MARKET マーケット情報


介護福祉・介護予防関連製品・サービスの国内市場を調査
−2020年予測(2013年比)−
介護福祉・介護予防関連製品・サービス市場 2兆7,829億円(82.3%増)

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、超高齢社会である日本で有望産業として注目される、介護福祉・介護予防関連製品・サービスの市場を調査し、その結果を報告書「"Welfare"関連市場の現状と将来展望 2014」にまとめた。 介護福祉・介護予防関連製品・サービス市場は、要支援・要介護者をターゲットとした介護・福祉機器や、加齢に伴う心身機能の変化に応じた、自立支援、介護予防、リハビリ、介護など高齢者の生活支援を目的とする製品やサービスを対象とする。

◆調査結果の概要

介護福祉・介護予防関連製品・サービス市場

2014年見込
2020年予測
2013年比
製 品
5,532億円
6,951億円
130.6%
サービス
1兆1,141億円
2兆0,878億円
2.1倍
合 計
1兆6,673億円
2兆7,829億円
182.3%

これまで介護福祉・介護予防関連製品・サービス市場は介護保険が適用される製品やサービスが中心であった。しかし、高齢者人口と高齢者関係給付費(社会保障給付費の一種)は増加の一途を辿っており、所得に応じた介護保険負担額の変更や高齢者福祉施設利用の補助縮小などが検討されているため、介護保険適用外もしくは介護だけではなく介護予防に関わる製品やサービスによる需要獲得、在宅介護へのシフトによる民間委託事業の拡大など、非介護保険領域への展開が進んでいる。

製品市場も堅調に拡大しているものの、けん引しているのはサービス市場であり、全体では2020年に2013年比82.3%増の2兆7,829億円が予測される。注目は被介護者の自立支援やQOL(Quality Of Life)の確保、さらには介護者の作業負担軽減に繋がる製品やサービスであり、ICTやエレクトロニクス技術を組み込んだ介護ロボットをはじめとする新たな産業の創出も期待される。

◆注目市場

1.利用シーン別市場(2020年予測)

※今回調査した43品目を対象とする。ただし、複数シーンで使用される品目、どのシーンにも属さない品目があるため、介護福祉・介護予防関連製品・サービス市場の合計とは一致しない。

介護福祉・介護予防関連製品・サービス市場を「移動」「食事」「排泄」「睡眠」「入浴」の5つの利用シーンで分類した。2020年で最も市場が大きいのは「移動」シーンで利用される製品やサービスで、2013年と比較して最も市場が拡大するのは「食事」シーンの製品やサービスであるとみられる。ほかの「排泄」「睡眠」「入浴」シーンでも在宅介護へのシフトにより拡大が予想される。

移動シーンでは、福祉車両や車いすなど長距離移動をサポート、杖や介護用シューズなど自力歩行をサポート、ベッドから車いすなどの移乗をサポートする製品がある。今後の市場の拡大には介護福祉ロボット(歩行・移乗)の普及がポイントとなる。

食事シーンでは、QOLへの影響が大きいため重要視されており製品ラインアップが豊富である。用具・用品では専用品が使用される割合が低く普及が進んでいないが、介護食や口腔ケアなどの消耗品が伸びている。また、高齢者にとっては食事をする以前に料理をすること自体が負担になるため、食事宅配や家事代行などのサービスが今後も伸びるとみられる。

排泄シーンでは、昇降機能付きトイレや軽失禁ライナー・パッドなど比較的介護度が低い人向けの製品の伸びが大きい。

睡眠シーンでは、介護度が高い人向けの褥瘡予防、高齢者の見守りのための製品が多い。徘徊・転倒防止機器や在宅用無線呼出し装置は2020年に2013年比2倍以上が予想される。
入浴シーンでは、浴室や浴槽内での移動をサポート、浴室内での怪我防止を目的とする製品が多い。在宅介護が増加する中、風呂好きといわれる日本人にとって、入浴はQOLにも影響することから、市場は今後拡大が予想される。

2.日系事業者の海外進出

日本と同様に、少子化が進むことで高齢化社会の到来が予想される中国や韓国、経済成長と共に平均寿命が延びている東南アジアなどのアジア圏に進出する事業者がみられる。

特に中国へ進出している事業者が多く、生産コスト削減を目的に中国生産を始め、その後に現地販売を開始するケースが多い。次に多いのが韓国であるが、韓国の保険制度では介護福祉用品に公定価格があるため物流コストが大きくなる日本製品は利益の確保が難しいという課題もある。

◆調査対象

分野
品目
製品
機器・器具
(13品目)
介護用電動ベッド、車いす(手動型)、電動車いす、シルバーカー/歩行車・歩行器、移動用リフト、福祉車両、介護福祉ロボット(歩行・移乗)、徘徊・転倒防止機器、在宅用無線呼出し装置、健康管理トイレ、昇降機能付きトイレ、自動排泄処理ロボット、高齢者向けコミュニケーションロボット
用具・用品
(13品目)
床ずれ防止マット、体位変換・保持クッション、防水シーツ、寝間着、介護用ポータブルトイレ、補高便座、シャワーボトル、シャワーチェア、杖、介護用シューズ、手すり、義肢(義手・義足)、介護用エプロン
消耗品
(9品目)
大人用紙おむつ、尿漏れ対応パンツ、軽失禁ライナー・パッド、介護用ウェットティッシュ、ゴム手袋(介護用)、介助用スポンジブラシ(口腔用)、口腔保湿剤、流動食、やわらか食
サービス(8品目)
高齢者向け食事宅配サービス、高齢者向け家事代行サービス、健康管理サービス、高齢者見守りサービス、介護タクシーサービス、介護保険(民間)、福祉用具レンタルサービス、サービス付き高齢者向け住宅

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。

 


2014/12/16
     
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