マーケット情報


太陽電池関連技術・注目ビジネス市場を調査

−2030年度国内市場予測(2017年度比)−
注目ビジネス:PPAモデル 823億円(411.5倍)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、温室効果ガスの排出抑制に向け世界各国で普及が進む、太陽電池および太陽光発電関連市場を調査した。その結果を「2018年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」にまとめた。

この調査では川上から川下までの一連のバリューチェーンや、太陽光発電に関連するビジネスを俯瞰的に捉え、製造技術の確立状況や部材、原材料の供給体制、太陽電池および周辺機器の需給バランスなどを複眼的に分析した。世界市場調査では太陽光発電システム、太陽電池および関連機器、部材・原料など12品目、国内市場調査では太陽光発電システム、太陽電池、関連機器に加え、関連サービスなど12品目について現状分析と、将来予測を実施した。なお、世界市場は年次(年)、国内市場は年度で算出している。

◆調査結果の概要

1.太陽電池(世界市場)



結晶シリコン(単結晶、多結晶)、薄膜シリコン、CI(G)S、CdTeを対象とする。市場は2014年以降、中国、米国、日本の3か国がけん引してきたが、モジュール価格の下落によって太陽光発電の導入ハードルが低くなり、需要地は新興国を含め世界各地に広がっている。2017年は、中国が突出した導入量を達成したこともあり、出力ベースでは初めて100GW(100,000MW)を突破した。参入企業の多くは、中国の需要が落ち着くことを予想しつつも、設備増強の計画を進めている。今後金額ベースでは縮小が予想されるが、出力ベースでは低価格化が需要を喚起し拡大が予想される。

2.太陽電池(国内市場)



2017年度は、改正FIT法の施行に伴う認定の遅れや施工・販売側で法改正の対応に追われるなどの混乱が生じた。その影響を工期が短い住宅用や低圧用が受け、市場は縮小した。2018年度以降市場は、6,000から7,000MWで推移すると予想される。脱FITに向け自家消費を促進する動きが、今後の市場を左右するとみられる。

◆注目ビジネス(国内市場)

1.PPAモデル

2018年度見込
2017年度比
2030年度予測
2017年度比
市場規模
12億円
6.0倍
823億円
411.5倍

太陽光発電設備を用いた電力小売事業である“PPA(Power Purchase Agreement)”を対象とする。一般的には、建物所有者は現金または割賦で太陽光発電設備を導入するが、PPAモデルではPPA事業者が第三者から資金調達し、建物所有者の屋根上に太陽光発電システムを設置する。契約期間後、あるいは買電が一定ラインに達した後は、設備は建物所有者に無償譲渡される。

市場は、2017年度に本格的に立ち上がった。初期投資を事業者側が負担するため建物の選別が重要となる。多くは新築、既築であっても築年数の浅い建物が適用される。FIT制度のない米国で普及した事業モデルのため、FIT価格に左右されにくい側面を持つと考えられ、今後の普及が期待される。ただし現状では、FIT売電を前提としたものが多く、いかに太陽光発電の導入コストを下げていくかが市場の動向を左右するとみられる。

2.O&Mサービス(累計)

2018年度見込
2017年度比
2030年度予測
2017年度比
市場規模
567億円
118.1%
1,225億円
2.6倍

太陽光発電システムが稼動した後に運営・保守などを提供する非住宅向けのサービスを対象とする。サービス内容は発電量の管理から法定点検、緊急時の電気工事対応、草刈りや太陽電池モジュールの洗浄といった太陽光発電サイト管理など多岐にわたる。

これまでは、発電事業における需要が大きかったが、今後は高圧ミドルや低圧ミドルにおける需要が増えるとみられる。また、改正FIT法の施行により太陽光発電所の適切な運用・保守を求める項目が盛り込まれたことも需要の増加につながっている。今後はO&Mサービスの導入率を高めていくために、適切な運用・保守を具体的な方法を定めて厳格化する制度の強化や、O&Mサービスのさらなる低価格化が進むとみられる。

◆調査対象

世界市場 太陽電池、シリコンインゴット・ウエハ、炭素材料、ダイヤモンドワイヤ、バックシート、バックシート原材料、封止材、封止材原材料、電極材料(銀ペースト)、電極材料(アルミペースト)、セル接合材料(インターコネクトなど)、太陽光発電システム
国内市場 住宅用太陽光発電システム、非住宅用太陽光発電システム、太陽電池、パワーコンディショナ、遠隔監視システム、架台、蓄電システム、O&Mサービス、PPAモデル、非化石価値取引市場、セカンダリーマーケット(中古太陽光発電所)、太陽光パネルのリサイクル・リユース・適正処置

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/07/12
       
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