴリー別内訳

2017年(見込)市場において、米飯類が39%、パン・乾パンが18%、保存水が16%、クラッカー・ビスケット類が12%、その他が15%となる。以前は備蓄食品と言えば乾パンであったが、阪神・淡路大震災以降はアルファ化米、熊本地震以降はパンや菓子類への需要が高まっている。被災時こそ美味しいもの、温かいもの、日常の食事に近いものが求められており、防災食品メニューの幅はますます広がるとみられる。

米飯類ではアルファ化米が市場の大半を占めているが、即食性の面ではおかゆが勝るほか、おにぎりは片手で食べられることから支持を高めている。パンでは容器が缶からパウチなどにシフトしている。また、団体ユーザーによっては “アレルギー対応食品” を入札条件とするところも見られることから、各食品カテゴリーでアレルギー対応食品の投入が予想されるなど、今後も付加価値化や機能性の向上が進むとみられる。

2.チャネル別内訳

2017年(見込)市場において、業務向けが81%、家庭向けが19%となる。都内でも条例に沿って備蓄している企業は未だ半数にも満たないと言われており、潜在需要は大きいとみられる。BCPの必要性の認知がさらに高まることで、業務向けの防災食品需要は今後も増加すると予想される。

家庭でも防災意識が高まっており、東日本大震災前と比較すると備蓄する家庭は増加したものの、2012年以降小売での露出が落ち着くと購入が減少し、災害が発生するとリマインドされる傾向にある。試食がてらの単品買いや通販や生協で定期的な購入も見られるが、限られている。

◆調査対象

食品カテゴリー 米飯類、クラッカー・ビスケット類、飲料、保存水、惣菜類、汁物・スープ類、パン・乾パン、菓子・甘味類
チャネル 業務向け(9分類)、家庭向け(9分類)

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/03/01
       
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