マーケット情報


熱可塑性エラストマー、合成・天然ゴム市場は2023年13.3兆円、3,766万トン

−注目自動車部品9品目向けは2023年に2,257万トンの予測−
タイヤ向けは合成・天然ゴムが中心も、一部部品向けで熱可塑性エラストマーへの代替が進む


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、自動車や工業部品など幅広い用途で使用され、世界経済の成長に伴い拡大している高機能エラストマーの世界市場を調査した。その結果を「2018年 高機能エラストマー・応用製品市場の展望」にまとめた。

この調査では熱可塑性エラストマー(TPE)14品目、合成ゴム12品目、天然ゴム、計27品目の市場の現状を調査・分析し、将来を予測した。加えて、自動車部品9品目、医療器具や衛生材といったヘルスケア用品2品目における高機能エラストマーの需要動向を捉えた。

◆注目市場

注目自動車部品9品目向け熱可塑性エラストマー、合成・天然ゴム世界市場



自動車のタイヤ、ホース/チューブ、ウェザーストリップ、防振ゴム、CVJブーツ、内装表皮材、エアダクト、ゴムベルト、エアバッグカバーに使用される熱可塑性エラストマー、合成・天然ゴムを対象とする。

需要の大半がタイヤ向けであり、2017年時点で93%を占める。タイヤ向けは天然ゴムが半数以上を占め、合成ゴムはスチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)などが採用され、近年は低燃費タイヤ向けに溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)の需要が伸びている。

このほか、合成・天然ゴムの比率が高いのがホース/チューブ、防振ゴム、ゴムベルトである。弾性や耐熱性、耐薬品性などから熱可塑性エラストマーでは対応できないものも多く、今後も合成・天然ゴム中心が続くとみられる。

一方で、熱可塑性エラストマーの比率が高いのは内装表皮材やエアバッグカバーであり、柔軟性が高く加工が容易であることが評価されている。

採用が拮抗しているのは、ウェザーストリップ、CVJブーツ、エアダクトである。ゴムは加硫工程が必要なため、加工コストが大きくなりやすく、コスト低減が可能な熱可塑性エラストマーの需要が伸びている。また、発泡化や薄肉化しても剛性が高いため、代替が進んでいくとみられる。

◆調査結果の概要

熱可塑性エラストマー、合成・天然ゴム世界市場



2017年は10兆8,948億円、3,114万トンとなった。世界的な自動車生産台数の増加と途上国の生活水準向上により、自動車用途と生活用品用途が増加し拡大した。

熱可塑性エラストマーの需要は、自動車部品、樹脂改質、粘接着剤、各種成形材料など多岐にわたっており、市場は世界経済の成長に伴い拡大している。自動車用途は、海外で合成ゴムから熱可塑性エラストマーへの置き換えが進んでいることから、自動車生産台数の多い中国や米国、部品メーカーが集積する東南アジアなどを中心に需要が増加し、2017年時点で自動車用途は熱可塑性エラストマーの11%(数量ベース)を占める。

品目別には、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロックコポリマー(SBS)やα-オレフィンコポリマー、ウレタン系エラストマー(TPU)の規模が大きい。今後は、α-オレフィンコポリマーや架橋型オレフィン系エラストマー(TPV)が自動車部品向けでの採用増加、水添スチレン系エラストマー(水添TPS)が新興国でのインフラ需要や所得向上による生活用品用途での採用が期待され、2023年には2兆4,894億円が予測される。

合成ゴムは主な用途が自動車であり、数量ベースで70%近くを占める(2017年)。特にタイヤ向けの比率が高く、環境負荷や燃費の面で優れるSBRが、先進国に加え中国や東南アジアで伸びている。

品目別には、SBR、BRの比率が高い。今後は、フッ素ゴム、シリコーンゴムなどの伸びが期待され、2023年には6兆1,166億円が予測される。

天然ゴムは主にタイヤで使用され、数量ベースで90%以上を占める(2017年)。天然ゴムは農産物であり、天候やパラゴムの病気などにより収穫量が大きく変動することがあるため、タイヤの需要増加に対応して、天然ゴムの生産量を高めることが課題となっている。

◆調査対象

熱可塑性エラストマー(TPE) スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレンイソプレンスチレンブロックコポリマー(SIS)、水添スチレン系エラストマー(水添TPS)※ニートポリマー、水添スチレン系エラストマー、(水添TPS)※コンパウンド、単純ブレンド型オレフィン系 エラストマー(s-TPO)、架橋型オレフィン系エラストマー(TPV)、重合型オレフィン系エラストマー(RTPO)、塩ビ系エラストマー(TPVC)、塩素化ポリエチレン系エラストマー(CPE)、ウレタン系エラストマー(TPU)、ポリエステル系エラストマー(TPC)、ポリアミド系エラストマー(TPAE)、α-オレフィンコポリマー ・アクリル系エラストマー
合成ゴム・天然ゴム スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、フッ素ゴム(FKM・FEPM)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、アクリルゴム、(ACM)、シリコーンゴム、ウレタンゴム(AU、EU)、天然ゴム(NR)
注目応用製品 タイヤ、自動車用ホース/チューブ、自動車用ウェザーストリップ、自動車用防振ゴム、CVJブーツ、自動車用内装表皮材、自動車用エアダクト、自動車用ゴムベルト、エアバッグカバー、医療器具材、衛生材

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/08/06
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。