マーケット情報


2016年の低調から脱出し2017年は大幅に拡大した
メカトロニクスパーツ(FA設備の構成部品)の市場を調査

−2021年市場予測(2017年比)−
メカトロニクスパーツ(FA設備の構成部品) 2兆6,009億円(19.9%増)
スマートフォン、自動車関連の設備投資増加を中心とした需要により拡大が続く


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、中国を中心とした設備投資の不振を受けた2016年の低調な状況から、2017年はスマートフォンや自動車関連の設備投資増加により拡大し、2018年以降も各品目の需要増加が期待されるメカトロニクスパーツ(FA設備の構成部品)の市場を調査した。その結果を「2018年 注目メカトロニクスパーツ市場実態総調査」にまとめた。

この調査では、コントローラ領域6品目、ドライブ領域8品目、メカニカル領域4品目、自動認識&センサー領域8品目、受配電機器領域6品目の市場の現状を分析し、将来を予想した。なお、市場は国内市場+日系メーカー海外実績の合計とした。

◆調査結果の概要

メカトロニクスパーツ(FA設備の構成部品)市場



※棒グラフは国内市場+日系メーカー海外実績の合計、折れ線グラフは日系メーカー海外実績の合計に占める割合

2017年の市場は、前年に中国を中心とした設備投資の減少による停滞から一気に市況が回復し、前年比17.6%増の2兆1,694億円となった。スマートフォンをはじめとするエレクトロニクス関連や、国内外の自動車関連の設備投資、また、EV化の進展による二次電池やモータ関連の生産設備の増強などの要因が市場拡大に貢献した。

2018年の市場は前年ほどの伸びではないものの、自動認識&センサー領域、メカニカル領域などが引き続き好調なため、前年比5.2%増の2兆2,823億円が見込まれる。特にボールねじやリニアガイドなどの伝動系要素部品は、工作機械やエレクトロニクス関連、自動車などの産業分野で自動化を支えるキーパーツとなっており、需給がひっ迫している。

日系メーカーの海外実績が合計に占める割合は、2016年は中国の設備投資の減少の影響で40.8%にとどまったが、海外市場の設備投資の回復や日系メーカーの注力度の高まりにより2017年は43.2%となっており、2021年には45.5%に上昇すると予想される。

メーカー各社は製品開発、生産体制の拡充や見直しを継続的に進めると同時に、セールス段階でのエンジニアリング対応能力の拡充やアフターサービスの強化、オンラインでの情報提供など、さまざまな形で顧客満足度を高める取り組みを強化している。

領域ごとにみると、メカニカル領域の伸びが大きい。中でも、2017年はリアニアガイドやボールねじが工作機械、半導体製造装置などで国内・海外ともに需要が高まり、市場は前年比25%の拡大となった。2018年はやや伸びが鈍化するものの好調が続く見込みである。リニアガイドやボールねじ、単軸アクチュエータは日系メーカーが強い分野であり、2019年以降も同領域の市場は毎年6〜8%の拡大が期待される。

コントローラ領域も2017年は大きく伸びた。特にCNC装置は、大手スマートフォンメーカーや自動車関連の投資が増えたことで前年比40%以上の伸びとなった。また、市場規模の大きいプログラマブルコントローラは、国内では自動車関連や物流関連、韓国や台湾、中国などではエレクトロニクス関連の設備投資増加により伸びた。2018年は、前年に大幅に伸びた品目の需要が落ち着きを見せるものの、市場は前年比5%以上の伸びが見込まれる。

自動認識&センサー領域も伸びている。2017年は、特に光電センサー、レーザ変位センサー、リニアエンコーダがエレクトロニクス関連の需要が好調だったことにより、それぞれ前年比20%以上の伸びとなった。2018年も堅調な伸びが見込まれる。特に産業用RFIDシステムや固定式コードリーダは製造業におけるトレーサビリティ対策で需要が増加している。

ドライブ領域は、市場規模の大きいACサーボモータ/ドライバの前年比20%を超える伸びが、2017年の市場拡大をけん引した。特にスマートフォン、自動車関連の製造設備向けの設備投資が好調だった。2018年は、ACサーボモータ/ドライバの伸びが鈍化するため、同領域の伸びは前年比4%弱にとどまると見込まれる。市場規模は小さいものの、リニアサーボモータやダイレクトドライブモータは半導体や液晶製造装置の設備投資の増加に伴い前年比7%超の伸びが見込まれる。

受配電機器領域は、国内需要を中心とする電力調整器や、ロボット・実装・組立機械や半導体・液晶装置など向けの需要が増えたスイッチング電源がけん引し、2017年は前年比7%を超える伸びとなった。2018年以降も堅調な需要が予想される。

◆注目市場

1.リニアガイド

2017年
2021年予測
2017年比
国内市場
708億円
856億円
120.9%
日系メーカー海外実績
780億円
1,076億円
137.9%
合 計
1,488億円
1,932億円
129.8%

リニアガイド(直線運動用案内)はレールとキャリッジの間にボールやローラーといった転動体を用いて、スムーズな直線運動を実現する機械部品で、高精度な位置決めが可能である。工作機械、産業用ロボット、半導体製造装置、一般産業機械、民生関連機器など多様なニーズに対応している。

各産業の自動化ニーズの高まりから、市場は堅調に拡大してきた。2017年の市場は、特に工作機械、半導体製造装置、電機・電子を中心に需要がメーカー各社の供給が追い付かない状況にまで急増し、前年比25.6%増の1,488億円となった。今後は、採用アプリケーションの増加、熱センサーや振動センサーによる状態監視やIoT化に対応した新製品、新サービスの展開により、さらに市場は活発化するとみられる。

2.固定式コードリーダ

2017年
2021年予測
2017年比
国内市場
94億円
138億円
146.8%
日系メーカー海外実績
25億円
54億円
2.2倍
合 計
119億円
191億円
160.5%

製造現場の工程間物流や生産設備向け、物流拠点内での仕分けシステムに搭載される固定式のコードリーダを対象とする。

サプライチェーン間のトレーサビリティ情報の管理、生産工場内における工程間のトレーサビリティ管理など幅広く情報管理が求められているため、様々な分野で需要が増加している。自動車関連の製造管理においては、パーツごとにマーキングが施されるなど組立工程での情報管理がより厳密化されているため、特に需要が増えており、市場拡大に寄与している。また、物流でも仕分けシステムなどで需要が増加している。日系メーカーの海外メーカー買収による販売増もあり、日系メーカー海外実績は大幅な拡大が予想される。

◆調査対象

コントローラ領域 プログラマブルコントローラ、産業用コンピュータ、温度調節計、プログラマブル表示器、モーションコントローラ、CNC装置
ドライブ領域 ACサーボモータ/ドライバ、産業用ステッピングモータ、産業用ギアードモータ、リニアサーボモータ、汎用インバータ、産業用PMモータ、ダイレクトドライブモータ、三相インダクションモータ
メカニカル領域 単軸アクチュエータ、リニアガイド、カップリング、ボールねじ
自動認識&センサー領域 産業用RFIDシステム、ファイバセンサー、リニアエンコーダ、固定式コードリーダ、レーザ変位センサー、ロータリエンコーダ、光電センサー、近接センサー
受配電機器領域 配電用変圧器、産業用漏電遮断器、電力調整器、産業用配線用遮断器、コンタクタ、スイッチング電源

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/11/01
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。