マーケット情報


注目を集める健康経営支援システムなどの国内市場を調査

−2029年市場予測(2018年比)−
健康経営支援システム市場 88億円(46.7%増)
“健康経営優良法人”などの認定に向け健康経営を進める企業が増加し市場拡大


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、日本再興戦略や未来投資戦略に位置づけられた、厚生労働省が主導するデータヘルス計画に対する取り組みや、経済産業省が推進する健康経営を支援するシステムやサービスといったソリューションの国内市場を調査した。その結果を「2019 データヘルス・健康経営システム市場&国内・海外の事例分析調査」にまとめた。

企業にとって従業員の健康管理は重要な経営課題となっている。データヘルス計画に対する取り組みや健康経営は従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上などにつながると期待される。この調査では、データヘルス計画関連9品目、健康経営関連5品目の計14品目の市場を調査・分析したほか、企業・団体事例、自治体事例、海外事例を整理・分析した。

◆注目市場

1.健康経営支援システム市場



従業員の健診結果やストレスチェックの結果などを集約、管理、分析し、健康課題の「見える化」を行うことで、健康経営活動のPDCAサイクルを支援する企業向けのITシステムを対象とする。また、従業員の健康情報を一元で管理するシステムも対象とする。

過労死の問題から残業時間や働き方に対して社会的に関心が高まった影響もあり、健康経営に取り組む企業が増加し、市場は拡大している。ただし、健康経営を実施するためのトータルコストは高く、実際に健康経営に取り組めているのは大企業や一部の中小企業にとどまっている。就職活動で福利厚生や働き方を重視する学生が増えているため、今後は経済産業省が創設した“健康経営銘柄”や“健康経営優良法人”に認定されていることが重要になると予想されるため、システムに対するニーズが高まり市場は拡大するとみられる。

2.健康経営トータル支援サービス市場

2019年見込
2018年比
2029年予測
2018年比
市場規模
28億円
186.7%
110億円
7.3倍

健康経営の導入や推進にあたって健診データやストレスチェックデータ等の集計、管理、分析を行い企業の健康経営の課題や解決策の計画、効果検証を行うコンサルティングサービスなどを対象とする。

 “健康経営優良法人”などの認定制度開始を受けて健康経営を進めている企業は大企業を中心に増加しており、市場は拡大している。健康経営に先進的に取り組んでいる企業を除き、健康経営に対して人員を割ける企業やノウハウを有している企業は限られているため、ニーズは高まっている。今後は採用活動時のメリットになることから“健康経営銘柄”や“健康経営優良法人”に認定されるために健康経営を進める企業が増加していくとみられ、市場の拡大が予想される。また、健康経営には継続的な取り組みが必要となるため、市場は持続的に成長していくとみられる。

3.データヘルス向けレセプト分析・計画立案市場

2019年見込
2018年比
2029年予測
2018年比
市場規模
98億円
108.9%
300億円
3.3倍

データヘルス計画の立案もしくは実行のためのレセプト分析およびそれに伴うコンサルティング業務を対象とする。政府による2013年の成長戦略「日本再興戦略」で掲げられた目標に基づいて、厚生労働省の主導によってデータヘルス計画が始動し、市場は形成された。2018年度から第2期データヘルス計画が開始され、より綿密な計画立案が求められていることで市場は拡大している。また、健康経営の浸透による企業からの要望も市場の拡大に寄与している。第2期データヘルス計画は対象期間が6年間となっているが2020年度に前半3年間における中間評価を行うこととされており、そこでさらに需要が高まるとみられる。2024年度から第3期データヘルス計画がスタートするため、第2期データヘルス計画の中間評価の動向を踏まえ2023年度までに新規のサービスや機能追加などを図る企業も多くなることが予想されるため市場の続伸が期待される。

4.重症化予防サービス

2019年見込
2018年比
2029年予測
2018年比
市場規模
41億円
113.9%
87億円
2.4倍

糖尿病や高血圧をはじめとした生活習慣病の重症化を予防するために、特定保健指導制度で対象外となっている患者や生活者に対して、医療機関への受診勧奨や生活習慣改善に関するプランや、指導を提供する健康保険組合向けのサービス、またはシステムを対象とする。

糖尿病をはじめとした生活習慣病患者の増加で将来的な医療費負担の増加が予測される中、厚生労働省は「糖尿病性腎症重症化予防プログラム」を示すなど重症化予防を推進する動きの高まりを受け、市場は拡大している。また、2018年以降に保険者の後期高齢者支援金負担についてインセンティブ(減算)が開始されることからニーズはさらに高まり、今後も市場拡大が予想される。

◆調査結果の概要

データヘルス計画・健康経営関連ソリューション市場

2019年見込
2018年比
2029年予測
2018年比
市場規模
550億円
113.6%
1,087億円
2.2倍

データヘルス計画関連は、ストレスチェック・メンタルヘルスケア対策が最も大きな市場規模となっており、2015年12月施行のストレスチェック義務化以降急速に伸びている。次いで市場規模が大きいデータヘルス向けレセプト分析・計画立案は、厚生労働省の主導によって始動したデータヘルス計画により市場は形成され、急速に伸びている。健康経営関連は、健康経営支援システムが最も大きな市場規模となっており、大手企業を中心にCSRの一環としての健康経営強化から導入が増加し伸びている。

◆調査対象

データヘルス計画・健康経営関連ソリューション データヘルス向けレセプト分析・計画立案、特定健診結果利活用システム、重症化予防サービス、がん検診受診率向上支援、ストレスチェック・メンタルヘルス対策、治療アプリ、データヘルス向け臨床検査サービス(医療機関受診型)、データヘルス向け臨床検査サービス(郵送検査型)、データヘルス向け体質遺伝子検査、健康経営トータル支援サービス、健康経営支援システム、コラボヘルス支援サービス、健康経営向け福利厚生・インセンティブ付与サービス、病院向け働き方改革ソリューション
事例 企業・団体事例、自治体事例、海外事例

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2019/05/24
       
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