MARKET マーケット情報


PPP事業O&M 先行企業40社の事業戦略を調査
−先行40社合計(2012年度実績)−1,078億円、全体市場の1割程度
多様なプレーヤーが参入する中、先行企業は運営による収益確保の展開が増加

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋)は、2013年10月から12月にかけて、民間企業に新たな事業機会をもたらすPPP(Public-Private Partnership:官民連携パートナーシップ)について、特に注目される「運転」「保守・点検」「修繕」「運営」「付帯業務」などのO&M(Operation&Maintenance)に焦点をあて、各社の事業戦略を分析し今後の方向性を示した。その結果を報告書「2014年版 PPP事業に於ける公共施設O&M企業戦略総覧」にまとめた。

PPPは、政府・地方自治体と民間企業が連携して公共サービスの提供等を行う手法を指す。今回は性能発注でかつ包括的委託となる「指定管理者制度」「長期包括的業務委託」「PFI(DBO)」を狭義のPPPとした。

調査結果の概要

公共施設の建設や運営・維持管理業務は、これまで政府・地方自治体が主導権を持ち直接業務に携わっていた。しかし厳しい財政状況の中での予算不足や自治体職員数の減少、公共施設の老朽化などの問題が深刻化し、膨大な管理運営コストとその作業量は公共団体の大きな負担となっている。そのため、財政の健全化や公共サービスの質の向上、経済の活性化などを目的に、可能な範囲で民間企業に業務を委ねる民間開放化が進んでいる。

官民連携は過去にも「第三セクター」などが1990年代に活発化したものの、民間の活力を生かしきれず、債務超過による破綻例も多くみられた。このような流れから民間資金の活用だけでなく、「コスト圧縮」「利益追求」という民間の経営ノウハウの重要性が着目され、ハコモノを作るだけではなく、それをどのように維持管理し、活用していくかがポイントとなっている。公共施設の運営権や開発権を民間に委譲することで民間企業のビジネスチャンスが大きく広がっており、参入企業も増加している。

(1)先行40社PPP事業O&M市場 2012年度 1,078億円

先行してPPP事業のO&M市場に参入する40社の売上高の合計は2012年度で1,078億円となった。 参入企業は大きく、メーカー系、メーカー系維持管理会社、維持管理専門会社、サービス提供会社に分かれる。メーカー系はハコモノ建設や設備導入、大型修繕へつなげるためのビジネスが中心で、庁舎・学校、プラント設備など、大型で案件数の多い施設への注力度が高い。O&Mについては付随的な位置付けであり、グループ企業であるメーカー系維持管理会社が担当するケースが多い。維持管理専門会社もメインのターゲットは庁舎・学校、プラント設備であり、メーカー系維持管理会社とのコスト競争が激しくなっている。

サービス提供会社については文化施設(市民ホール、公民館、美術館、博物館)、図書館、スポーツ施設などでの運営管理に注力する動きがみられる。規模の大きい施設は少ないが一般市民の利用が多く、集客性を高めることで有料サービスの充実化による利益創出が可能となる。公共・民間双方にメリットがあることから、今後の展開が注目される。

(2)PPP事業O&M全体市場 2012年度 1兆0,956億円

PPP事業O&Mの全体市場は2012年度で1兆956億円となった。PPPの手法としては指定管理者制度、長期包括的業務委託、PFI(DBO)がみられ、いずれも官直営と比べてどれだけ事業費を削減できるかが求められ、コスト削減が進んでいる。

既存施設に対してO&Mを行う指定管理者制度は全国市町村レベルでの案件も多く、7,300億円と6割以上を占める。維持管理会社やサービス提供会社などが参入しており、プレーヤーは多様化している。長期包括的業務委託については上下水道施設や廃棄物処理施設などの環境プラント案件が多いが、需要はやや限定的である。PFIについてはO&MだけでなくEPC(建設)の需要もあり(上記市場では対象外)、EPCはメーカー系が、O&Mはメーカー系維持管理会社が一括で担うことが多い。

指定管理者制度やPFIでは公共施設の維持管理、事業運営権なども付与されており、管理施設を利用した物販、飲食などのサービス提供も可能となっている。収益獲得のための展開も増えてきており、いわゆるハードの建設だけにとどまらずソフトを担当する企業の役割が重要となっている。年々O&Mの位置付けは高まっており、2020年度は1兆3,250億円が予測される。

◆調査対象

調査対象企業
(40社)
大林組グループ、鹿島建設グループ、前田建設グループ、NIPRO、JFEエンジニアリング、月島機械グループ、タクマグループ、日立造船、宮本工業所、アズビル、ヤマハ発動機、メタウォーターサービス、水ing、大成有楽不動産、三菱電機ビルテクノサービス、アマノマネジメントサービス、オリックスファシリティーズ、NTTファシリティーズ、テスコ、ウォーターエージェンシー、日本管財環境サービス、日本空港ビルデンググループ、富士山静岡空港、オーエンス、日本管財、セコム、綜合警備保障、日比谷花壇、JTBコミュニケーションズ、図書館流通センター、カルチュア・コンビニエンス・クラブ、ニチイ学館、サントリーパブリシティサービス、東洋食品、グリーンハウス、アクティオ、シンコースポーツ、スカパーJSAT、ミズノスポーツサービス、オリエンタルコンサルタンツグループ

 


2014/02/17
       
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