マーケット情報


ヘルスクレームを活用した展開で店頭での存在感が増している
機能性表示食品、特定保健用食品(トクホ)などの国内市場を調査

−2018年市場予測(2017年見込比)−
保健機能食品市場 7,115億円(5.4%増)、機能性表示食品 1,975億円 (15.1%増)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、2017年9月から4回に分けて、健康(Health)や美容(Beauty)に良いというコンセプトをもった商品をH・Bフーズとして、その市場を調査している。その第3回目として、機能性表示食品、特定保健用食品、栄養機能食品で構成される保健機能食品について、各訴求効能別(生活習慣病予防、ダイエット、美肌効果など)、成分別種類別に調査・分析した。

その結果を「H・Bフーズマーケティング便覧 2018 No.3 機能性表示別市場分析編」にまとめた。また、第4回目では第1回目から第3回目までの調査結果を基に全体市場の総括分析を行う。

◆調査結果の概要

1.保健機能食品市場(機能性表示食品、特定保健用食品、栄養機能食品)



保健機能食品は特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品で構成される。機能性表示食品が拡大をけん引しており、2018年の市場は前年比5.4%増の7,115億円が予測される。

機能性表示食品は、2015年は各企業による商品投入が少なかったものの、2016年は各企業の注力度が高まり商品投入が活発化し、飲料を中心にヘルスクレームを活用した店頭でのコーナー化も目立つようになった。特定保健用食品にはないヘルスクレームや、よりストレートな表現でアピールする商品が生活習慣病予防やダイエットを中心に増えていること、また、類似するヘルスクレーム商品では特定保健用食品からの需要流入がみられることなどから、今後も機能性表示食品の伸びが予想される。

特定保健用食品は、メタボ対策として生活習慣病予防を訴求する商品が市場をけん引している。保健機能食品市場の約60%を占めるが(2016年)、機能性表示食品への需要流出もみられ構成比は縮小している。

栄養機能食品は基礎ビタミン・ミネラルを訴求した健康食品・シリーズサプリメントが中心であるが、近年は、上位企業が販売を促進しているドリンク類の伸びが大きく、堅調に拡大する市場をけん引している。

チャネル別にみると、量販店の構成比が大きく約30%を占める。機能性表示食品の登場に伴い、ヘルスクレームによる差別化を進めた店頭陳列が広がったことが奏功し伸びている。CVSも機能性表示食品の登場に伴い堅調に伸びているが、ヘルスクレームを打ち出した棚作りを進める際には、店舗スペースが限られる中では取り扱うヘルスクレームを絞り込む必要があるため、棚の拡充に苦戦している面もみられる。通信販売は、機能性表示食品を取得した健康食品・シリーズサプリメントを中心に伸びている。

2.機能性表示食品の国内市場



2016年は、主力のヨーグルト関連商品の躍進や、健康食品の通販大手企業を中心とした積極的な展開、チョコレートなど新たな品目での商品投入もあり、市場は前年比3.7倍の1,109億円となった。

2017年は、ヨーグルト関連商品の好調が続いていることや、ドリンク類ではコカ・コーラシステムが大型商品を相次いで投入、シリーズサプリメントではサントリーウエルネスが参入したことなどにより伸びている。また、特定保健用食品との競合が懸念されていた清涼飲料でも「カラダカルピス」(アサヒ飲料)がヒット商品となるなど、特定保健用食品よりもストレートな訴求表現やより購入しやすい価格戦略によって需要を獲得しており、市場は前年比54.7%増の1,716億円が見込まれる。

2018年も、明らか食品、ドリンク類、健康食品・シリーズサプリメントそれぞれが伸びるとみられ、市場は前年比15.1%増の1,975億円が予測される。

訴求効能別では、生活習慣病予防が約40%を占めている(2016年)。健康維持増進に関連が深いことや、脂肪低減など需要が高い表示を活用した商品開発が活発であることから、今後も伸びが期待される。整腸効果も構成比が高い。従来は"便通改善"が中心だったが、2017年頃から"腸活"と関連させた"整腸"を表示する商品が増えている。ダイエットは、脂肪低減関連を表示した商品投入が相次ぎ、伸びが続いている。骨・関節サポートは、サントリーウエルネスの参入により2017年から2018年にかけて大幅な伸びが予想される。

3.特定保健用食品の国内市場

2017年見込
前年比
2018年予測
前年比
明らか食品
1,144億円
99.3%
1,150億円
100.5%
ドリンク類
2,606億円
101.0%
2,650億円
101.7%
健康食品・
シリーズサプリメント
100億円
87.7%
104億円
104.0%
合 計
3,849億円
100.1%
3,904億円
101.4%

