マーケット情報


FIT余剰電力買取制度、2009年度対象住宅は2019年度に終了
太陽光発電システム(PV)設置&FIT電力買取終了の住宅数を調査

−FIT余剰電力買取期間終了(卒FIT)のストック住宅数 予測−
2019年度 56万戸 制度開始年度にFIT対象となった住宅の買取が終了
2030年度 242万戸 PV設置住宅の47%が卒FIT


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、FITによる余剰電力買取期間の終了が翌年に迫り電力の新たな活用方法が模索される太陽光発電システムと、買取期間終了により住宅用蓄電池と並ぶ自家消費機器としてエコキュートが注目され導入が進むことで既築向けの伸びが期待されるオール電化住宅の地域別の普及状況を調査した。その結果を「2018年版 住宅エネルギー・サービス・関連機器エリア別普及予測調査」にまとめた。

◆注目市場

1.太陽光発電システム設置住宅数とFIT余剰電力買取期間終了住宅数推移(ストック)



太陽光発電システムを設置している住宅数(ストック住宅)は2018年度に322万戸、普及率は6.0%が見込まれる。単年度での導入数は2012年度に開始したFITの全量買取制度の特需が落ち着いた2014年度以降前年割れが続いたが、2018年度以降は毎年度18万戸程度の導入と、横ばいが予想される。なお、ストック住宅は増加を続け2030年度に520万戸、普及率は9.7%が予測される。

2009年度に開始されたFITの余剰電力買取制度の買取期間は10年間であり、制度開始年度に対象となった住宅では2019年度に終了する。買取が終了する (卒FIT)住宅は2019年度に56万戸が予測され、太陽光発電システムを設置する住宅の16%にあたる。2009年度の対象には制度開始以前より太陽光発電システムを設置する住宅も含まれるため、一時的に卒FIT住宅が多くなるが、2020年度以降は毎年度20〜30万戸、2025年度以降は毎年度15〜20万戸程度とみられ、2030年度の卒FITのストック住宅は242万戸、太陽光発電システムを設置する住宅の47%と予測される。なお、2012年度に開始したFITの全量買取制度(出力10kW以上)の買取期間は20年間であり、2032年度以降、再び卒FIT住宅が増加するとみられる。

固定価格での買取期間終了により、ユーザーは売電によるメリットがなくなることから、卒FITを契機として売電から自家消費への転換が進み、自家消費機器として住宅用蓄電池やPV連携エコキュートなどの活用が想定される。太陽電池パネルの耐用年数は20年以上である一方でパワーコンディショナは10〜15年といわれており、パワーコンディショナの交換時に住宅用蓄電池の設置を提案するケースも増えている。このほかにも、新電力が電力小売と余剰電力買取のセット提案を行うなど、卒FIT住宅の余剰電力の利活用をめぐる営業活動が活発化している。

2.オール電化住宅数推移(フロー)

オール電化住宅数は東日本大震災以降前年割れが続き、2016年度は新築・既築合わせて29.1万戸まで落ち込んだが、西日本エリアを中心とする原子力発電所の再稼働や電力小売全面自由化を契機に、既存電力会社によるオール電化住宅のPR活動やサブユーザー向けの営業支援などが活発化し、2017年度は前年度を上回った。

2018年度は翌年に迫る消費税増税前の駆け込み需要などもあり新築・既築共に増加し、31.6万戸が見込まれる。しかし、2020年度以降は駆け込み需要の反動減や人口・世帯数の減少などから、戸建住宅を中心に新築着工住宅数の減少が加速し、新築のオール電化住宅数は再び前年割れが予想される。一方、既築のオール電化住宅数は、既存電力会社による営業強化に加え、卒FIT住宅の余剰電力の活用先としてPV連携エコキュートが注目されていることや、太陽光発電システムの価格下落により訪問販売事業者などがオール電化の提案に回帰していることなどから、今後も増加が予想される。

2030年度には新築向け14.5万戸、既築向け12.0万戸、合わせて26.5万戸が予測され、既築向けの比率が45%まで高まるとみられる。

なお、これまでオール電化住宅普及の目的は既存電力会社が一般家庭の夜間電力需要の確保などのため進めてきたが、2016年4月の電力小売全面自由化以降、その位置づけは変化している。新電力は原子力発電所を保有していないことから夜間料金が割安となるオール電化料金プランに対抗できるプランを提示できる事業者が少なく、既存電力会社は顧客の囲い込み策の一つとしてオール電化の積極的な展開を進めている。また、2017年4月のガス小売全面自由化を受けて、都市ガス小売に参入する既存電力会社も増えており、LPGエリアではオール電化住宅、都市ガスエリアでは電気と都市ガスのセット販売を基本に展開を強化している。

◆調査対象

住宅 オール電化住宅、太陽光発電システム設置住宅
機器 IHクッキングヒーター(ビルトイン)、電気温水器、ガス給湯器(温水給湯暖房機)、ルームエアコン、ヒートポンプ式床暖房、住宅用太陽光発電システム、HEMS(Home Energy Management System)、ガスコンロ(ビルトイン)、ガス給湯器(給湯専用機)、ハイブリッド給湯器、全館空調システム、電気式浴室暖房乾燥機、エネファーム、エコキュート、ガス給湯器(ガス風呂給湯機)、石油給湯器、ガス温水床暖房、ガス式浴室暖房乾燥機、住宅用蓄電池

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/11/02
       
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