マーケット情報


拡大続ける機能性表示食品、縮小に転じる特定保健用食品の国内市場を調査

−2018年市場見込−
機能性表示食品全体 2,420億円(前年比23.7%増)
特定保健用食品 3,781億円(前年比1.8%減)


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、機能性表示食品や特定保健用食品など保健機能食品の国内市場を調査した。この調査では、H・Bフーズ(※健康(Health)や美容(Beauty)に良いというコンセプトをもった商品)のうち、保健機能食品にも分類される商品の市場を整腸効果、生活習慣病予防、骨・関節サポートなどの訴求効能別、食品カテゴリー別、ヘルスクレーム別、乳酸菌類、食物繊維などの成分別に調査・分析した。その結果を「H・Bフーズマーケティング便覧 2019 No.3 機能性表示別市場分析編」にまとめた。

◆調査結果の概要

1.機能性表示食品全体市場



2015年に制度化されて以降、市場は拡大を続けている。制度化当初はメーカー責任による届出制の仕組みに対して様子見する企業もみられたが、新たな機能性訴求がヨーグルトやサプリメントを中心に消費者に受け入れられ始めたことで、機能性表示食品制度活用に対し積極的な企業が増加し、市場は2016年に1,000億円を突破した。

2017年から2018年にかけては、健康食品・シリーズサプリメントの既存大型ブランドで機能性表示食品へのリニューアルが進んだことで急拡大している。また、明らか食品・ドリンク類では健康軸による差別化策として機能性表示食品が展開されており、明らか食品での新しいヘルスクレームの商品登場や、ドリンク類でのトクホ飲料からの需要シフトも市場拡大に寄与している。

なお、機能性表示食品には、H・Bフーズのほかにも生鮮食品やPB食品などもあり、生鮮食品ではみかん、りんご、もやしなどが、PB食品ではパン、無糖茶飲料などが展開されている。機能性表示食品全体の市場は2018年に2,420億円(前年比23.7%増)が見込まれる。

2.特定保健用食品市場

2018年見込
前年比
2019年予測
前年比
市場規模
3,781億円
98.2%
3,734億円
98.8%

市場は乳酸菌飲料やヨーグルトなどの乳製品の安定した需要と、サントリー食品インターナショナル「伊右衛門 特茶」など「脂肪」をヘルスクレームとしたドリンク類のヒットにより拡大を続けてきた。2015年以降は、機能性表示食品の投入が相次ぎ競合が激化しており、需要流出により2018年、2019年と縮小が予想される。特定保健用食品では、すでに市場に定着しているロングセラーブランドが多いが、機能性表示食品への需要流出などから売れ行きが良くない商品では終売や機能性表示食品への転換もみられる。

3.ヘルスクレーム別売上ランキング(2018年見込)



特定保健用食品と機能性表示食品のH・Bフーズ市場をヘルスクレーム別に分析した。市場規模が1,000億円を超えるのは「腸内環境」「脂肪」のヘルスクレームであり、100億円〜1,000億円未満は9種みられる。

「腸内環境」では特定保健用食品が大部分を占めており、機能性表示食品は商品数の増加により競合が激化している。また、食品のパッケージに“お通じ”“便通”などの記載を避ける企業もあることから、「便通改善(6位)」から「腸内環境」へのヘルスクレームのシフトがみられる。

「脂肪」では機能性表示食品の新商品の投入が積極的に行われているが、特定保健用食品は縮小している。また、複数の機能性を掛け合わせたダブル・トリプルヘルスクレームの商品が多く展開されており、単一(シングル)での訴求力は低下しつつある。また、「糖(9位)」も同様の傾向がみられる。

「脂肪×糖」では特定保健用食品の商品数は多くないものの、大手飲料メーカーが展開しており、安定した需要がある。一方、機能性表示食品は新商品の投入が活発に行われているが、終売となった商品も散見される。

「コレステロール」は2017年に200億円超の規模があったが、リニューアルにより「コレステロール×血圧」のダブルヘルスクレームへ切り替えた商品があり、大幅減となっている。

