MARKET マーケット情報


タッチパネル分野や3Dプリンタ用樹脂が注目される
特殊粘接着・封止材の世界市場を調査
−2017年世界市場予測(2012年比)−
3Dプリンタ用樹脂3,300億円(3.9倍)3Dプリンタの市場拡大に伴い急成長
偏光板貼り合せ用接着剤偏光板保護フィルム素材のシフトに伴い市場は13億円に拡大 

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋)は、2013年10月から12月にかけて、各部材の接合、固定、保護、充填などを目的に、光学・エレクトロニクス分野を中心に使用される、高い付加価値を持った粘接着・封止材の世界市場を調査した。その結果を報告書「2014年 特殊粘接着・封止材市場の全貌と用途展開」にまとめた。

この報告書では、「静電容量式タッチパネル搭載端末の普及」LED照明の普及」「太陽光発電の本格化」「デバイスの高機能化、軽薄短小化、低コスト製造技術への転換」などに着目し、FPD・タッチパネル分野9品目、LED分野5品目、太陽電池分野5品目、半導体分野5品目、電子部品分野4品目、プリント配線板分野4品目、その他分野14品目の粘接着・封止材計46品目について、市場の現状を分析し今後を予測した。また、関連アプリケーションとして静電容量式タッチパネル、LED、太陽電池の市場動向についても取り上げた。

◆注目市場

1.3Dプリンタ用樹脂

2013年見込
2017年予測
2012年比
世界市場
1,295億円
3,300億円
3.9倍
(国内市場)
195億円
450億円
3.0倍

3Dプリンタ市場は、当面年率120〜150%の成長が期待され、特に中小企業向けや家庭向けで急増するとみられる。販売が多い地域はアメリカ、日本、中国である。特に日本では精密成形ニーズの高い分野で需要が旺盛である。それに伴い、3Dプリンタ用樹脂の需要も急激に増加しており、2013年の世界市場は前年比52.7%増の1,295億円が見込まれる。

3Dプリンタ用樹脂は、アクリル系樹脂が使用されるUV硬化型樹脂系とABS樹脂が多く使用される熱可塑性樹脂系の二種類がある。2012年の数量ベースの構成比は同程度であるが、将来的には小型のインクジェット式プリンタの需要増加に伴い、UV硬化型樹脂系の比率が拡大するとみられる。金額ベースでは、UV硬化型樹脂系が高価格のため市場の伸長をけん引している。日本ではUV硬化型樹脂系の比率が高い。

現状では3Dプリンタメーカー主導の展開のため汎用標準品市場の形成が難しく低コスト化に課題があるものの、3Dプリンタ市場の急成長に伴う需要拡大、また消耗品としての継続的な需要が想定され、2017年の世界市場は2012年比3.9倍の3,300億円が予測される。

2.偏光板貼り合せ用接着剤

2013年見込
2017年予測
2012年比
世界市場
僅少
13億円
-
(国内市場)
僅少
4億円
-

PVAフィルム(偏光子)と偏光板保護フィルムのラミネートに用いられるUV硬化型樹脂を対象とする。近年、偏光板保護フィルムの素材をTACフィルムからアクリルフィルムやPETフィルム、COPフィルムに切替える動きがあり、それに伴いUV硬化型樹脂を用いたラミネートが導入されている。

偏光板貼り合せ用接着剤の市場はまだ立ち上がったばかりであり、2013年は僅少にとどまる見込みであるが、2014年以降はアクリルフィルムやPETフィルムを保護フィルムに採用した偏光板の生産が本格化するとみられ、2017年の世界市場は13億円が予測される。UV接着工法は高速塗工や歩留まり、また耐久性に課題があるが、それらを解決することで更なる市場拡大が期待される。

◆調査結果の概要

1.FPD・タッチパネル分野

2013年見込
2017年予測
2012年比
世界市場
514億円
653億円
144.5%

FPD分野では、有機ELパネルの構造変化により、有機EL用シール材(樹脂)が注目される。シール材はガラスから樹脂へのシフトが進むとみられ、有機ELパネルの拡大に伴い需要増加が期待される。

タッチパネル分野では、スマートフォンやタブレットの生産拡大により、タッチパネル用OCAやタッチパネル用OCR、飛散防止フィルムの需要が堅調である。また、熱可塑性UV硬化型OCAや偏光板貼り合せ用接着剤が、既存の接着剤需要を代替し市場を拡大するとみられる。

2.太陽電池分野

2013年見込
2017年予測
2012年比
世界市場
1,422億円
2,044億円
156.0%

2012年は太陽電池の価格が低下し、粘接着・封止材についてもコストダウン要求が強まり価格が下落したため市場は縮小した。2013年の市場は回復に向かい前年比8.5%増の1,422億円が見込まれる。

太陽電池の供給過剰による在庫調整が終わり、太陽電池メーカーが価格戦略の見直しに入ったことから、今後は粘接着・封止材の価格も安定し、市場拡大が期待される。 この分野の9割を占める太陽電池封止材が市場全体をけん引し、2017年の世界市場は2012年比56.0%増の2,044億円が予測される。

その他の品目では、太陽電池タブ線用ハンダ代替材料が、環境規制強化を背景に需要を取り込み、年率10%以上の高成長が期待される。また、色素増感型太陽電池用シール材の市場は、短期的には小規模にとどまるとみられる。

◆調査対象

 
粘接着・封止材 FPD・タッチパネル分野 有機EL用シール材(樹脂)、有機EL用シール材(ガラス)、光学フィルム用ハードコート材、タッチパネル用OCA、タッチパネル用OCR、熱可塑性UV硬化型OCA、 ガラス積層加工用接着剤、飛散防止フィルム、偏光板貼り合せ用接着剤
LED分野 LED用エポキシ系封止材、LED用シリコーン系封止材、LED用ガラス封止材、LED用ダイボンドペースト、LED用白色ソルダーレジスト
太陽電池分野 太陽電池用封止材、太陽電池モジュール用シーリング材、バックシート用接着剤、色素増感型太陽電池用シール材、太陽電池タブ線用ハンダ代替材料
半導体分野 パワーデバイス用封止材、ダイボンドペースト(DBP)、ダイシングテープ一体型ダイアタッチフィルム(DOAF)、後供給型アンダーフィル材・注型材(一次実装用)、異方導電性フィルム(ACF)
電子部品分野 積層セラミックコンデンサ製造用仮固定テープ、イメージセンサモジュール用接着剤、導電性接着剤、鉛フリーソルダーペースト
プリント配線板分野 層間絶縁接着フィルム、FPC用ボンディングシート、FPC用電磁波シールドフィルム、プリント配線板用耐熱マスキングテープ
その他分野 耐熱セラミック接着剤、放熱接着剤、放熱両面テープ、自動車用構造用接着剤、超強力両面粘着テープ、家電・OA機器組立用ホットメルト接着剤、LiBバインダ、ガラスフリット、インゴットスライス用接着剤、UV遅延硬化性接着剤、3Dプリンタ用樹脂、3Dプリンタ用金属粉末材料、医療用接着剤(皮膚用)、医療用接着剤(血管・内臓用)
アプリケーション 静電容量式タッチパネル、LED、太陽電池

 


2014/02/14
       
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