マーケット情報


外食産業(喫茶、ファミリーレストラン、料飲店など)の国内市場を調査

−2018年市場見込(2017年比)−
ロードサイド型喫茶店・コーヒー専門店 1,387億円(3.7%増)
串カツ・串揚げ専門店 1,051億円(3.9%増)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、個人経営店が縮小する一方でロードサイド型喫茶店・コーヒー専門店が新たな需要を獲得している喫茶、イタリアFRやステーキ・ハンバーグFR、チャンポンFRなどは好調なもののカテゴリー全体では縮小が続くファミリーレストランなどの国内外食産業市場について調査し、その結果を「外食産業マーケティング便覧 2018 No.2」にまとめた。

この調査では料飲店、ファミリーレストラン、喫茶、西洋料理、日本料理、東洋料理、エスニック料理、宿泊宴会場の8カテゴリー73業態の市場について現状を調査し、将来を予想した。

なお、ファストフード、テイクアウト、ホームデリバリー・ケータリング、交通機関、レジャー施設、給食の6カテゴリー65業態の市場調査結果については、「外食産業マーケティング便覧 2018 No.1」にまとめており、調査結果の概要を8月7日に発表している

◆注目市場

1.喫茶店・コーヒー専門店



喫茶店・コーヒー専門店は、テーブルサービス、カウンターサービスの店を対象とする。

8割以上を占める個人経営店の減少に歯止めがかからず市場は縮小が続いており、2017年は前年比1.3%減の8,985億円となった。今後も主体となる個人経営店は後継者不足やセルフ式のコーヒーショップへの需要流出などで店舗数が減少するとみられ、市場は縮小が予想される。

一方、ロードサイド型喫茶店・コーヒー専門店は伸びている。 ロードサイドを中心にドリンクから食事、スイーツまで幅広いメニューを展開し団塊世代をメインターゲットに長時間滞在ができることで、駅ビルや商業施設のビルイン店舗や都市部の路面店が主体のセルフサービス型コーヒーショップとは異なる需要を獲得して、好調である。また、上位チェーンはロードサイドにこだわらず都市部のビルイン店舗への出店を強化していることもあり、2017年の市場は前年比6.3%増の1,338億円なった。2018年も上位チェーンの出店攻勢が進んでおり続伸が見込まれる。

ロードサイド型喫茶店・コーヒー専門店は40代以上の女性やシニア層の利用が多く、今後もこれらの客層・世代が増加することに加え、若年層でもリーズナブルなモーニングセットや広い座席空間でくつろぐことを目的に利用が増えていることから、2019年以降も市場拡大が期待される。

2.やきとり専門店、鶏料理専門店、串カツ・串揚げ専門店

2017年
2018年見込
前年比
やきとり専門店
2,095億円
2,109億円
100.7%
鶏料理専門店
964億円
1,089億円
113.0%
串カツ・串揚げ専門店
1,012億円
1,051億円
103.9%

やきとり専門店は、やきとりをメインに提供する料飲店を対象とする。2017年は、ワタミが居酒屋・炉端焼業態店舗を、やきとり専門店である「三代目 鳥メロ」へ業態転換を進めたことや、「鳥貴族」(鳥貴族)の地域を特定した集中出店による店舗数増加などもあり、2017年は前年比1.1%増の2,095億円となった。上位チェーンが店舗数を拡大する一方、個人経営店は店舗数が減少している。店舗数は飽和状態であるため差別化を図れない店の淘汰や、人件費高騰や原材料価格の上昇、CVSや量販店などの中食業態での惣菜強化など、やきとり専門店を取り巻く環境は今後厳しくなるとみられ、市場の伸びは鈍化が予想される。

鶏料理専門店は、鶏料理をメインに提供する料飲店を対象とする(やきとり専門店は除く)。手頃な価格で専門性の高い鶏料理が味わえることが消費者に受けており、また、共働き世帯や単身世帯の増加により揚げ物をしない世帯が増えていることが追い風となり、市場は拡大している。

やきとり専門店の市場が飽和状態であるのに対し、鶏料理専門店は料理のレパートリーも多く各チェーンが差別化を打ち出しやすい業態であるため、新規参入による新たな需要獲得も期待され、今後も市場拡大が予想される。客単価2,000円台半ばと比較的低価格で展開する新興チェーンが既存チェーンの需要を奪っている。

串カツ・串揚げ専門店は、 串カツ・串揚げをメインに提供する料飲店を対象とする。大阪に拠点を構える店舗が多く、個人経営店や多店舗展開する中規模チェーンを中心に構成されている。関西が中心であるが、2008年頃から上位チェーンの首都圏への展開が進んでいる。近年は子連れのファミリー層や未成年などのファミリーレストランとしての利用、また関西では国内外の観光客の利用も増加している。

2017年は 上位チェーンを中心に店舗数が増えたため、市場は前年比2.8%増の1,012億円となった。多店舗展開している上位チェーンがメディアで取り上げられる機会も増え、この業態の認知が高まったことも売上増加に寄与している。2018年も上位チェーンを中心に店舗数拡大が進み、前年比3.9%増の1,051億円が見込まれる。現状は 関西と関東エリアに出店が集中しているが、今後はほかの地域への出店が進むとみられる。

