マーケット情報


半導体、自動車、産業向けの増加で拡大する
セラミックス材料の世界市場を調査

−2024年市場予測(2017年比)−
セラミックス材料世界市場 370.9億ドル(23.7%増)
CMC(セラミックス複合材料) 54.2億ドル(50.6%増)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、多彩な機能を有し陶磁器や包丁などの生活用品をはじめ、スマートフォンやパソコンなどの電子機器や自動車・航空機などの輸送機器の部品、機械製造用の切削工具といった幅広い分野に浸透しているセラミックス材料の世界市場を調査した。その結果を「2019年 セラミック材料市場の現状と将来展望」にまとめた。この調査では、セラミックス材料40品目(酸化物系、窒化物系、炭化物系、ホウ化物・混合物、ガラス、溶射材、複合材料)の市場動向に加え、主要企業の動向についても分析した。

◆注目市場

1.CMC(セラミックス複合材料)

CMCは、耐熱性が高く軽量な素材である。セラミックスの欠点である脆さをセラミックス繊維で強化することで材料全体の脆性破壊を防いでいる点が特徴である。

市場は、航空用途を中心に拡大している。今後は航空用途の安定した需要に加え、自動車部品や原子力発電用途の伸びが期待され、さらなる拡大が予想される。航空用途は、航空機エンジン部品においてNi合金からの置き換えが進むことで伸びるとみられる。自動車部品は、現状、欧州の高級スポーツ車でディスクブレーキに採用されており、今後は低コスト化に向けた研究開発が進むことから、普通乗用車への採用による需要増加が期待される。原子力発電用途は、米国のエネルギー省が原子炉核燃料棒をジルコニアからCMCへと代替する開発を行っており、2022年以降の商業化が予定されていることから需要増加が期待される。

2.炭化ケイ素(SiC粉末)

2018年見込
2017年比
2024年予測
2017年比
市場規模
23.0億ドル
111.7%
24.7億ドル
119.9%

SiCは、炭素とケイ素から合成される炭化物系セラミックスであり、高硬度、高耐熱、化学安定性、耐酸化性が特徴である。

2018年の市場は、最大の需要国である中国において、太陽電池用シリコンインゴットのスライス方法がGC配合スラリーからダイヤモンドワイヤーへと切り替わったことを受け太陽電池向けの研削・研磨剤用が縮小しており、数量ベースでは縮小するとみられる。一方、金額ベースは、生産数量の縮小から需給がひっ迫し製品単価が上昇していることから拡大が予想される。太陽電池向けの研削・研磨剤用の需要は、今後消失するとみられるが、粗鋼生産量の増加に連動し、数量ベース、金額ベースともに市場は拡大するとみられる。また、エンジニアリングセラミックス用途やパワーデバイス基盤用途においてSiCの需要は増加しており、市場拡大への寄与が期待される。

3.チタン酸バリウム

2018年見込
2017年比
2024年予測
2017年比
市場規模
4.0億ドル
114.3%
7.1億ドル
2.0倍

チタン酸バリウムは天然には産出しない合成原料で、誘電率の高さが特徴である。市場は、MLCC(積層セラミックコンデンサー)の誘電体材料としての用途が9割を占めるため、MLCC市場の動向と連動している。2016年までは、チタン酸バリウムのダウンサイズ化により数量ベースは横ばいまたは微減していたが、近年の自動車電装化に伴う車載用MLCCの需要増加によって金額、数量ベースともに拡大している。今後は、自動車のIoT化やxEVの進展、モバイル通信の5G化によって、拡大が続くと予想される。

4.窒化ホウ素

2018年見込
2017年比
2024年予測
2017年比
市場規模
1.3億ドル
100.0%
1.9億ドル
146.2%

市場は、海外メーカーが中心となっている。日系メーカーは北米や欧州への輸出をほぼ行っておらず、国内での販売が中心となっている。

窒化ホウ素は成型品用途で用いられることが多く、窒化ホウ素成型品の需要増加が市場の拡大をけん引してきた。近年は、放熱材料としての採用が増加しており、市場拡大をけん引している。国・地域別にみると日本では、成型品、放熱材料、化粧品で需要があり、特に放熱材料は、自動車の電装化に伴って需要が増加している。北米は、窒化ホウ素の需要、生産量が最も多い地域である。今後は、北米での需要増加に加え日本や中国への輸出増加が期待され生産量も増えるとみられる。欧州は、成型品、化粧品が需要の大半を占めており、放熱材料向けの割合が日本や北米に比べ低いため伸び率は鈍化している。その他、中国では鉄鋼生産量の増加に伴い電気炉や砥石・切削工具関連の需要が増加している。

◆調査結果の概要

セラミックス材料世界市場

2018年見込
2017年比
2024年予測
2017年比
市場規模
312.0億ドル
104.0%
370.9億ドル
123.7%

2018年の市場は、1,553万トン、312億ドルが見込まれる。自動車産業や半導体産業の拡大によりセラミックス材料の需要が増加しており、市場は今後も拡大していくと予想される。

種類別にみると、酸化物系は、酸化チタン、湿式シリカ(沈殿法・ゲルタイプ)、酸化アルミニウムが大半を占めており、これらは安定した需要があり伸びている。このほかチタン酸バリウムは、モバイル端末や自動車へのMLCC搭載数増加により伸びが期待される。窒化物系は、車載電装品や電気・電子部品の小型・高出力化を背景に放熱材料としての引き合いが増しており、伸びている。今後は、放熱材料としての採用が増加するとみられる。炭化物系、混合物は、金属加工用の切削工具・耐摩耗工具・部品などに用いられる炭化タングステンが自動車、建設、製造業など金属関連製品の生産・需要に連動して伸びている。一方、炭化物系、混合物の大半を占める炭化ケイ素、ムライトは主要分野である鉄鋼産業が不調であることから伸びが鈍化している。

◆調査対象 ※品目はセラミックス材料世界市場に含まない

酸化物系 酸化アルミニウム、高純度酸化アルミニウム(LED用)※、酸化ジルコニウム(乾式)、酸化ジルコニウム(湿式)、酸化亜鉛、超微粒子酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、三酸化モリブデン、酸化イットリウム、酸化セリウム(研磨材用)、チタン酸バリウム、シリカ(非合成、合成球状)、フュームドシリカ、湿式シリカ(沈殿法・ゲルタイプ)、三酸化タングステン※
窒化物系 窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化クロム・窒化タンタル、窒化ガリウム(基板)※
炭化物系 炭化ケイ素(SiC粉末)、炭化ケイ素(SiC繊維)※、炭化ケイ素(CVD-SiC)※、炭化タングステン、炭化チタン、炭化ニオブ・炭化タンタル、炭化ホウ素※
ホウ化物・混合物 ホウ化物※、ムライト、ステアタイト・フォルステライト※、コージライト※
ガラス 石英ガラス(合成・溶融)※、化学強化ガラス※、ゼロ膨張ガラス※、サファイア※
溶射材 溶射材※
複合材料 MMC(金属マトリックス複合材料)※、CMC(セラミックス複合材料)※

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2019/03/22
       
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