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生化学・血液学的検査、ITシステムの国内市場を調査

−2023年予測−
生化学検査(試薬・消耗品) 818億円(2017年比0.1%減)
血液学的検査(試薬・消耗品) 465億円(2017年比8.4%増)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、、臨床検査のうち、人から採取した血液や尿などの中に含まれる化学物質の量を測定することで健康状態や病気の程度を調べる生化学検査、血液中の赤血球・白血球・血小板などの数や形態から炎症や貧血、病気の有無などを調べたり、血液の固まり易さを調べたりする血液学的検査、また、検体検査の実施、データ管理等をサポートするために重要な役割を果たすとみられる検査関連ITシステムの国内市場を調査した。その結果を「2018 臨床検査市場 No.2 生化学検査・血液検査市場/検査関連ITシステム市場」にまとめた。

◆調査結果の概要

1.生化学検査の国内市場(試薬・消耗品)



生化学検査の国内市場(試薬・消耗品)は、2017年に前年比0.4%増の819億円となった。2023年には2017年比0.1%減の818億円が予測される。

生化学検査薬の市場は自動化学分析装置用試薬を中心に、HPLC装置用試薬ほかで構成される。自動化学分析装置用試薬の市場は、成熟と飽和によりほぼ横ばい推移している。糖尿病検査試薬のHbA1cの伸びにより横ばいを維持しているが、その他の検査項目は低価格化や自動化学分析装置での試薬使用量の微量化などにより横ばいから微減となっている。今後はHbA1cの伸びが前年比横ばいからマイナスに移行していくことにより、市場は縮小推移が予想される。また、HPLC装置用試薬の市場は、装置の販売台数増加に伴って拡大している。新製品の投入が予想され、今後も市場は拡大するが、装置の普及自体は一巡しており、徐々に伸びは鈍化していくとみられる。

簡易分析装置用試薬の市場は、新規検査項目の発売も見られず、近年は70億円台の規模となっている。今後も変動は少なく、横ばいから微増推移が予想される。

血液ガス分析装置用試薬の市場は、微減している。今後も微減が予想される。

その他は電解質分析装置用試薬と血糖分析装置用試薬である。電解質分析装置用試薬の市場は、装置の稼働台数の減少に伴い微減している。今後は電解質測定専用装置のニーズ減少とともに微減推移が予想される。また、血糖分析装置用試薬の市場は、ハンディタイプの伸びが堅調であり、市場拡大が続いている。今後もハンディタイプの普及のほか、SMBG(血糖自己測定)からの切り替え需要に伴い拡大が予想される。

2.血液学的検査の国内市場(試薬・消耗品)



血液学的検査の国内市場(試薬・消耗品)は、2017年に前年比1.7%増の429億円となった。2023年には2017年比8.4%増の465億円が予測される。

血液凝固・線溶検査薬の市場は、PT-INR装置用試薬を含む。PT、APTT、フィブリノーゲン、FDPといった検査項目は微増、FDP-Dダイマーは血栓症診断の需要で伸びている。しかし、その他の検査項目はほぼ横ばいとなっている。FDP-Dダイマーの伸びが時間経過とともに鈍化しているものの、今後も市場は年率2%程度の拡大が予想される。PT-INR装置用試薬の市場は、ワーファリンの処方機会の減少もあり、縮小している。今後もワーファリン処方数の減少が続くとみられることから、縮小が予想される。

その他は血球計数装置用消耗品と血液像自動分類装置用消耗品である。血球計数装置用消耗品の市場は、微増となっている。今後も検査数は微増が予想されることから試薬市場も僅かながら拡大する。血液像自動分類装置用消耗品の市場は、固定ユーザーで支えられていることもあり変動は少なく横ばいとなっている。今後も一定の需要はあるが、大幅な増加は期待しづらく、横ばいが予想される。

3.検査関連ITシステムの国内市場



検査関連ITシステム9品目を対象としている。市場は2017年に前年比2.0%増の557億円、2023年には2017年比12.7%増の628億円が予測される。市場規模が最も大きいのが検体検査支援システムであり、次ぐのが検体検査搬送システムである。

検体検査支援システムの市場は、中規模以上の病院にはほぼ導入を終えており、現在はリプレース需要が中心である。将来的には病院数の減少が予想されるものの、医療IT化や低価格化に伴い、システム導入数は横ばいとみられる。

検体検査搬送システムの市場は、大学病院などの大規模病院を中心に導入されており拡大している。今後は中規模病院をターゲットとしたコンパクト設計や低価格化により、導入数は微増が予想される。

その他は病理・細胞診検査業務支援システム、輸血検査支援システム、細菌検査支援システム、感染制御支援システム、検査室在庫管理システム、健診支援システム、ISO15189運用支援システムである。

病理・細胞診検査業務支援システムは、医療施設における病理診断科の増加やがん患者の増加に伴い需要が増加している。特に、中・大規模病院で需要が高く、2030年頃まで新規導入が期待される。

輸血検査支援システムは、検体検査支援システムのサブシステムとして導入されることが多く、導入数は微増している。厚生労働省が定めた輸血に関する2つの指針の改定や診療報酬の改定に伴い、輸血管理の重要性が示されていることから、今後も市場拡大が予想される。

細菌検査支援システムは、データ連携の自動化やデータ出力に対するニーズは高いものの、病院収支に貢献することがやや困難であるため、予算との兼ね合いが課題であり、導入数の伸びは僅かである。今後市場は院内感染対策活動の活発化による感染制御支援システムとのデータ連携需要により、微増が予想される。

感染制御支援システムは2018年4月からの抗菌薬適正使用支援加算の新設により導入が加速するとみられる。細菌検査支援システムとセットで導入していくなど、今後も市場は微増が予想される。

検査室在庫管理システムの市場は僅少である。他システムにオプションで機能を有するものがあるため、今後も大きな伸びは期待できない。

健診支援システムは定期健康診断を実施している病院や診療所、健診センター向けに、幅広い価格帯の製品が市場投入されている。診療報酬改定の対策として健診支援システムの価格調整を行う施設が増えているため、今後も市場は微増が予想される。

ISO15189運用支援システムは2016年度診療報酬改定により「国際標準検査管理加算」が追加され、治験実施施設などではISO15189の認証取得が推奨されており、運用システムとして市場が形成され始めている。市場は今後拡大が期待される。

◆調査対象品目

 
生化学検査 検査薬・消耗品 生化学検査薬(HPLC装置用試薬含む)、簡易分析装置用試薬、電解質分析装置用試薬、血糖分析装置用試薬、血液ガス分析装置用試薬
検査装置 自動化学分析装置、簡易分析装置、電解質分析装置、血糖分析装置、HPLC装置、血液ガス分析装置
血液学的検査 検査薬・消耗品 血液凝固・線溶検査薬(PT-INR装置用試薬含む)、血球計数装置用消耗品、血液像自動分析装置用消耗品
検査装置 血液凝固装置、PT-INR装置、血球計数装置、血液像自動分析装置
検査関連ITシステム 検体検査支援システム、病理・細胞診検査業務支援システム、輸血検査支援システム、細菌検査支援システム、感染制御支援システム、検査室在庫管理システム、検体検査搬送システム、健診支援システム、ISO15189運用支援システム

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/09/21
       
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