マーケット情報


政府目標の達成に向けて置換えが進む
ジェネリック医薬品の国内市場を調査

−2021年市場予測(2017年見込比)−
ジェネリック医薬品 1兆2,233億円(26.9%増)、バイオシミラー 646億円(4.2倍) 、
オーソライズドジェネリック 1,605億円(2.2倍)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、政府目標として掲げられた、2020年度末までのジェネリック医薬品への数量置換え率80%超の達成に向けて、参入メーカーの積極的な取り組みが進む、ジェネリック医薬品の国内市場を調査した。その結果を「2018 ジェネリック医薬品・バイオシミラーデータブック No.2」にまとめた。

この調査では、ジェネリック医薬品(診療報酬点数表の後発医薬品に属するもの)と、長期収載品の国内市場を32の薬効領域に分けて調査した。加えて、今後大幅な拡大が予想されるバイオシミラー、オーソライズドジェネリックの市場についても整理した。

◆調査結果の概要 ※市場はメーカー出荷ベース

1.ジェネリック医薬品国内市場



2016年は、薬価改定により市場規模の大きい高血圧症治療剤や抗がん剤などの上位製品で薬価引き下げがあったため伸び率はやや鈍化したものの、市場は前年比6.0%増の8,897億円となった。2017年も順調に市場は拡大し、前年比8.4%増が見込まれる。現状でジェネリック医薬品の構成比が高いのは、消毒剤(含嗽剤含む)・皮膚潰瘍治療剤、上部消化管疾患治療剤、抗ウイルス剤、その他呼吸器疾患治療剤、抗生物質などである。

政府は、2020年度末までにジェネリック医薬品への置換え率80%超(数量ベース)を目標として掲げている。2018年4月の診療報酬改定では、ジェネリック医薬品の置換え率に対する加算が、調剤薬局や病院・診療所の院内・外来共に引き上げられるなど、政策の後押しもあり市場は拡大を続け、2021年の市場は2017年見込比26.9%増の1兆2,233億円が予測される。

【注目薬効領域のジェネリック医薬品市場】

2017年見込
治療剤全体に
おける割合
2021年予測
治療剤全体に
おける割合
高血圧症治療剤
1,433億円
23.1%
2,063億円
41.4%
上部消化管疾患
治療剤
910億円
29.9%
942億円
35.3%
その他呼吸器疾患
治療剤
120億円
28.7%
143億円
52.7%
抗うつ剤
57億円
4.0%
170億円
12.6%

高血圧症治療剤は、生活習慣病領域に属することや、内服薬が主体であることから、ジェネリック医薬品への置換えが進みやすく、展開している企業の注力度の高さもあって伸びている。今後は、オルメサルタンやテルミサルタンなどを成分としたジェネリック医薬品への置換えが進むため、高血圧症治療剤全体におけるジェネリック医薬品の割合が大幅に高まるとみられる。

上部消化管疾患治療剤は、ジェネリック医薬品が発売されてから長期経過しているため、置換えが進んでいる。政府の置換え目標による後押しや、2020年頃に「ネキシウム」(第一三共)のジェネリック医薬品が発売されることにより、さらに上部消化管疾患治療剤全体におけるジェネリック医薬品の割合は高まるとみられる。

市場規模は比較的小さいものの、その他呼吸器疾患治療剤は、上位品でジェネリック医薬品への置換えが進んでいるため、2021年にはその他呼吸器疾患治療剤全体におけるジェネリック医薬品の割合は50%を超えるとみられる。抗うつ剤は、ジェネリック医薬品に置換えが進みにくい領域であるものの、2020年頃に「サインバルタ」(日本イーライリリー)や「レクサプロ」(持田製薬、田辺三菱製薬)などの大型品の特許切れが予想され、抗うつ剤全体におけるジェネリック医薬品の割合は高まるとみられる。

2.長期収載品国内市場

2017年見込
2021年予測
2017年見込比
市場規模
1兆9,654億円
2兆2,510億円
114.5%

市場は、ジェネリック医薬品への置換えや、薬価改定、新薬への処方シフトにより縮小しており、2017年は前年比4.4%減が見込まれる。今後、大型品の特許切れなどがあるため、2019年以降は市場拡大が予想される。

