MARKET マーケット情報


量販店、CVS、ベーカリーショップなど小売パンをはじめとするパン市場をチャネル別に調査
−2014年見込(2013年比)/メーカー出荷額−
ノンホワイトブレッド279億円(30.4%増)ブランパンがけん引、菓子パンでも採用に
ベーカリースイーツ745億円(4.2%増)カウンターコーヒーとセットでドーナツ人気

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、パンの国内市場をチャネル別に調査を行い、その結果を「パン市場のチャネル別需要分析調査 2015」にまとめた。この報告書ではパン市場を小売パンと外食パンに大別し、小売パンでは量販店とCVSの流通パン、ベーカリーショップ、外食パンではコーヒーショップとベーカリーカフェのパンについて、現状を分析し今後を予測した。これに加えてベーカリースイーツやノンホワイトブレッドなど注目の市場7品目を調査した。

◆注目市場 (メーカー出荷額)

2014年見込
2013年比
ノンホワイトブレッド
279億円
130.4%
ベーカリースイーツ
745億円
104.2%

1.ノンホワイトブレッド

ライ麦、ブラン、全粒粉、米粉など、小麦粉以外の穀類を添加した市販用のパンを対象とする。ライ麦を使用した黒パンと呼ばれるパンや小麦アレルギーに配慮した米粉パンなどがあるが、2012年にローソンからPBで「ブランパン」が投入され、ノンホワイトブレッドへ一気に注目が集まった。2013年の市場は、敷島製パンが看板ブランドの「超熟」からライ麦入りを発売し黒パンのテコ入れを図り、ローソンが「ブランブレッド」「ブランパン2個入り」をヒットさせたことで急拡大した。2014年はローソンが菓子パンでブランを採用するなど商品を拡充させており、他のCVSからもヘルシーをイメージしたノンホワイトブレッドの投入が相次いでいる。また、大手製パン各社も注力度が高く、パンの商品単価の上昇を受けライ麦などの高価格帯商品も好調であることから、市場拡大を続けるとみられる。

2.ベーカリースイーツ

日配パン棚で展開される、ホットケーキ、パンケーキ、ドーナツ、スイスロールなど洋菓子系の菓子パンで賞味期限が3〜4日の商品を対象とする。朝食としてマフィンやブラウニーなどの洋菓子のニーズが高まっており、洋菓子と比較しボリューム感と値頃感のあるベーカリースイーツが支持されている。CVSのカウンターコーヒーのヒットにより、コーヒーと相性の良いドーナツの商品化が相次ぎ、山崎製パンがこれまで菓子パン棚に埋もれていたドーナツを「ドーナツステーション」として露出させたこともあり、2013年のベーカリースイーツ市場は拡大した。2014年はCVSがニューヨークの新スイーツ「クロワッサンドーナツ」を相次いで発売した。ホットケーキ・パンケーキは拡大を続けているものの飽和感が出始めており、今後はドーナツが市場をけん引するとみられる。チャネル別にはCVSの比率が高く、カウンターコーヒーと相性の良い商品は今後も伸びるとみられる。しかし、セブン‐イレブンによるカウンターケースでのドーナツ販売と競合することになり、市場への影響が懸念される。

◆小売パン (小売販売額)

2014年見込
2013年比
流通パン 量販店
7,294億円
101.9%
CVS
7,594億円
102.1%
ベーカリーショップ
3,653億円
99.6%
合計
1兆8,541億円
101.5%

1.流通パン

2013年に発売されたセブン&アイグループのPB「金の食パン」のヒットは消費者のプチ贅沢需要を掴み、単価下落に苦しんでいた流通パン市場を大きく転換させる契機となった。製パン各社は付加価値商品の強化とレギュラー商品の価格維持に努め、小売店でも高価格帯商品やパン本来の美味しさという価値を求める動きが強まり、商品単価が上昇した。 2014年は、ノンホワイトブレッドがローソンのPB「ブランパン」のヒットで注目され、ドーナツがホットケーキ・パンケーキに次ぐ新たなアイテムとして定着している。ノンホワイトブレッドは付加価値商品であり、2013年の動きがヒットに繋がったとみられる。

チャネル別では、量販店は中価格帯の看板ブランド食パンへの需要回帰と商品単価上昇、ノンホワイトブレッドの広がりなどから市場が拡大している。食パンは低価格のイメージから脱却しつつあるものの、パン売場の棚構成で最も大きなウエイトを占める菓子パンは、需要の中心がアンパンやクリームパンなどのフィリングタイプであり付加価値商品の定着は進んでいない。CVSは高価格帯PBのトライアル需要が落ち着きNBに回帰する動きが出ているが、パンケーキ・ホットケーキ、ブランパン、ドーナツなどヒット商品が多いことに加え、カウンターコーヒーとパンのあわせ買いもあり市場が拡大している。

2.ベーカリーショップ

ベーカリーショップは、優良立地の減少、店舗数の過剰感から縮小が続いている。2013年は流通パン市場で食パンの付加価値商品の投入が続き、ベーカリーショップから流通パンへの需要の流出がみられた。2014年は客単価の上昇や客数増加に繋がるイートイン店舗の強化や、新規出店に合わせた量販店インストアベーカリーの店舗数が増えたことで、市場の縮小は微減にとどまるとみられる。パンメニューでは、四国のベーカリー発祥と言われる"塩パン"が上位チェーンベーカリーでヒットしているほか、ライ麦などを使ったノンホワイトブレッドへの注目度が高まっている。

◆外食パン (小売販売額)

2014年見込
2013年比
外食パン
766億円
101.9%

コーヒーショップとベーカリーカフェのパンメニューの販売額を対象とする。コーヒーショップは原料価格の高騰や消費増税を受けて価格改定を行ったことから客数が減少しており、客単価の上昇を図るべく店内調理パンなど付加価値メニューの展開が目立っている。パン販売額は増加しているものの、パンよりも高価格なパスタや、ケーキなどのチルドスイーツに注力する動きもみられ、売上におけるパンメニューの構成比は低下するとみられる。ベーカリーカフェは焼き立てのパンが売りであるが、コーヒーショップでの店内調理パンやベーカリーショップのイートイン店舗の増加などで焼き立てパンでの差別化が難しくなっており、パン販売額は伸び悩んでいる。

◆調査対象

小売パン市場 流通パン 量販店、CVS (小売販売額)
【対象品目】食パン、テーブルパン、惣菜パン、菓子パン、チルドパン
テーブルパン:ロールパン、クロワッサン、フランスパンなど
惣菜パン:カレーパンなど
菓子パン:パイ・デニッシュ、蒸しパンなど
ベーカリー
ショップ
チェーンベーカリー、個店ベーカリー、量販店インストアベーカリー
(チェーンベーカリー・個店ベーカリーの内数)、高級チェーンベーカリー (チェーンベーカリーの内数)
外食パン市場 コーヒーショップ、ベーカリーカフェ
ホールセール市場
(メーカー出荷額)
市販用パン
業務用パン
(製パン企業による市販用・加工用・業務用外販分)
注目市場 業務用冷凍パン生地、業務用焼成済み・半焼成済み冷凍パン、市販用冷凍パン、市販用ロングライフパン、ノンホワイトブレッド、ベーカリースイーツ(メーカー出荷額)、ベーカリーレストラン(小売販売額)

※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。

 


2015/02/25
     
上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は弊社グループ広報部(TEL 03-3664-5697)までご連絡をお願いいたします。