2016年は、一部商品の表示許可の取り消しなどの問題があったものの、「伊右衛門 特茶」(サントリー食品インターナショナル)、「アサヒ 食事と一緒に十六茶W」(アサヒ飲料)、「からだすこやか茶W」(コカ・コーラシステム)などが引き続き好調だったことにより、市場は前年比1.7%増の3,845億円となった。

2017年は、一部商品の表示許可取り消しの影響や、8月の天候不順や機能性表示食品への需要流出によって「伊右衛門 特茶」の実績が減少するなどのマイナス要因があったものの、「コカ・コーラ プラス」「スプライト エクストラ」(共にコカ・コーラシステム)の発売による底上げもあり、市場は前年比0.1%増の3,849億円が見込まれる。2018年はドリンク類の伸びにより前年比1.4%増が予測される。

ドリンク類が70%弱を占めており、生活習慣病予防や整腸効果を訴求した商品が需要を獲得している。また、明らか食品では整腸効果を訴求したヨーグルトや、虫歯予防を訴求したガムなどが好調である。

◆注目市場

1.生活習慣病予防

2017年見込
前年比
2018年予測
前年比
機能性表示食品
679億円
168.9%
754億円
111.0%
特定保健用食品
1,707億円
99.1%
1,732億円
101.5%
栄養機能食品
35億円
102.9%
35億円
100.0%
合 計
2,421億円
112.1%
2,521億円
104.1%

メタボリックシンドロームや糖尿病、高コレステロールなどの生活習慣病予防を目的に、特に疾患につながりやすい脂肪に対するヘルスクレームを活用した商品の構成比が高い。近年はダイエットを目的とした需要も取り込んでいる。

特に、 機能性表示食品の伸びが大きい。2015年の制度開始以降、「恵 megumi ガセリ菌SP株」シリーズ(雪印メグミルク)や「カゴメトマトジュース」(カゴメ)の継続的な伸び、及び新商品の発売が相次いでいることもあり、2017年には前年比68.9%増が見込まれる。今後も商品数の増加によって伸びが期待される。

特定保健用食品は2015年には約90%の構成比を占めていたが、機能性表示食品への需要流出もあり、構成比は縮小している。上位ブランドが苦戦していることもあり、2017年は前年割れとなり、構成比も70%程度に縮小すると見込まれる。 しかし、コカ・コーラシステムから2017年に新商品が発売されたほか、雪印メグミルクが「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト」を特定保健用食品として再発売するなど注力している企業もみられ、2018年は前年比1.5%増が予測される。

栄養機能食品は、新商品の投入もみられず、参入企業の注力度も低く横ばいが予想される。

2.骨・関節サポート

2017年見込
前年比
2018年予測
前年比
機能性表示食品
227億円
189.2%
302億円
133.0%
特定保健用食品
244億円
104.3%
250億円
102.5%
栄養機能食品
107億円
98.2%
108億円
100.9%
合 計
578億円
124.8%
660億円
114.2%

特定保健用食品による骨強化訴求に加えて、機能性表示食品の登場に伴い、膝・関節といった特定部位の訴求によりヘルスクレームの種類が増えたことから、市場は拡大している。

特に、機能性表示食品は、サントリーウエルネスの参入などもあり、健康食品・シリーズサプリメントを中心に商品ラインアップが拡充したことで、大きく伸びている。

特定保健用食品は、疾病リスク低減表示の"骨粗鬆症になるリスクを低減"を表示可能な商品などが好調で、今後も需要増加が予想される。

今後は、高齢者人口の増加に伴うロコモ対策や、女性をターゲットにした骨粗鬆症対策による需要増加が期待される。 特に、特定保健用食品のヘルスクレームがこれらの需要の顕在化につながっており、骨密度の向上を訴求する商品の需要増加が続くとみられる。また、機能性表示食品では骨・関節を支える筋肉に関する訴求により、需要開拓が期待される。

◆調査対象

保健機能食品別 機能性表示食品、特定保健用食品、栄養機能食品
訴求効能別 滋養・強壮、血行促進、虫歯予防 、肝機能改善、免疫賦活作用、アイケア、美肌効果、栄養バランス、マルチバランス、整腸効果、骨・関節サポート、リラックス、ダイエット、貧血予防・改善、グリーンチャージ、生活習慣病予防、喉の不快感除去
企業事例 20社

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/05/15
       
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