◆H・Bフーズ関連市場

1.紫外線対策

2018年見込
前年比
2019年予測
前年比
市場規模
41億円
170.8%
48億円
117.1%

“飲む日焼け止め”“太陽に立ち向かう”“日差し対策”など紫外線や日焼け対策を訴求した食品を対象とする。なお、販売ルートは通販やドラッグストアなど市販ルートに限る。

成分としては、ファーンブロック、ニュートロックスサン、柑橘類由来のポリフェノールなどであり、抗酸化作用で紫外線により体内に発生する活性酸素を除去し、細胞のダメージや炎症を最小限に抑える。日差しが強い海外では色素が薄いなど肌の弱い欧米人を中心に利用されるサプリメントであり、日本国内では美容外科などの医療機関ルートのみで展開されていた。

2015年、2016年と市販ルートへの新規参入が続き市場が形成された。春から夏にかけて女性誌を中心に特集が組まれたことや、2018年に新たにロート製薬が参入したことでドラッグストアでの取扱いが増加し急速に拡大している。

美容意識の高い女性の需要が中心である。高価格なものが多いことからトライアルが進みにくい側面もあるが、屋外で過ごすことが多い営業職や、屋外スポーツ観戦時の使用、さらには美白需要が特に高い訪日中国人をターゲットにしたインバウンド需要の獲得なども期待される。

H・Bフーズの定義
H・Bフーズは、健康(Health)維持増進・回復目的や美容(Beauty)目的で飲食する食品。即ち、何らかの効能・効果(機能性)を期待できる食品、および、期待されるイメージをもつ食品。法的区分上、医薬品・医薬部外品扱いのものは対象としない。

H・Bフーズの分類
全体を健康志向食品と機能志向食品の2分野に分けた。健康志向食品は機能よりも味覚を重視した、一般加工食品との競合が予想される商品。機能志向食品は味覚より機能を重視した、一般用医薬品との競合が予想される商品。 さらにこの2分野を以下のように4つに区分した。

(1)健康志向食品(「H・Bフーズマーケティング便覧 No.1」に掲載)
●明らか食品:一般加工食品と呼ばれる「通常の形態をした、日常的に食べられる食品」に機能成分を添加、強化して、商品の機能性を訴求する食品群を対象とした。
●ドリンク類:明らか食品のうち飲料分野に属するものは、(医薬品/新・医薬部外品のドリンク剤と区分するために)本調査では「ドリンク類」と呼称する。

(2)機能志向食品(「H・Bフーズマーケティング便覧 No.2」に掲載)
●健康食品:(財)日本健康・栄養食品協会で定めるJHFA規格品に加え、規格外の健康食品でも違法性が明らかな成分を使用していないものも対象とした。
●シリーズサプリメント:健康食品のうちビタミン・ミネラル類などのアイテムを各種取り揃えたシリーズ展開の健康食品(剤型は医薬品的形状が主体)を「シリーズサプリメント」と呼称する。

「保健機能食品」とH・Bフーズの関係
特定保健用食品は、何らかの機能性(特定保健目的)を有しているため全てH・Bフーズの対象に含め、栄養機能食品は、機能性を訴求している商品のみをH・Bフーズの対象とした。また、機能性表示食品は加工食品のみをH・Bフーズの対象とし、生鮮食品・PB(プライベートブランド)は対象外とした。

◆調査対象

保健機能食品 機能性表示食品、特定保健用食品、栄養機能食品
訴求効能別 滋養・強壮、肝機能改善、美肌効果、整腸効果、ダイエット、生活習慣病予防、血行促進、免疫賦活作用、栄養バランス、骨・関節サポート、貧血予防・改善、虫歯予防、アイケア、マルチバランス、リラックス、グリーンチャージ
食品カテゴリー別 チルドデザート、菓子、ステープル、農産加工品、調味料、畜産・水産加工品、ノンアルコールビール・ドリンク、嗜好飲料、乳性飲料、炭酸飲料、健康飲料、果実飲料
成分別 乳酸菌類、食物繊維、GABA、DHA・EPA、サラシア、イチョウ葉、グルコシルセラミド、モノグルコシルヘスペリジン、サーデンペプチド
関連市場 キッズサプリメント、プレママ・マタニティ向けサプリメント、紫外線対策、ヘア・スカルプケア、大人向け粉ミルク

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2019/05/30
       
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