◆調査結果の概要

2017年
2018年見込
前年比
料飲店
5兆4,277億円
5兆3,662億円
98.9%
ファミリーレストラン
1兆3,135億円
1兆3,124億円
99.9%
喫茶
1兆4,302億円
1兆4,269億円
99.8%
西洋料理
8,398億円
8,655億円
103.1%
日本料理
2兆6,368億円
2兆6,174億円
99.3%
東洋料理
1兆4,029億円
1兆4,056億円
100.2%
エスニック料理
1,387億円
1,410億円
101.7%
宿泊宴会場
3兆8,127億円
3兆8,256億円
100.3%

1.料飲店

2017年は鶏料理専門店や串カツ・串揚げ専門店といった専門料理店が伸びたが、総合居酒屋の規模縮小や法人需要の減少の影響が大きく、市場は縮小した。2018年も専門料理店の需要は増加しているが、他の業態は苦戦がみられる。多業態ブランドを展開している企業は、ダウントレンドのブランドから好調なブランドへ業態転換を進めている。

2.ファミリーレストラン

2015年まで市場は拡大してきたが、2016年以降は前年割れが続いている。「サイゼリヤ」(サイゼリヤ)がけん引するイタリアFR、上位チェーンがショッピングセンターを中心とした出店攻勢を進めるチャンポンFR、肉ブームを追い風としたステーキ・ハンバーグFRは伸びているが、規模の大きい標準型FRの縮小、また、高価格型FR、和風FRやバイキングレストランなども苦戦しているため、今後も市場は縮小が続くとみられる。

3.喫茶

コーヒーショップがCVSカウンターコーヒーやオフィスコーヒーなどとの競合に対抗するため、高価格帯の上位チェーンの多くでモーニングを中心としたフードメニューの強化を図り、客単価の向上と来店客層の広がりにつなげており、伸びている。一方、喫茶店・コーヒー専門店は個人経営が多く、後継者不足やコーヒーショップチェーンとの競合により市場は微減であるが、高価格型喫茶店・コーヒー専門店やロードサイド型喫茶店・コーヒー専門店は上位チェーンの出店増加や、内装を含めた空間設計が主要顧客の中高年層だけでなく若年層にも支持されており好調である。

4.西洋料理

2012年以降市場拡大が続いている。ステーキ・ハンバーグレストランが「いきなり!ステーキ」(ペッパーフードサービス)の参入以降、前年比10%以上の伸びを続けており、このカテゴリーの市場拡大をけん引している。一方、客単価の高いフランス料理や高級イタリア料理などは消費者の節約志向により縮小が続いている。

5.日本料理

2017年はとんかつ、すきやき・しゃぶしゃぶ、もつ鍋が伸びた。2018年はとんかつが参入企業の出退店による店舗の収益力向上により堅調なほか、高タンパクなどの健康性が支持されている牛タン専門店は伸びているものの、全般的に個人店の苦戦、閉店がマイナス要因となり市場は縮小する見込みである。

6.東洋料理

2017年は郊外立地への新規出店が進む焼肉テーブルオーダーバイキング、アルコールと餃子の組み合わせ訴求が受け入れられて上位チェーンを中心に伸びた餃子専門店、上位チェーンの新規出店やリニューアルが奏功した点心料理の3業態が好調で、市場は微増となった。2018年もこれら3業態の伸びが寄与し、微増が見込まれる。

4.エスニック料理

2017年は各業態で需要が増加し、チェーン店だけでなく個人経営店も店舗数が増加したため、市場は前年比2.4%増の1,387億円となった。2018年も引き続き女性客を中心に需要を獲得し、都市部を中心に出店が増えていることから市場拡大が見込まれる。

8.宿泊宴会場

2017年は、ホテル業態が訪日外国人観光客の増加に伴う利用客の増加や新規施設の開業ラッシュで施設数が増えたことにより、市場は前年比0.5%増の3兆8,127億円となった。2018年も東名阪の主要エリアや地方の観光都市でホテルの開業が相次いでいることから、市場拡大が見込まれる。

◆調査対象

料飲店 居酒屋・炉端焼、アッパー居酒屋、低価格型居酒屋、やきとり専門店、鶏料理専門店、串カツ・串揚げ専門店、ビアレストラン、クラフトビールレストラン、ディスコ・クラブ、カフェバー・ショットバー、スナック・クラブ・パブ
ファミリーレストラン 標準型FR、高価格型FR、低価格型FR、和風FR、イタリアFR、中華FR、ステーキ・ハンバーグFR、チャンポンFR、バイキングレストラン
喫茶 コーヒーショップ 、低価格型コーヒーショップ、高価格型コーヒーショップ、喫茶店・コーヒー専門店、ロードサイド型喫茶店・コーヒー専門店、高価格型喫茶店・コーヒー専門店、紅茶専門店、フルーツパーラー、甘味処、ジューススタンド
西洋料理 フランス料理、イタリア料理、高級イタリア料理、パスタレストラン、アメリカ料理、ドイツ料理、スペイン料理、ステーキ・ハンバーグレストラン、シーフードレストラン、オイスターバー、オムレツ・オムライスレストラン、カフェレストラン、ワイン酒場
日本料理 そば・うどん、そば居酒屋、すし、うなぎ、てんぷら、とんかつ、すきやき・しゃぶしゃぶ、料亭・割烹、豆腐料理、低価格ふぐ料理、かに料理、ちゃんこ料理、もつ鍋、お好み焼き、牛タン専門店
東洋料理 韓国料理、焼肉料理、ホルモン料理、焼肉テーブルオーダーバイキング、高級中華料理、一般中華料理、点心料理、餃子専門店
エスニック料理 キシコ料理、インド料理、東南アジア料理
宿泊宴会場 ホテル、ビジネスホテル、結婚式場・宴会場、旅館

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/09/25
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。