マーケット情報


浄水、下水、産業用排水、民生用途で使用される水処理膜の市場を調査

−2025年市場予測(2017年比)−
高機能分離膜/フィルター(国内市場+日系メーカー海外売上) 6,177億円(18.9%増)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、北米や欧州などの安定した需要に加え中国やMENA、新興国では経済発展や都市化・工業化、そして環境規制の強化などを背景に拡大する水処理膜の市場を調査した。その結果を「高機能分離膜/フィルター関連技術・市場の全貌と将来予測 2018」にまとめた。

この調査では水処理膜をはじめとする水環境分野6品目、大気・空質分野4品目、エネルギー分野2品目、ライフサイエンス分野3品目、輸送機器分野3品目、工業プロセス用分野3品目の高機能分離膜/フィルターのほか、膜/フィルター構成部材、関連製品2品目の市場の現状を調査し、将来を予測した。

◆注目市場

1.水処理膜(MF/UF膜、MBR用膜、RO/NF膜)世界市場



北米や欧州などの安定した需要に加え、中国やMENA、新興国では経済発展や都市化・工業化、そして環境規制の強化などを背景に市場は拡大しており、2018年は2,323億円(2017年比105.6%)が見込まれる。今後も引き続き中国やMENA、新興国などでの需要増に加え、各種膜の用途も広がりをみせており、市場拡大が期待される。日系や欧米系のメーカーに加え、中国メーカーなども台頭してきており、メーカー間による競争は激しさを増すとみられる。

2.食品・医薬プロセス用膜

2018年見込
2017年比
2025年予測
2017年比
国内市場
30億円
100.0%
34億円
113.3%
日系メーカー海外売上
18億円
105.9%
25億円
147.1%
合 計
48億円
102.1%
59億円
125.5%

食品・飲料や医薬品の製造プロセスにおいて使用されるMF/UF膜を対象とする。医薬品向けでは脱パイロジェンや除菌、酵素・淡白の濃縮、抗生物質精製などに、食品・飲料向けでは発酵食品やアルコール飲料などの清澄ろ過、発酵液の除菌、精製などに利用される。需要先は安全性を重視する医薬・食品メーカー向けであるため安定したリプレース需要があり、市場は拡大している。今後は、機能性素材向けやヘルスケア向け、バイオテクノロジー向けの伸長のほか、競合技術である珪藻土ろ過からの置き換えが進む可能性があり、市場の拡大が期待される。

3.半導体ガスフィルター

2018年見込
2017年比
2025年予測
2017年比
国内市場
98億円
106.5%
130億円
141.3%
日系メーカー海外売上
22億円
122.2%
40億円
2.2倍
合 計
120億円
109.1%
170億円
154.5%

半導体ガスの高純度化、高精度化を目的としたフィルターを対象とする。半導体ガスフィルターには小流量のプロセスガスフィルターと大流量のバルクガスフィルターがあるが、バルクガスフィルターは半導体工場の新設時に採用され、リプレース需要はほとんどない。一方、プロセスガスフィルターは半導体製造装置に組み込まれるため、半導体製造装置ごとに需要がある。そのため、市場はプロセスガスフィルターが大部分を占める。

2016年後半からDRAMや3D-NAND型フラッシュメモリといった半導体メモリ市場の好調により、半導体メーカーの設備投資が旺盛であり、半導体ガスフィルターが用いられる半導体製造装置市場が好調なことから市場は拡大している。当初は急増する需要にフィルター生産が追いつかないほどであったが、メーカー側が生産体制を整え、現在は需要増に対応できている。2018年に入っても半導体メモリ市場は好調を維持しているため市場は拡大が見込まれる。今後は、3D-NAND型フラッシュメモリの製造への対応など、半導体製造装置の複雑化・高度化に伴って装置1台に複数のフィルターが搭載されるようになり市場拡大は続くとみられる。

◆調査結果の概要

高機能分離膜/フィルター市場


用途分野別市場(国内市場+日系メーカーの海外売上)



※大気・空質分野のカーエアコンフィルター、ライフサイエンス分野の透析膜(ダイアライザー)、輸送機器分野の燃料(フューエル)フィルター、オイルフィルター、工業プロセス用分野の膜式エアドライヤーは国内市場のみを対象としている。

高機能分離膜/フィルター市場は、新興国の都市化・工業化の進展や排ガス規制の強化、空質環境改善ニーズの高まりなどによって拡大している。今後も拡大は続くとみられ、2025年には6,177億円(2017年比118.9%)が予測される。

水環境分野は、いずれの膜/フィルター市場も需要のすそ野が広く、中国や新興国における経済発展や工業化、環境意識の高まりに伴う需要増、海水淡水化関連や半導体関連の好況、新規用途分野の開拓などによって拡大すると予想される。

大気・空質分野は、HEPA/ULPAフィルター市場とケミカルフィルター市場がクリーンルーム向けを中心に伸びるとみられる。カーエアコンフィルター市場は、フィルターの交換の認知が高まることでアフター需要の掘り起こしが進み拡大するとみられる。

エネルギー分野は、フッ素系イオン交換膜市場では食塩電解プラント向けが飽和しており、リプレース需要が中心となっている。今後は欧州、中国、米国の排出ガス規制の強化に伴って燃料電池向けの増加が予想される。アルコール脱水膜市場は、海外で溶剤回収やバイオエタノール製造向けで伸びている。今後は酸・エステル反応の脱水向けが増加すると予想される。

ライフサイエンス分野は、食品・医薬プロセス用膜市場がリプレース需要や競合技術からの置き換えによって微増していくとみられる。透析膜(ダイアライザー)市場は、患者数の急激な増加はみられないが、単価の高い製品に置き換わることで拡大が期待される。

輸送機器分野は、燃料フィルター市場やオイルフィルター市場が高齢化および人口減少に伴うドライバー減少や、ゼロエミッション車の研究開発が加速しており縮小していくとみられる。DPF市場は、欧州ではディーゼル車人気に陰りが生じているため需要が減少するとみられており、排ガス規制の強化に伴って需要増加が期待される中国やタイ、インドなどの新興国向けでいかにカバーできるかが市場の動向を左右するとみられる。

工業プロセス用分野は、半導体ガスフィルター市場が半導体メモリ市場の急成長によって拡大していくとみられる。酸素・窒素富化膜市場は中国の石炭露天掘り向けが増加していることから緩やかに伸びていくとみられる。

◆調査対象

水環境分野 水処理膜(MF/UF膜、MBR用膜、RO/NF膜)、脱気膜、活性炭フィルター、液体ろ過用カートリッジフィルター、焼結金属フィルター、炭化水素系イオン交換膜
大気・空質分野 エアフィルター(粗塵、中・高性能、HEPA/ULPA)、ケミカルフィルター、カーエアコンフィルター、バグフィルター用ろ布
エネルギー分野 フッ素系イオン交換膜、アルコール脱水膜
ライフサイエンス分野 食品・医薬プロセス用膜、透析膜(ダイアライザー)、ウイルス除去フィルター
輸送機器分野 燃料(フューエル)フィルター、オイルフィルター、DPF(Diesel Particle Filter)
工業プロセス用分野 半導体ガスフィルター、膜式エアドライヤー、酸素・窒素富化膜
膜/フィルター構成部材、関連製品 ROべッセル、RO膜支持体

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/08/28
       
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