マーケット情報


果実飲料、炭酸飲料、乳性飲料、嗜好品などの市場を調査

−国内加工食品 市場調査(6)−
トマト飲料 526億円(92.0%増)、甘酒 323億円(81.5%増)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、国内加工食品の市場調査を毎年行っており、昨年で50年目を迎えた。長年積み重ねてきたフィールドリサーチのノウハウとデータをベースに昨年8月より27カテゴリー411品目の市場調査を開始している。調査は6回に分けて行い、第6回目となる今回の調査は果実飲料、炭酸飲料、乳性飲料、嗜好飲料、健康飲料、その他飲料、嗜好品の7カテゴリー72品目の市場を分析した。

その結果を「2018年 食品マーケティング便覧 No.6」にまとめた。なお、6回の調査終了後はそれぞれの調査結果を総括して分析する。

◆注目市場

1.トマト飲料

2017年見込
2016年比
2022年予測
2016年比
市場規模
366億円
133.6%
526億円
192.0%

2016年は、カゴメが健康機能をパッケージで訴求した「カゴメトマトジュース スマートPET」など4品を機能性表示食品としてリニューアル発売した。これにより、トマト飲料の健康的価値が明確となり他社商品も含め需要が急増するなど、4年ぶりに市場は拡大した。2017年は、TV番組などでトマトの健康性が取り上げられる頻度が増加し、需要喚起が進んでいる。また、新たにサントリー食品インターナショナルが参入し、さらに市場が活性化していることから、366億円(2016年比133.6%)が見込まれる。今後は、健康志向ユーザーのさらなる需要獲得や既存ユーザーの飲用頻度の上昇が予想され、市場は拡大していくとみられる。

2.甘酒

2017年見込
2016年比
2022年予測
2016年比
市場規模
240億円
134.8%
323億円
181.5%

甘酒は、熱中症予防やTV番組などの特集により健康効果の認知度が向上していることから伸長を続けている。2016年は、前年に引き続き美容・健康効果が各メディアで取り上げられたことから、女性を中心に需要を獲得したほか、夏場の熱中症予防として「冷やし甘酒」の需要が増加し、市場は拡大した。2017年初頭は、高まる需要に供給が追いつかないケースがみられた。春以降、需要は落ち着いたが、新商品の投入や新規参入が相次ぎ、また、夏場の需要増加や通年商材が拡充され、市場は240億円(2016年比134.8%)が見込まれる。今後は、美容・健康効果のさらなる認知度向上や店頭における取扱商品の増加が予想されることから市場は拡大していくとみられる。

3.無糖炭酸飲料

2017年見込
2016年比
2022年予測
2016年比
市場規模
427億円
118.6%
535億円
148.6%

無糖炭酸飲料は、元々カクテルや焼酎の割り材として市場が形成された。2008年にサントリー酒類(現:サントリースピリッツ)が"ハイボール"のプロモーション展開を行い、ウイスキーの割り材としての需要が増加し、それ以降市場は拡大を続けている。また、アサヒ飲料が「ウィルキンソン タンサン」を発売し、直接飲料としての需要が増加したことも市場拡大が続いている要因になっている。2016年は、引き続き直接飲料としての需要が増加したことや、"強炭酸"や"ドライ"などを切り口とした商品が需要を獲得し、市場は拡大した。また、外食店において"ハイボール"メニューが定着し飲用が増加したことも市場の拡大に寄与した。2017年の市場は、上位メーカーで商品のリニューアルやフレーバーを追加する動きがみられるなど活性化しており、427億円(2016年比118.6%)が見込まれる。今後も成長市場として各メーカーが注力していくことで、多様な取り組みが期待され、市場は拡大していくとみられる。

4.ドリンクヨーグルト

2017年見込
2016年比
2022年予測
2016年比
市場規模
1,767億円
108.6%
2,090億円
128.5%

ドリンクヨーグルトは、メディア報道の影響や機能性表示食品の登場により伸長を続けている。2016年は、各メーカーの機能性表示食品への注力度の上昇や明治の「明治プロビオヨーグルト R-1 ドリンクタイプ」シリーズの続伸に加え、前年に機能性表示食品としてリニューアル発売した雪印メグミルクの「恵 megumi ガセリ菌 SP 株ヨーグルト ドリンクタイプ」が大幅に売上を伸ばしたことで市場は拡大した。2017年は、前年に引き続き「明治プロビオヨーグルト R-1 ドリンクタイプ」や「恵 megumi ガセリ菌 SP 株ヨーグルト ドリンクタイプ」「恵 megumi ビフィズス菌 SP 株ヨーグルト ドリンクタイプ」が好調であり、市場は1,767億円(2016年比108.6%)が見込まれる。今後は、商品の機能性を含めた商品認知度の向上や固形タイプのヨーグルトからの需要流入が予想されることから市場は拡大していくとみられる。

