マーケット情報


監視カメラ、アクセスコントロールシステム、緊急通報サービス、
災害・防災関連機器/サービスなど
国内のセキュリティ関連機器・システム、サービスの市場を調査

−監視カメラ市場−
東京五輪に向けた新設需要を取り込み2019年に501億円(2017年比6.1%増)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、東京五輪に向けて新設需要が期待される一方、安価な海外製品の流入で価格競争が激化し日系メーカーにとっては差別化が求められているセキュリティ関連の機器・システム、サービスの市場を調査した。その結果を「2018 セキュリティ関連市場の将来展望」にまとめた。

この調査では、セキュリティ関連市場として、監視カメラシステム分野5品目、アクセスコントロール分野7品目、イベント監視/通報関連機器分野3品目、自動車分野2品目、家庭向け機器/サービス分野9品目、災害・防災関連機器/サービス分野3品目、合計29品目を取り上げ、その動向や将来などを予想した。

◆注目市場

1.監視カメラ



監視カメラ市場は、アナログカメラの市場が縮小しているが、高画質で利便性の高いIPカメラの市場がアナログカメラからのシフトもあって伸びており、拡大している。今後、監視カメラ市場は、2019年に東京五輪に向けた新設需要により拡大が予想されるが、以降はリニューアルを主体とした安定推移が予想される。

IPカメラは、主力の流通・小売、工場向けなどが堅調であるほか、直近では鉄道などのインフラ向けや、重要施設など、建物の外周警備向けが伸びている。ただし、市場全体としては以前ほどの勢いはみられず、主要メーカーでも実績を伸ばしているところもあれば、伸び悩んでいるところもある。監視カメラを採用する中小口案件が堅調に増加しているものの、数千台以上を採用する大口案件が減少している。また、中国や韓国などの安価な製品が投入され価格競争が進んでいることから、大手メーカーでは画像解析を利用した高度なソリューション提案を進めており、2017年以降は特にその傾向が顕著となっている。用途を絞り込み、目的を明確にした提案や監視カメラへの画像解析機能の内蔵化などにより比較的低コストでユーザーにも分かりやすいサービスの提案を積極化している。

アナログカメラでは、従来型のアナログCCTVカメラの市場が、部品供給が止まり、メーカーが販売量を絞り込んだことから急激に縮小しており、2021年には僅少になるとみられる。HD-SDIの市場も価格が高いうえ、伝送距離に制限があるため縮小している。

一方、安価で高画質なAHDやHD-TVIの市場は、高機能やネットワーク化が求められない集合住宅や小規模店舗などの新規案件や、既設のケーブルがそのまま使えることからアナログCCTVカメラのリニューアル需要を取り込み拡大している。大手メーカーがAHDやHD-TVIの販売を開始しているほか、安価な海外製品を扱う中小ベンダーの参入も相次いでいる。将来的には低価格化が進んでいるIPカメラへの移行も予想されるが、当面は市場拡大が続く。

2.入退室管理システム(非接触カード式)

2018年見込
2017年比
2021年予測
2017年比
市場規模
298億円
105.3%
330億円
116.6%

入退室管理システム(非接触カード式)は、2000年代初頭からオフィスビルや大学、研究所などに幅広く導入が進んでおり、市場はリプレース需要を中心に成長している。勤怠管理システムとの連携した導入や、生体認証と組み合わせた二要素認証で採用されるケースもみられる。

2016年から2017年は2000年代初頭に導入されたシステムの2巡目のリプレース期であったことから好調に推移した。2018年は期待されていた2020年の東京五輪に向けた新設需要が着工の遅れなどにより伸び悩んでいるが、好調なリプレース需要がカバーしている。2019年には東京五輪に向けた新設需要による好調が予想されるが、東京五輪終了以降は再びリプレース需要中心の市場になるとみられる。なお、システムのリプレースサイクルは長期化しており、次に発生が期待される2000年代初頭に導入されたシステムのリプレース期は2023年頃と予想される。

3.警備用ロボット/ドローン関連サービス

2018年見込
2017年比
2021年予測
2017年比
市場規模
170百万円
106.3%
220百万円
137.5%

ビルや商業施設、公共施設などで巡回警備や異常時の対応などを自律して行う、もしくは、人の警備を補助する製品を対象としており、市場は製品の販売やリース額、ロボットを利用したサービスの利用額とした。

製品は、地上を走行して侵入者や不審者などを検知すると音やサイレンなどで威嚇し、警備員や管制センターなどへの通知を行う「地上型」、上空を飛行して不審者の発見や追跡、異常事態の把握、カメラによる撮影や通知を行う「飛行型」に大別される。大手警備会社が1980年代から製品の販売やサービスの提供に取り組んでいる。

地上型は比較的古く、リースが主体であり、敷地が広い工場などで人による警備の補助、各種イベントでの一時的な導入、企業の受付などに採用されてきた。近年は、2015年に綜合警備保障が「Reborg-X(リボーグエックス)」を市場投入しているほか、2018年にはセコムが自律型巡回監視ロボット2機種を発表し、本格的な実用化に向けた取り組みを進めている。