3.バイオシミラー国内市場



バイオシミラーとして承認された薬剤と、バイオシミラーとして開発を進めている開発品を対象とした。現状の市場は小規模であるが、今後、大手メーカーの積極的な参入により、大幅な拡大が予想される。

比較的早い時期に市場投入されたエポエチンアルファやフィルグラスチムを成分とした製品が一定の実績を築いている。また、インスリングラルギンを成分とした製品は、日本イーライリリーが新薬と合わせたプロモーション活動を進めたことにより2016年に大きく伸びた。また、インフリキシマブを成分とした製品は、日本化薬に続いて日医工、あゆみ製薬が参入しており、DPC施設を中心に実績を伸ばしている。2018年は関節リウマチ治療剤のエタネルセプト、抗がん剤のトラスツズマブやリツキシマブを成分とした製品が市場投入されるとみられる。

協和発酵キリンが子会社を設立しバイオシミラーへの本格参入をするように、各社が本格的にバイオシミラー事業を進めており、製品ラインアップも充実するため、2021年の市場は2017年見込比4.2倍の646億円が予測される。

4.オーソライズドジェネリック国内市場



オーソライズドジェネリックは、オリジンを保有する企業から許諾を受けたジェネリック医薬品である。市場は既に発売済みまたは発売予定を公表しているオーソライズドジェネリックを対象とした。

オーソライズドジェネリックについて戦略的に取り組む医薬品メーカーが増加しているため、2021年には2017年見込比2.2倍の1,605億円が予測される。

領域別では、高血圧症治療剤の実績が大きく、2017年の市場は300億円を突破すると見込まれる。11成分で発売されていることに加え、オリジンの実績が大きいことや、2017年に新たな製品が発売されたこともあり、今後の伸びが期待される。2016年に喘息・COPD治療剤の大型品、2017年に脂質異常症治療剤の大型品でオーソライズドジェネリックが発売されており、それぞれの薬効領域が大きく伸びている。また、抗アレルギー剤は、2018年に大型品が発売される予定であるため、今後の伸びが予想される。

◆調査対象

薬効領域 高血圧症治療剤、その他循環器官用剤・脳疾患治療剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗うつ剤、統合失調症治療剤、その他精神神経疾患治療剤、上部消化管疾患治療剤、その他消化管用剤、抗アレルギー剤、片頭痛治療剤、喘息・COPD治療剤、その他呼吸器疾患治療剤、脂質異常症治療剤、糖尿病治療剤、痛風・高尿酸血症治療剤、解熱消炎鎮痛剤(外用剤含む)、抗がん剤(がん関連用剤含む)、体内診断薬、麻酔・筋弛緩剤、婦人科・産婦人科疾患治療剤、変形性関節症治療剤・関節リウマチ治療剤(生物学的製剤除く)、骨粗鬆症治療剤、消毒剤(含嗽剤含む)・皮膚潰瘍治療剤、泌尿器疾患治療剤・腎疾患治療剤・透析治療剤、栄養剤、ビタミン剤、輸液、眼科用剤、免疫抑制剤、認知症治療剤、皮脂欠乏症治療剤・皮膚軟化剤、自由診療領域(脱毛症・睫毛貧毛症治療剤、性機能改善剤、経口避妊薬)
バイオシミラー ヒト成長ホルモン剤、エリスロポエチン製剤、CSF、関節リウマチ治療剤(生物学的製剤)、抗がん剤
オーソライズドジェネリック 高血圧症治療剤、その他循環器官用剤・脳疾患治療剤、抗アレルギー剤、喘息・COPD治療剤、抗生物質、栄養剤、ビタミン剤、輸液、抗ウイルス剤、抗がん剤(がん関連用剤含む)
剤型別 径口剤(錠剤、口腔内崩壊錠、カプセル剤、その他径口剤)、注射剤、貼付剤、その他製剤

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/04/03
       
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