◆調査結果の概要

2017年見込
2016年比
2022年予測
2016年比
果実飲料
4,882億円
101.7%
5,110億円
106.4%
炭酸飲料
5,527億円
99.8%
5,445億円
98.3%
乳性飲料
1兆1,798億円
100.7%
1兆1,710億円
100.0%
嗜好飲料
1兆9,208億円
100.2%
1兆8,719億円
97.7%
健康飲料
7,887億円
102.4%
8,165億円
106.1%
その他飲料
3,692億円
98.9%
3,810億円
102.1%
嗜好品
9,272億円
101.0%
9,332億円
101.7%

1.果実飲料

拡大が見込まれる。果汁飲料は、プリズマ容器を採用した機能性訴求飲料が好調である。野菜系では、トマト飲料の健康的価値が明確となり、需要が急増している。野菜飲料は手軽に野菜を摂取できる点が、再認識されており、需要は増加している。野菜入混合果汁飲料はスムージー商品が好調である。一方、100%果汁飲料は、果実の原料価格高騰により、大容量タイプを終売する企業が相次いだことで縮小している。

2.炭酸飲料

縮小が見込まれる。無糖炭酸飲料は伸長しているものの、他の炭酸飲料は、健康ニーズに対応すべくトクホや機能性表示食品のラインアップを増やしているが、レギュラー商品の苦戦や商品絞込みが行われており、市場は前年割れが見込まれる。

3.乳性飲料

ドリンクヨーグルトが機能性商品を中心に消費者の健康志向や簡便ニーズを捉え、伸びている。また、ドリンクヨーグルトの伸長に伴い、乳酸菌への注目が集まったことで乳製品乳酸菌飲料も好調で、乳性飲料の拡大をけん引している。

4.嗜好飲料

サントリー食品インターナショナルの「クラフトボス」のヒットにより、リキッドコーヒーが伸長しているほか、上位ブランドを中心に好調な日本茶(リキッドタイプ)や麦茶(リキッドタイプ)の伸長によって、微増が見込まれる。

5.健康飲料

エナジードリンクを筆頭とした食系ドリンクや、パウチゼリー飲料、健康サポート飲料が栄養補給を目的としたニーズを獲得し好調であり、拡大が見込まれる。

6.その他飲料

希釈飲料が、アサヒ飲料「カルピス」が健康飲料としてのブランド価値向上や飲料にとどまらないメニュー提案が奏功しており、伸長している。一方、国産ミネラルウォーター類は、パーソナルサイズがフレーバー展開で好調であるが、大容量タイプで店頭価格の是正が行われていることから、一時的なマイナスに転じると見込まれる。

7.嗜好品

拡大が見込まれる。コーヒーは本格的な品質を好むユーザーに対し、シーン別で飲み分けるユーザーも存在し、簡便性を備えた簡易抽出型コーヒーやスティックタイプコーヒーが需要を伸ばしている。緑茶は、緑茶ティーバッグ、粉末緑茶・市販用が伸びているが、緑茶リーフが減少しており縮小している。甘酒は、メディアで取り上げられ、美容・健康効果が広く認知されたことから、女性を中心とした需要が増加しており大きく拡大している。

◆調査対象

果実飲料 100%果実飲料、果汁飲料、低果汁入清涼飲料、果肉飲料、果粒含有果実飲料、トマト飲料、野菜飲料、野菜入混合果汁飲料
炭酸飲料 コーラフレーバー飲料、透明炭酸飲料、シャンパン風炭酸飲料、果実着色炭酸飲料、ジンジャーエール、乳類入炭酸飲料、果汁入炭酸飲料、無糖炭酸飲料
乳性飲料 飲用牛乳、低温殺菌牛乳、乳飲料、ローファット飲料、乳製品乳酸菌飲料、乳酸菌飲料、ドリンクヨーグルト、殺菌乳製品乳酸菌飲料(コンク)、殺菌乳製品乳酸菌飲料(ストレート)、乳類入清涼飲料
嗜好飲料 缶コーヒー、リキッドコーヒー、紅茶(リキッドタイプ)、ウーロン茶(リキッドタイプ)、日本茶(リキッドタイプ)、麦茶(リキッドタイプ)、ブレンドティ、その他ティードリンク、ゼリー飲料、ココアドリンク、缶入しるこ
健康飲料 食系ドリンク、薬系ドリンク(医薬部外品)、健康サポート飲料、パウチゼリー飲料、機能性清涼飲料、スポーツドリンク、粉末機能性清涼飲料・スポーツドリンク、豆乳類、ビネガードリンク(ストレート)、ビネガードリンク(コンク・市販用)、麦芽ドリンク
その他飲料 国産ミネラルウォーター類、輸入ミネラルウォーター類、サワードリンク、トニックウォーター、希釈飲料、乳幼児向け飲料
嗜好品 レギュラーコーヒー、簡易抽出型コーヒー、ポーションコーヒー、インスタントコーヒー、スティックタイプコーヒー、インスタントティー、ココア、スティックタイププレミックス飲料、紅茶(ティーバッグ・リーフ)、緑茶、緑茶ティーバッグ、粉末緑茶・市販用、麦茶、その他茶、健康茶・市販用、甘酒、粉末飲料、青汁

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/03/20
       
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