飛行型はドローンの活用が進んでいる。ドローンによる巡回警備も実用化されつつあり、市場の本格化が期待される。大規模なスポーツイベントなどでは、近年、上空からの広域の監視や見守りを可能とする気球や飛行船も活用されている。

市場は今のところ小規模であるが、警備業界では人手不足解消や業務効率化に対する期待度が高く、今後高成長が予想される。

◆調査結果の概要

セキュリティ関連ビジネスの国内市場

2018年見込
2017年比
2021年予測
2017年比
市場規模
9,658億円
103.1%
1兆0,049億円
107.3%

市場は2017年に前年比1.7%増の9,368億円となった。分野別では、リプレース需要が旺盛な災害・防災関連機器/サービス分野が好調だったほか、監視カメラシステム分野、自動車分野、家庭向け機器/サービス分野などは堅調であった。

2018年以降も多くの分野が堅調に推移するとみられるが、当初期待されていた2020年の東京五輪に関連する需要は予想を下回っている。今後は画像解析やAI、IoTなどの技術革新による新たな需要分野の開拓が待たれる。

分野別市場

分 野
2018年見込
2017年比
2021年予測
2017年比
監視カメラシステム
875億円
103.6%
873億円
103.3%
アクセスコントロール
589億円
107.9%
694億円
127.1%
イベント監視
/通報関連機器
4,636億円
102.0%
4,647億円
102.2%
自動車
84億円
103.7%
89億円
109.9%
家庭向け機器
/サービス
2,465億円
103.2%
2,598億円
108.8%
災害・防災関連機器
/サービス
1,008億円
104.7%
1,149億円
119.3%

1.監視カメラシステム分野

アナログ監視カメラでAHDやHD-TVIの市場が拡大する一方、従来型のアナログCCTVカメラの市場が縮小している。IPカメラの市場は拡大しているものの、大口案件を中心に需要の飽和感がみられる。映像総合管理ソフトウエアは大口案件の減少などにより市場が一時的に縮小したが、2018年は反転が期待される。家庭用見守りカメラは認知度上昇とともに、商品ラインアップが充実し、市場が拡大している。

2.アクセスコントロール分野

入退室管理システムがリプレース需要を中心に取り込み市場が拡大している。バイオメトリクスの顔認証と静脈認証は、二要素・多要素認証の浸透や新規用途開拓により、市場が拡大している。

3.イベント監視/通報関連機器分野

法人向け機械警備サービスや、機械警備サービス向けの出荷が多い侵入センサーの市場が堅調である。警備用ロボット/ドローン関連サービスの市場は本格化していないが、2020年の東京五輪に向けて開発や新製品の投入が進められている。

4.自動車分野

業務用ドライブレコーダーの市場が「あおり運転」の社会問題化などを背景に拡大している。後付盗難防止装置は自動車盗難件数の減少や、自動車自体のセキュリティ機能が向上しているが、2017年、2018年はドライブレコーダーとのセットによる販売展開がみられ市場が拡大している。

5.家庭向け機器/サービス分野

ホームセキュリティサービスの安定的な市場拡大が続いている。高齢者在室安否確認サービスや児童の登下校見守りサービスなどの市場も、サービス内容の多様化と共に堅調である。住宅情報盤やテレビドアホン、防犯ロックなどの住設建材商品は、リニューアル向けが安定している。

6.災害・防災関連機器/サービス分野

火災報知設備の市場がリプレース需要の好調で順調に拡大している。ガス漏れ警報器は設置義務化対象の施設が限定的で市場が停滞、被災者安否確認サービスは継続的に市場が拡大している。

◆調査対象

分野
品目
監視カメラシステム分野 監視カメラ(業務用)、画像録画装置、映像総合管理ソフトウエア、画像伝送装置、家庭用見守りカメラ
アクセスコントロール分野 入退室管理システム(非接触カード式)、共連れ検出装置、バイオメトリクス(指紋認証)、バイオメトリクス(静脈認証/ハイブリッド型)、バイオメトリクス(顔認証)、セキュリティキャビネット、鍵管理ボックス
イベント監視/通報関連機器分野 侵入センサー、警備用ロボット/ドローン関連サービス、法人向け機械警備サービス
自動車分野 ドライブレコーダー、後付盗難防止装置
家庭向け機器/サービス分野 ホームセキュリティユニット、ホームセキュリティサービス、住宅情報盤、テレビドアホン、防犯ロック、登下校見守りサービス、緊急通報サービス、高齢者在室安否確認サービス、位置情報検索サービス
災害・防災関連機器/サービス分野 火災報知設備、ガス漏れ警報器、被災者安否確認サービス
用途
ビル用途、ストア用途、住宅用途、タウン用途、工場用途、スクール用途、空港/鉄道用途、自動車用途、パーソナル用途

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2018/11/16
       
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