マーケット情報


汎用・スーパーエンプラおよび機能性樹脂市場を調査

−2022年世界市場予測(2017年比)−
汎用・スーパーエンプラ、機能性樹脂世界市場 1,515万トン(19.1%増)
注目市場 SPS(シンジオタクチックポリスチレン) 26,800トン(47.3%増)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、耐熱性や機械的性質、電気的性質などを活かし、注目用途としてHV/EVを含めた自動車分野、スマートフォン・LEDに代表されるエレクトロニクス分野の需要増加が予想されるエンプラ関連市場を調査した。その結果を「2019年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略」にまとめた。この調査では、汎用エンプラ8品目、スーパーエンプラ21品目、機能性樹脂8品目、計37品目の市場を調査・分析し、地域別、分野・用途別動向を明らかにし将来展望した。

◆調査結果の概要

汎用・スーパーエンプラ、機能性樹脂世界市場



汎用エンプラは、中国や東南アジア、インドを中心に市場が拡大している。中国は、モバイル端末、TV、家電など様々な工業製品の生産において世界最大であることや各種インフラの整備が途上段階であるため、汎用エンプラの需要が増加している。東南アジア、インドは経済成長や人口増加で家電や自動車の現地生産化が進んでおり、需要が増加している。今後も、中国や東南アジア、インドが市場をけん引し、自動車やエレクトロニクスを中心にインフラ(建築土木)、産業機器、医療などの幅広い用途で需要増加が期待され市場拡大が予想される。

スーパーエンプラは、耐熱性、機械的強度、耐摩耗性などが汎用エンプラより優れている特性を活かし、自動車、エレクトロニクスから航空宇宙まで、用途の幅が広がっている。今後は、自動車の軽量化・電装化による需要増や電気・電子部品向けがけん引し、市場は拡大するとみられる。また、HV/EV専用部品でも需要が増加するとみられ、市場の拡大に寄与すると予想される。

機能性樹脂は、耐熱ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)とPMMA(ポリメタクリル酸メチル)が市場の大半を占める。耐熱ABSは、主要用途である自動車の生産台数が伸びていることから、需要が増加している。今後は自動車生産台数の増減と連動して安定した成長が予想される。PMMAは、サイネージやLED照明の需要増加に合わせて伸びている。今後は、自動車や建築材料などの用途で需要が増加するとみられる。

◆注目市場

1.SPS(シンジオタクチックポリスチレン)【スーパーエンプラ】

2018年見込
2017年比
2022年予測
2017年比
市場規模
20,000トン
109.9%
26,800トン
147.3%

SPSは、中国が日本を追い越し最大の市場となっている。自動車(コネクタ類やECUハウジングなど)や家電(電子レンジなど)部品などの既存用途で需要は増加しており、市場は拡大している。今後は、中国や東南アジアを中心に自動車や家電用途で需要の増加は続くとみられ市場の拡大が予想される。特に、自動車用途ではソノレイドバルブ部品を除く採用部位は電装品であることから、今後次世代高速通信『5G』の整備や自動車のADAS対応の進展、中国や欧州におけるEV化の推進を背景に市場の拡大が予想される。

2.PAR(ポリアリレート)【スーパーエンプラ】

2018年見込
2017年比
2022年予測
2017年比
市場規模
3,870トン
104.0%
4,490トン
120.7%

PARは、自動車のレンズ周辺部品で耐熱PCへの切り替えが進んでいるものの、透明ヒューズカバーやリフレクターなどの部品で需要を獲得しており伸びている。電気・電子部品は、スマートフォン用レンズホルダなどで需要が増加しており、これらを背景にPAR市場は拡大している。今後、自動車用途はレンズ周辺部品の需要減少が続くとみられるが、透明ヒューズカバーやリフレクターなどの部品の伸びで減少分を補っていくとみられる。また、新規用途や採用ユーザーの拡大が予想される。電気・電子部品では、高性能化などが進むにつれ、競合のPCでは対応しきれない耐熱性能を要求される温度領域が出てきた際にPAR需要は増加するとみられ、市場の拡大が期待される。

3.U-PE(超高分子量ポリエチレン)【汎用エンプラ】

2018年見込
2017年比
2022年予測
2017年比
市場規模
185,500トン
104.3%
214,950トン
120.9%

U-PEは、日本や中国を中心にEV/HV向けを含むLiBセパレータ用で需要が増加し、市場は拡大している。また、北米では、患者数の増加などにより医療用途で需要が増加している。今後は、中国がEVの国内シェアを70%に高めるといった方針を打ち出していることから、LiBセパレータ用で需要はさらに増加するとみられ、市場の拡大が予想される。また、先進国では、繊維や医療用途で需要は増加するとみられる。

4.COP・COC(環状ポリオレフィン)【機能性樹脂】

2018年見込
2017年比
2022年予測
2017年比
市場規模
45,650トン
104.7%
54,420トン
124.8%

COP・COCは、主要用途である光学フィルム・レンズ(位相差フィルム、モバイル端末用レンズなど)、パッケージ(食品用包装など)、医療用品(バイアルなど)で需要が増加しており、市場は拡大している。今後、光学フィルムは、TVおよびタブレット端末市場の伸びが鈍化しているものの、画面の大型化により面積の拡大に連動した需要増加が続くとみられる。光学レンズは、スマートフォンを含むモバイル端末向けや自動車のADASに必要な外部センサーで需要が増加するとみられる。パッケージは、包装材料のリサイクル意識の高まりから需要が増加しており、参入企業の生産能力増強が進み伸びると予想される。

◆調査対象

汎用エンプラ ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)、超高分子量ポリエチレン(U-PE)
スーパーエンプラ ポリアミド610・ポリアミド612(PA610・PA612)、ポリアミド11・ポリアミド12(PA11・PA12)、ポリアミドMXD6(PAMXD6)、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド9T(PA9T)、ポリアミド10T・ポリアミド11T(PA10T・PA11T)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルホン・ポリフェニルサルホン(PSF・PPSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアミドイミド(PAI)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、芳香族ポリエーテルケトン(PAEK)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、溶融フッ素樹脂
機能性樹脂 耐熱アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(耐熱ABS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、環状ポリオレフィン(COP・COC)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリグリコール酸(PGA)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET-G系樹脂)、バイオポリカーボネート(バイオPC)

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2019/01/10
       
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。