マーケット情報


高齢ペットの増加を背景に療法食やサプリメントなどの需要が拡大
ペット関連商品の国内市場を調査

−2021年市場予測(2018年比)−
療法食 360億円(10.8%増) サプリメント 73億円(15.9%増)
ペット関連商品市場 4,818億円(3.8%増) 


総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、シニア化や室内飼育のトレンドに対応した商品拡充、スタイリッシュなデザインを取り入れた商品開発、有名ブランドとのコラボ商品の発売、高品質素材採用のフード展開など、参入メーカーによる市場活性化への取り組みが進むペット関連商品の国内市場を調査した。その結果を「2019年 ペット関連市場マーケティング総覧」にまとめた。

この調査では、ペットフード10品目、ペットケア用品10品目、ペット生活用品9品目の現状を分析し、将来を予測するとともに、注目ビジネスとしてペット保険やペットサロン、また、IoT技術を応用したIoT猫用システムトイレやIoT自動給餌器、ペット用バイタル計測システムなどの動向についても整理した。

◆注目市場

1.療法食とサプリメントの国内市場



1)療法食

犬や猫が抱える特定の疾患に対して栄養的に対応するため、その症状に合わせて栄養バランスが調整されている療法食を対象とする。食物アレルギーや尿石症、肥満、腎臓病、胃腸障害などの疾患別や疾患の重篤度などに応じた商品がラインアップされている。

2018年の市場は2017年比4.5%増の325億円となった。犬用が6割、猫用が4割となっている。近年は猫用の伸びが大きかったが、2018年は犬用の伸び率が猫用を上回った。犬用は、高齢犬の増加と共に各種疾病に罹患するリスクが上昇していることや、ペットオーナーの健康意識が高まっていることなどにより、今後も堅調な伸びが予想される。猫用は、尿石症対策商品を中心に腎臓病対策商品も一定の需要があり、伸びるとみられる。

従来、療法食は疾患治療の延長線上にあり、従来は健康機能を重視した商品設計となっていたが、近年は原料にこだわったナチュラル志向(生肉・野菜・果物の使用、鶏などの副産物ミール不使用、着色料・香料・合成保存料の不使用など)の商品が登場しており、需要開拓が進んでいる。

2)サプリメント

ペットが主食では補完できない栄養素を摂取するための栄養補助食品、整腸や免疫賦活作用など身体の生理学的機能を高めるような保健機能成分を含んだ栄養補助食品を対象とする。ペットオーナーが効果を実感しやすい商品や、専門的知識を有する獣医師などが推奨する商品、人用の健康食品などで広く認知されている大手メーカーの商品が好調で、2018年は2017年比6.8%増の63億円となった。

販売ルートは、動物病院ルート、ペットショップや量販店などの店舗販売ルート、自社通販サイトによる通信販売ルートに大別される。動物病院ルートが市場の約8割を占めている。獣医師から推奨された商品は使用継続につながるケースも多く、値崩れも起こりにくいため、メーカーも同ルートに注力している。通信販売ルートは、2017年に人用の大手食品・サプリメントメーカーによるペット用への参入が相次いだことで、ユーザーの裾野が広がり大きく伸びている。店舗販売ルートは、機能性ペットフードの普及による需要代替の影響もありやや苦戦している。

高齢ペットの増加により、関節や目の健康、免疫力の維持・強化を訴求した商品への需要が増しており、参入メーカーもそれらの商品の充実化を進めている。

2.オムツの国内市場

2018年
2021年予測
2018年比
市場規模
57億円
67億円
117.5%

自宅、車中、カフェやショッピングモールなどでのペットの粗相やマーキングを防止するために使用されるマナー用オムツおよび、高齢犬の失禁に備えた介護用オムツを対象とする。マナー・介護用途ともにニーズが高まっており、市場は拡大を続けている。

室内飼育の増加によるペットオーナーの衛生意識の高まりや、参入メーカーによる啓発活動の結果により、介護用途だけでなく、マナー用途でも需要が増えている。今後も室内飼育率の高まりや、ペットの同伴が可能な施設の増加、ペットの高齢化などの要因により、市場は堅調な伸びが予想される。ドッグカフェやホテルなどペット同伴可能な施設が増加しペットとの外出機会が増えているため、特にマナー用途の伸びが期待される。

迷彩柄やチェック柄、ジーンズ風デザインの商品など、上位メーカーからオムツ感をなくしてファッション性を付与した商品が発売されていることも、市場拡大に寄与している。

◆調査結果の概要

ペット関連商品の国内市場

2018年
2021年予測
2018年比
ペットフード
3,441億円
3,564億円
103.6%
ペットケア用品
780億円
816億円
104.6%
ペット生活用品
420億円
438億円
104.3%
合 計
4,640億円
4,818億円
103.8%

2018年のペット関連市場は、ペットフード、ペットケア用品、ペット生活用品それぞれが好調で、2017年比2.1%増の4,640億円となった。

ペットフードは、ドッグフードがドライフードを中心に縮小する一方、キャットフードは堅調に伸びている。特にキャットフードのプレミアムフードの伸びが大きい。スナックは、キャットスナックでヒット商品が登場しており、当面は10%以上の伸びが続くとみられる。観賞魚用フードや小鳥・観賞鳥用フード、小動物用フードは横ばいから微増で推移しているが、小動物用フードではハリネズミ用フードが規模は小さいながら伸びている。

ペットケア用品は、ペットの室内飼育の増加に伴いペットオーナーの衛生意識が向上していることで、需要が高まっている。ボディータオルが自宅ケアの手軽なニーズにマッチしていることや、商品の高付加価値化が進んでいることにより大きく伸びている。また、オムツは高齢犬の増加やマナーウェアの認知度の向上、お出かけシーンの増加などにより、介護・マナー用途の両面で好調である。一方、シャンプー類はペットサロンで手入れするペットオーナーが増えているため苦戦している。

ペット生活用品は、2018年は飼育頭数の減少などの影響で首輪/胴輪/引紐は苦戦したものの、食器/給水器が自動給水器のけん引により好調を維持したことや、ベッド/マットは猛暑の影響で夏用商材が好調だったこともあり、市場は2017年比1.7%増の420億円となった。

生体販売時に付け売りされるスターター向け商品や価格訴求商品、高機能・高付加価値商品など、商品の多角化が進んでいる。近年はインテリアと調和するデザイン性や機能性に優れた商品も需要が高まっており、参入メーカーも高機能・高付加価値商品の展開に積極的に取り組んでいるため、商品単価が底上げされている。また、猫の飼育頭数の増加により猫向けの商品開発が進んでいる。

◆調査対象

ペットフード ドッグフード、キャットフード、プレミアムフード、スナック、観賞魚用フード、小鳥・観賞鳥用フード、小動物用フード、サプリメント、ミルク、療法食
ペットケア用品 猫砂、トイレ/トイレ用シーツ、オムツ、ペット用トイレタリー、しつけ剤、消臭剤/脱臭剤、防虫剤/殺虫剤、シャンプー類、イヤークリーナー、デンタルケア用品
ペット生活用品 首輪/胴輪/引紐、ベッド/マット/ヒーター、ケージ/サークル/ゲート、キャリー、ブラシ/クシ、食器/給水器、玩具、衣類、水槽/周辺器具/水質調整剤
注目ビジネス ペット保険、ペットサロン、IoT猫用システムトイレ、IoT自動給餌器、ペット用バイタル計測システム

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。


2019/06/24
       
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